34.戦略
朝食を食べ終え、みんなでギルドへ行く。
「それで?戦略ってどうすりゃいいんだよ。」
「主に問題なのは、キキョウとお嬢なんだけどね」
アイリスの言うとおり。私は深くうなずいた。体力の無駄遣いは、今のところ二人だけだ。
「効率よくやらないと、レベルの高いクエストに行ったら大変だよ」
「そ、そうですね。たしかに、考える必要がありそうです。」
おそらく、この二人には自分で改善する、という考えはないようだ。本当に脳筋だな。
「まずはお嬢ですね」
「私はどうすれば?」
「お嬢は知能系ですから、出来るだけ前線に行くべきではないですね。剣術や格闘術が得意ならあれですが」
「どちらもやったことありません。」
背筋を伸ばして、はっきりと言った。そんな自信満々に言われてもな。
「まぁ分かってましたが。」
「じゃあ、私はあまり突っ込まない方がいいって事ね。」
「そうですね。」
ほんとに大丈夫かな?やってみないと分からないから、今は考えても仕方がないんだが。
「俺はどうすればいい?」
「キキョウは、ハーゼ討伐のとき音を立てすぎてたかな。あれだと、どんどん集まってきちゃうから。」
「あ、そうか。」
「それと、ジタバタし過ぎて体力すごい持ってかれるでしょ」
「そ、そうだな。」
キキョウは、意外と真面目に聞いている。こっちはあまり心配しなくてもよさそうだ。
「キキョウのガーベなら、足を変形させることも可能なんじゃない?」
「あ、そうか!ナイスアイデアだ、ちんちくりん!」
いいアイデアが出せたのはいいけど、やっぱりちんちくりんなんだな。真剣なときじゃないとカリノって呼んでくれないのか。
「そこは面白みがあっていいじゃないか。」
「言われる方の立場になってみて?!よくないから?!」
そんな間にも、タニアさんは何だか格闘術っぽい真似をしている。キキョウは、足を色々と変形させているみたいだ。サフラはというと、それらをただニコニコしながら見ている。やっぱり不思議な人だ。
「キキョウも実戦で試してみたほうがいいんじゃないか?」
「お、そうだな。ここじゃ広く場所を使えないし、障害物もないからよくわかんない。」
キキョウは、感覚で覚えるタイプなのかな。運動神経はよさそうだから、すぐにコツを掴みそうだ。まぁ一番の心配は、タニアさんだ。今回は一旦様子を見るとするか。
「よし、じゃあ今回はベーアの討伐クエストに行ってみるか!」
私も氷結型を試してみたいし、試すことは山ほどある。量をこなさないと!
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