61.もしかしたら
「それで、このクエストで何を探すの?」
私は「見つけてください。」の文字しか見てなかった。違うことを考えていたとかじゃない。この文字が目立ちすぎるのだ。
「この写真の奴らしいぞ。名前はタマだってよ、おかしな名前だな。」
いや、たぶんキキョウの方がネーミングセンスないよ。てか、タマって猫に多い名前じゃね?写真を見る限り、犬なんだけど。キキョウの反応からして、タマって名前はこっちだと珍しいんだと思う。もしかしたら、飼い主の人も日本から、
「それは確かめて見たいね。元いた世界の元住人がいたら、話しやすいだろうし。」
「うん、もしそうなら、どうやって来たのかも気になるし。」
「そういうことなら、早く探しましょ!」
もし日本人だとしたら、ぜひ会って話しがしてみたい。まずこのクエストをクリアするしかないんだけど。それにしても、犬か。すぐ見つかりそうな気もするけど。でも待てよ、この世界のことだ、めっちゃデカかったりするんじゃないか?
「ねぇそのタマってどこに探しいくの?」
「ここからはちょっと離れてるから、馬車使っていくよ。」
「そっか」
こんな街中なら、デカいのはないなって思ったけど、外ならワンチャンある。犬だけに、
「なんかちょっと寒くない?」
「そう?うちは暑いくらいやけど」
「ねぇアイリス!」
「ごめんごめん」
めっちゃ笑ってるじゃん。お腹よじれそうじゃん。あー、考えなければよかったな。くそ。
「お口が悪くってよ、カリノさん。」
アイリスが口に手を当てて言う。なんだろ、すごい腹立つ。こんな感じでふざけてるうちに馬車が来たのでそれに乗った。馬車なんて初めて乗った。すげー、こんな感じなんだ。
「おー、はしゃいでるな、ちんちくりん。」
「え?」
ほんとだ、はしゃいでるの私だけだ。え、みんな落ち着いている。いつもみたいに、もっとはしゃぐものだと。裏切りじゃん。
「こっちの世界だと乗る機会は多いよ。カリノのとこは違ったの?」
確かに今考えてみれば、自動車とか走ってなかったな。
「自動車ってのがあるのか、確かにこっちじゃ聞かないね。」
「今度こっちにしかなさそうなもの、色々探して見ましょうよ!」
「いいですね、それ。」
今度の休みの過ごし方が決まったかな。それにしてもずっと平坦な道だ。どんなところに着くんだろうか。楽しみだな。
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