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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
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64.ポチ

「どういうことですか?」

「ここのシヤンは、タマって名前気に入ってないんじゃないですかね。」

「どうしてわかんだよ。」

「私も確信を持ってるわけじゃないよ。だから、試してみよう。」


気に入ってないんじゃ、とか言って違ったら恥ずいな。でも、可能性があるなら試してみようじゃないか。


「ポチー!どこだよーポチー!」

ダッダッダッ!


どこからか足音が聞こえてくる。その音は次第に大きくなって、


「ようやく読んでくれたか!」

「え?」


イヌがしゃべった。これはなんだ、サネと同じ感じなのか。私にはそういう声が聞こえるのか。それとも私の頭がおかしいのか。


「いや、今回ばかりはカリノがおかしいんじゃない。」

「あぁ、俺たちにも聞こえるみたいだ。」


言葉を発していない二人を見た。驚きすぎて、言葉が出ていないようだ。


「なんだよ、タマって。それじゃネコじゃねえか。」

「タマさん、ネコってなんです?」

「あ、こっちじゃ名前違うのか。面倒だな。」


え、今ネコって。え、じゃあ日本から来たのは依頼主じゃなくて、イヌ?!


「あ、あのネコって、」

「おめーも知らねえのか。んーなんて言えばいいんだ?」

「いや、そうじゃなくて、ご存知なのかと。」

「あたりめーよ。そこら辺にいっぱいいたわ。って、ん?おめーはネコ知ってんのか?」

「、はい。」


やっぱりそうだ。この人は元の世界から来た人だ。ん?人でいいのか?


「そうかそうか!オレは日本ってとこから来てな、なぜかイヌになってたわ。」

「あなたも日本人なんですか?!」

「おう、純粋な日本人だ。こんな姿だけどな。」


まさか、日本人がこんなところにいた。イヌだけど。


「私も日本から来て、まぁ向こうで死んでしまったからなんですけど。」

「そうなのか、でもオレは死んだ覚えなんてないんだ。」

「え?」


じゃあ、死ななくてもこっちの世界に来る方法があるのか?だとしたら、その逆も。


「まぁ今のこの姿は、気に入ってるからいいんだけどよ。」

「でもなんでこの家にいるんですか?」


いきなり入ってきたサフラにびっくりした。シヤンが好きなんだろうか。すごいウキウキしているような気がする。


「拾われたんだ、この家の主人に。どこかに行くにも遠そうなんでな。ここに住まわせてもらってる。」


その判断は正しいだろう。いくらイヌの体でも、街まで歩きはしんどいと思う。


「おや、主人が帰ってくるな。」


イヌだから耳がいいのか、それとも嗅覚なのか。次第に馬車の音が聞こえてくる。馬車が止まり、男性の声がする。


ガチャ

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