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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第四章 この世界の相棒
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46.ベーアクエスト終了

ようやく外に出られた。巣穴の中は、ランタンがあったとはいえ暗かった。まぁ森の中だから、外も暗いんだけど、開放感がある。


「とりあえず、ベーアのお墓を作りに行こう。」


今はあまりみんなの顔が見れない。表情に出てないだろうか。心配はかけたくない。でもまずは、ベーアのことを考えなきゃ。私たちは森を抜け、月明かりの下に出た。もう夜になってしまっていた。


(この辺りにベーア30頭を並べられるような穴を掘る。土は横に置く。)


横に10頭、縦に3頭並べられた。


「穴を掘るのはガーべを使ったけど、埋めてあげる時は手作業でやりたいんだ。どうかな?」

「あぁ、やろうぜ!」


キキョウの声にみんなが頷いた。


(シャベルを五人分。)


出したシャベルをみんなに手渡す。各々が積まれている土をベーアに優しくかけていく。最初ベーアは眠っている仲間の顔をずっと見ていた。私には想像できないくらい辛いんだろう。


助けられなくて、ごめんなさい。私がもう少し早く着いていたら。


私はベーア達に向けて、手を合わせた。よし、作業に入ろう。かなりの労働力になりそうだ。私が作業を始めてすぐ、ベーアも手で土をすくい仲間にかけていった。


「だいぶ、かかっちまったな。」


お墓作りが終わり、近くにみんなで腰掛ける。いつもみたいに明るくクエストを終えられない。これだけの犠牲が出てしまった。


「カリノ、犯人にあてがあるんだろ?」

「そういうアイリスこそ。ガーべで大体の状況はわかってたろ。」

「うん、僕にもあてがある。」


私にはアイリスのように人の心を覗くことができない。でも、目を見れば何となくわかる。私とアイリスが思っている人物は、きっと同じだ。


「私は正直、殴り込みに行きたい。」

「それは同感だ。だけどあいつら、あまり街に帰って来ないんだよ。」


そうだったのか、強くなればなるほど難しいクエスト。そうなったら、ほとんど遠征なのか。じゃあ、帰ってきたら誰かに教えてもらうか。三十発以上殴らないと、気が済まない。


「とりあえず、帰ろうか。あいつらに近づくために少しでも早く強くならなきゃね。」


そうだ、私たちは強くならなきゃいけない。みんなもきっと成し遂げたいことがあるんだ。ゆっくりしてられないぞ、カリノ。


「主、我にもついて行かせてください。我も同じく強くなる。」

「うん、大歓迎だよ!」


正式にベーアが仲間となった。帰りはベーアの背中に乗ったから、すぐ着いてしまった。仲間になったモンスターは身体を小さくすることもできるようだ。ベーアは私の部屋で一緒に寝た。泣いてる音が聞こえたけど、そっとしておこう。

読んでいただきありがとうございます!

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