55.好イベント
ずっと寝てたから、体が重い。ギルドの方向的にあの人混みをもう一度通らないと行けないのか。しんどすぎる。
「大丈夫だよ、カリノ。あの道は通らないから。」
「でも、ここは行き止まりだし、道なんて見当たらないけど?」
「ここはガーべが使える世界線だよ?」
「ほら、行くぞ。」
たしかにガーべがあると、なんでもありだ。でも、プリエさんは使えない。四人の中にも、道を隠せるようなガーべ使いなんて。五人がどんどんと道のない方向へ足を進めていく。
「え、?」
みんなが壁に吸い込まれていく。結界みたいなものなのかな。みんなが通った壁を恐る恐る触ってみる。感触はない。だけど、触ったところから波紋が広がっていく。変な感じ。
「カリノ、早く来てください。ん?」
いきなり現れたのは、タニアさんだった。私がちょうど触っていたところから現れた。私の手は壁ではなく、タニアさんの頭だ。
「わっ!ごめんなさい。」
私は慌てて手を引っ込める。タニアさんは、自分の頭に触れている。私がさっきまで触れてたところだ。やばい、嫌だったかな。しくじったな、早く通ってればよかった。でも、私的には好イベント。あたふたしている私の手をタニアさんが取る。またまた好イベント。私はタニアさんに連れられて、壁を通り抜ける。
「やけに遅かったな、ちんちくりん。」
「ごめん、通り抜けられる壁なんて、初めて見たから。」
「にしては、穏やかじゃなかった様だけど?」
アイリスがニコニコしながら見てくる。やめてくれ、もうこの癖は抜けないんだから。
「目的地はすぐそこだよ。」
パッと前を見ると、そこはもうギルド前の広場だった。思っていたよりも近かった。
「でも、こんな目立つ場所だと、たくさん人が来ますね。」
「大丈夫だ、あの店は私が許した奴しか通れないようになってる。」
「便利なんですね。でも、どうやって、」
「ガーべを持たない人でも、ガーべが使える道具があるんだ。まぁそれは、後々説明するよ。」
「わかりました、ありがとうございます。」
やっぱり、すごい世界だな。道具を使って簡単に異能が使えるんだ。ほんと、二次元の世界みたい。
私たちは、ギルドに入って席に座る。みんな、周りを気にしているようだ。なんかあるのかな?すると、少し遠くから声が聞こえる。
「おいおい、プリエが子ども連れてるぞ。」
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