3.第一事件?!
無理矢理、異世界へ転移されてしまったわけで。
あの適当さだったから、いきなり森でスタート!とかありそうだと思っていたが、しっかりと街スタートだった。
とはいえ、これから何をするべきなのか。特に指示されたわけではないから、自由にやっていこう。
「えーっと、まずはこの世界についての情報が欲しいところ」
「きゃー!泥棒!!」
後方から叫び声がしたと思ったら、黒い服装をした人と肩がぶつかってそのまま走っていく。
「あの人!泥棒です!!」
泥棒です、と言われても、もう追える距離じゃない。
体力には自信がある方だけど、人多いし。
こんなときに風魔法とかで泥棒を転ばせて、
「ガハッ!!」
そして、泥棒の手元から盗んだものをひゅるりと、取り上げて私の手元へと、
「あぁ!せっかくの獲物が!」
出来ればすごくカッコいいんだけど、な?
「あ、あれ??」
その瞬間、周りの人たちから歓声が湧き起こった。
自分では、ほとんど理解できていない。ただ、いつものように
ちょっとした妄想を膨らませていただけなのに。
「お嬢さん大したもんだな!ほれ、果物持ってきな!」
「あ、えっと、ありがとうございます。」
とりあえず、食料問題は解決?で、いいのかな。
それより、この荷物の持ち主は。
「あの、荷物ありがとうございます。お礼もしたいので、ついて来てもらえませんか?」
お礼はいらないと思ったが、なにか情報が得られるのでは、と考えた私はその人について行くことにした。
荷物の持ち主も泥棒と同様に服のフードで顔を隠していた。
この世界ではこれが流行っているのか?
「突然ですが。あなたはさっき、どのようにしてこの荷物を泥棒から取り返しましたか?」
「どのようにって、私もよく分からない、です。」
妄想していて、気がついたら泥棒が転んで、手元に荷物がありました。なんて、言えるわけがない。泥棒以上に頭がおかしいと思われてしまう。こんな序盤に変な噂が流れてしまったら、お先真っ暗だ。
「それでは、質問を変えます。あなたは先程、何を考えていましたか?」
その質問は答えざるを得ないじゃないか。
「えっと、あの泥棒が転んで手元に荷物が来ればカッコいいな、と」
あー、もう終わった。私の異世界ライフ。
天使様、私を異世界に転移させたのは間違いです。
本当に申し訳ございませんでした。
「あなたが!!」
そう言って、荷物の持ち主は私の手を勢いよく握った。
それと同時に後ろから風が吹き、持ち主のフードがぬげる。
「あ、アヤメちゃん?!」
読んでいただきありがとうございます。
異世界転移早々に能力の発動!
荷物の持ち主はまさかのアヤメちゃん??