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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
50/128

50.始まりの場所

「タニアさん、ここって。」

「そうです、私たちが初めて会ったところですよ。」


タニアさんの荷物が盗まれて私が初めてのガーべを使った場所。ずっと前な感じがするけど、まだ四日ほどしか経っていない。今までで一番濃密な時間を過ごしている。


「さぁ行きましょう。」


トコトコとタニアさんが歩き出した。


「待って!」


私は咄嗟にタニアさんの手を掴んでいた。心配だからだ。こんなところではぐれたら、まずい。ずっと見つからない気がする。


「手、繋ぎましょ。ここで迷子はまずいですから。」

「そうですね、カリノしっかりついてきてください!」


まるで自分が発案したかのように、胸を張って言う。かわいいから腹立たないけど。でも、私がやばいな。緊張で手汗をかいてしまいそうだ。タニアさんの手、すごく柔らかい。ダメだ、こんなことを考えてたら。


「カリノ、そこ曲がりますよ。」


暗い路地を曲がる。あまりいい雰囲気ではない。タニアさんがこんなところに入って行くなんて、不安になってしまう。少し歩くと、提灯のような明かりが見えてきた。


「ここが私たちがよくお世話になってる、雑貨屋さんサリュです!」

「雑貨屋、ですか。趣のあるお店ですね。」

「私たちは子供の頃から通ってます。今は外出しているようですが、マスターのプリエはカリノを成長させてくれると思います。」


私の成長、プリエって人は何者なんだろうか。このお店の雰囲気だけで想像すると、すごく怖そうだ。


「ほんとはすぐにプリエと会って欲しいんですけど、タイミングが悪いですね。」

「もう少し待って見ますか?」

「そうですね、いいですか?ここで時間が経ってしまいますけど、」

「いいんですよ、プリエさん気になりますし。」


私とタニアさんは、店前の階段に腰掛けた。さっきの人混みから一本入っただけなのに、こんなにも静かなのか。まぁ東京とかもこんな感じなのかな。


バタンっ!


あれ、なんだ。体が動かない。


「カリノ!どう、、たの?!カ、、、!」


私が倒れたのか。どうしよう、意識がもう、保てない。タニアさん、辛そうな声を出さないで。起きろよカリノ。悲しませるな、頑張れ。


「タニ、、、!ど、、、した?!」

「プ、、ん!どう、、よ。くる、、、るよ?!」

「まか、、、な!」


誰か来たのか、頼む、タニアさんを。





読んでいただきありがとうございます

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