35.ベーア討伐クエスト開始
「アイリス、今回討伐するベーアってのは、どんな奴なの?」
「ベーアは大きくて爪が鋭いやつ。」
「そういうのたくさんいる気がするけど」
「なんだろな、もしベーアに会ってしまったら死んだふりをしなさい。って小さい子は言われるらしいよ」
なんだそれ、まるでクマじゃないか。
「ベーアよけの鈴を持つといいと聞いたことありますよ。」
あ、絶対クマだ。よく田舎のばあちゃんとか言ってた気がする。いつも妄想で頭がいっぱいだったから、イマイチ覚えてないけど。
「でも、それってすごい凶暴なんじゃない?」
「そうだね、凶暴だけど、だからこそ討伐しないと。それにハーゼよりも難易度が高くて、僕らでも出来そうなのがベーアしかなかった。」
今日は行くのが少し遅かったから、先に丁度いいのは取られてしまったのだろう。でも、クマって怖いな。人を襲ったっていうニュースをよく見てたから余計に。目に傷とか合ったらどうしよ?腰抜けるかもしれない。
「この時期のベーアは凶暴だけど、肉とかも高く売れるし、毛皮もいい感じなんだよな。」
「え、時期によって違う感じ?」
「うん、冬のベーアは人を襲わないし、すごくかわいいんだ。ベーアに会うためのツアーとか開かれてるよ」
ベーアと会うためのツアー?!ベーアと会うって、クマ牧場みたいに高低差があって、眺める感じなのかな。
「そうじゃなくて、実際の巣穴の近くまで行くんだよ。僕は見たことないけど、本当に優しいベーアとかだと木の実をくれたりするんだってさ。」
信じられない。日本でそんなことしたら、自殺行為だよ。噛み殺されて終わりだって。
「でも、そんなにかわいいベーアを討伐しちゃうの?」
「うん、仕方ないんだよ。冬になってしまえばいいけど、春になるとまた凶暴になる。そんな奴が村に降りてきたのを放っておいたら、人間がいなくなってしまうよ。」
そんなもんなのか、ベーアも生きにくいだろうな。冬場はかわいがられたはずなのに、春になったら殺されてしまうかもしれないなんて。人間って勝手なんだな。
「そんなことしてたら、絶滅したりするんじゃないの?」
「ベーアは群れで行動するんだ。でも、その中でエサを探しに行くのはニ、三体。僕らが討伐するのはエサを狙うほう。群れ全体を討伐したりはしないよ。」
あくまでも、人間に危害を与えたものだけってことか。ってことは、ハーゼみたいに仲間を呼んだりはしなさそうだ。まぁそれでも三体はいるのか。どう討伐しようか。
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