52.病院
私にエネの上限がない?え、無限にガーべが使えるってこと?じゃあ、なんで倒れたんだ。上限がないなら、ずっと動けるんじゃ。
「それでエネの上限がないのに、なんで倒れたんだって思ってるんだろ?」
「え、あはい。その通りです。」
「エネの上限なしって奴は見たことがねぇから、ただの予想だ。お前は別の世界から来て、最近初めてガーべを使ったんだろ?」
「はい、つい四日前くらいです。」
「普通はガーべを使い始めてから四年くらいでエネの範囲内でなら、自由に使えるようになるんだ。」
驚きが隠せない。四年、私はそれを四日でやろうとしてたのか。そりゃ上限があったとしても、体に負担がかかりまくるわな。みんなのガーべは、四年以上かけてきた努力の賜物。なんか、嫌だな。ただの付属品みたいだ。
「だから、ガーべに徐々に慣れていくしかないな。」
ほんとは休んでる暇なんて無いはずだ。世界を救って欲しい、って言われて急がないほうがおかしい。あまり難しくないクエストで体を慣らしてたはずなんだけどな。
ガラガラガラ
「よ、大丈夫か?」
そう言って入ってきたのは、アイリスだ。その後ろには、キキョウとサフラもいる。三人の様子を見るに急いで来てくれたらしい。
「うん、まだ体が上手く動かないけどね。」
「そうか、ごめんな。無理をさせてたみたいで」
「ううん、気にしないで。私がやりたくてやってただけなんだし。アイリスたちが気に病むことじゃないよ。」
結局は自分の体調を気にしていなかった私が悪い。
「プリエさん、いつ頃から動けるようになるんですか?」
「明日には動けるだろうよ。」
じゃあ、今日一日はこのままか。時計を見ると午後三時を指していた。私は丸一日寝ていたようだ。そういえば、
「ここってどこなんですか?」
「ここは私の店の地下だ。病院と同じような治療はできる。」
病院か。病院はあまり好きじゃない。嫌なことを思い出してしまうからだ。
「カリノ、顔が暗いけど大丈夫?」
「え?あ、大丈夫ですよ。地下にこんなとこがあるなんて思ってなかったんで、状況の整理というか。」
「そうですよね、初めての場所ですし。ゆっくり休んでください。」
私は軽くアイリスの方を見た。きっと心を読んでいる。黙っていて欲しい。あと、理由も今は聞かないで欲しい。いつか、ちゃんと言うから。アイリスは、コクっとうなずいてくれた。
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