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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第四章 この世界の相棒
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41.森の中

まだ日は昇ってるはずなのに、木が高いせいで薄暗くなってる。何かがピーピー言ってるし、すごく不気味だ。


「不気味なところですね。」

「我々ベーアは普段大人しいが、危険がある。だから、人気のない場所を選んだんじゃよ。」

「というそうです。」


ベーアの声が自分にしか聞こえてないって不便だな。あれだ、翻訳○○にゃくみたいなのがあればいいのに。異世界だから、わんちゃんなんて考えるよね。


「んー聞いたことないね。」

「ふぁっ?!」

「今更なんだよ、その反応。」


いや、完全に自分の世界入ってた。一瞬全部口から出てたんじゃないかって思ったわ。


「そもそもモンスターと会話しようって思ったことないかも。」

「みんなが話せるようになる可能性はないのかな?」

「んー難しいな。そういうガーべがあれば、なんか作れそうだけど」


可能性があるなら、それを信じるしかないか。モンスターがなんでそこにいるのか理解できた方がいいだろうし。無造作に討伐していくのは、なんだか可哀想だ。


「生きるためには仕方ないってことだよね、理不尽だけどしょうがない。」

「そんなもんなのかな。」

「主は、我々モンスターを助けたいと思ってくれるのですか?」

「え?」


ベーアが急に話し始めた。助けたい、そうだな。モンスターにも生活はあるんだし、家族も仲間もいる。私たちとそんなに変わんないじゃないか。ただ、容姿が違うだけ。


「うん、思うよ。モンスターも人も一緒だもん。」


私はしっかりベーアを見る。これが本気だって伝えるために。


「優しき心の持ち主ですな。」

「そうかな?」


ベーアも案外怖くないかもしれない。この子を信じてもいい気がする。と、周りを見ると四人はよく分からなそうな顔でこっちを見ている。そりゃそうか、傍から見ると私は一人で話してるわけだ。


「楽しそうですね。」

「すいません、話しが通じないのに」

「いいんですよ、カリノ、すごくワクワクしてるように見えるから」


そんな風に見えてたのか。ちょっと恥ずかしいな。でも、こんな異世界に来てオタクがワクワクしないはずがない。憧れだったし。日本とは全然違う新しいことばかりだし、何より充実してる。人とふれあうことがこんなにも楽しいことだって知らなかった。人に恵まれたってのもあるのかな?


「そう思ってくれてよかったよ。」


アイリスはにこやかに言った。


「お?なんの話だよ。」

「キキョウには、ひみつー」

「アイリスちゃんうちはー」

「サフラもだよ、カリノと僕のひみつ」


ひみつにする必要があるのかは分からないけど、アイリスが楽しそうだからいいか。


「主、もうそろそろですぞ。」

「そっか、気を引き締めよう!」



読んでいただきありがとうございます!

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