54.姉妹
プリエさんは、キキョウのお姉さん?たしかに、ちょっと怖いところとか似てるけど。私は二人の顔を交互に見る。あ、雰囲気もだけど顔もちょっと似てる。
「タニアさん、この情報は紹介のときに入れるべきです。」
「すいません、なんとなくもう知ってるものだと、」
「いや、キキョウの姉妹なんて聞いたことないですよ?!」
なんで知ってると思ったんだ?やっぱタニアさんは面白い人だな。って、今はタニアさんじゃなくて。
「タニア、ちんちくりんにねねのことどんな風に言ったんだ?」
意外かも、キキョウってお姉さんのこと、ねねって呼ぶんだ。かわいいとこあるな。これはいわゆる、ギャップ萌えってやつだ。プリエさんも呼ばれ方とか気にしそうだけど、そんなこともないのかな。
「雑貨屋サリュのマスター、プリエさんと。」
「その説明からじゃ、ちんちくりんもびっくりするわな。」
タニアさんが気持ちしぼんでみえる。キキョウが肩をぽんぽん、とするとタニアさんが復活してくる。この二人の雰囲気、なんか好きだ。キキョウは見た目ちょっと怖いけど、中身はそんなことない。ゆるーく感じるな。
「なんでお姉さんがいるって教えてくれなかったんだよ!」
「別にいいだろ、そこまで重要な情報じゃ、」
「何言ってるのさ!姉妹は最高じゃないか!」
「お、おう。なんの話だ?」
「あ、ごめん。忘れて。」
「え?気になるんだけど」
「お願いします。」
やってしまった。キキョウが重要な情報じゃないとか言い出すから、思わず出てしまった。自分でもわかってる、身内をネタにするのはあまりよくない。でも!こんな美少女姉妹を前にして、気持ちが抑えられるかどうか、!
「ちんちくりんって、たまに変だよな。」
「まぁそうだね。けど、楽しそうだからいいんじゃない?」
「なんか言った?」
「「なんでもないです」」
キキョウとアイリスがコソコソと話してた気がする。二人で声なんて揃えちゃって。それを見てニコニコしてるサフラ。二人が言ってたことが気になって、二人の顔をキョロキョロしてるタニアさん。バラバラだけど、まと
「バラバラだけど、まとまりのあるパーティだな。」
まただ。プリエさんには心を見透かされてる気がする。だけど、ガーべはないって言ってたし、まさかエスパー?!
「それはないと思うよ。単に考え方が似てるんじゃない?」
「私とプリエさんが?」
「「そんなことないでしょ。」」
あれ?
「ほらね?」
アイリス、ちょっと楽しんでるだろ。いいんだけどさ。プリエさんと似てるのは光栄なことに感じる。
「今日はこれからどうするんだ?」
「クエ・・・っ!」
「バカなのか、バカなんだな。今日は安静にさせろ。」
プリエさんがキキョウにチョップをした。こういうやり取りを見てると、姉妹って感じがする。
「じゃあ、ギルドにランチでも行きませんか?」
「ギルド、ですか?」
「はい、みなさんカリノを心配してましたし。」
「そうだったんですか、わかりました行きましょう。」
ランチへはプリエさんも行くことになった。なんか渋ってたけど、大丈夫かな?
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