25.アイリスのお願い
「そろそろ、敬語やめないか?」
「え!早くないですか?てか、そういう問題でもないような」
「ほら、コミュニケーションとしてさ。僕たち、年齢もそこまで変わらないだろ?」
「そう言われても・・・。」
いきなり、敬語をやめてと言われてもな。クセになってるだろうし。
「心の声は、タメなんだしさ。その勢いで行けるだろ!」
「それとこれとは、話が違うだろ?!」
「お!いいじゃないか。」
あ、しまった。この世界では、清楚系でやって行こうとか思ってたのにな。でも、アイリスさんには弱みを握られてる・・・。逆らえるわけがない。
「出来るだけがんばる・・・です」
「おしい!!まぁ、少しずつでいいよ。」
少しずつでもかなり難しそうなんだよな。だけど、私の過去をさらされる方がもっと嫌だ!!
(この気持ちアイリスさんにたくさん届けー!!)
「ガーベ使うみたいに言ってるけど、痛いほど伝わって来てるから。そんなに思わなくても」
「不安、だからだよ・・・。まだ、ア、アイリスだから良かったけどさ・・・。」
「なーに照れてんだよー。かわいいやつだなー!」
「う、うるさいぞ!!」
やっぱり、最初に感じたのは間違いじゃない。アイリスとは、仲良くやって行けそうだ。他は少し不安が残るけど。それにしても、通信型がアイリスで本当に良かった。他のメンバーならどうなっていたか、想像するだけで鳥肌が立つ。
「アイリス、お前ちょっと顔赤くないか?」
「は、はぁ?そんなことないし」
は!もしや・・・。
(アイリス、本当にありがとうね。アイリスがいてくれて助かった!もう、アイリスがいないとやっていけないよ。みんなのお姉さんだね。あー、私は幸せものだ!)
そんなことを想像し続けていると、アイリスの顔がみるみる赤くなっていく。
「ありがとう、アイリス!」
「声に出すな!分かっててやってるだろ!」
「え?なんの事?私、ちゃんと言われないとよくわからないなー」
「カリノー!!!」
アイリスが顔を真っ赤にしながら、追いかけてくる。キキョウをかわいいと以前言っていたが、アイリスも十分かわいい所あるじゃないか。オタクは、そういうギャップに弱いんだぞ。
「後半何言ってるかよくわからんが、もうやめろー!!」
そんな私とアイリスを見て、三人も笑っている。こんな光景は妄想でしかなかった。アイリスは照れてしまうけど、アイリスも含め、みんなに感謝しているのは本当のこと。アニメやマンガ、ゲームはないけど、この世界に来られてよかった!
読んでいただきありがとうございます。