表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第二章 異世界生活本格始動!
20/128

20.なんかしちゃったかな

どうしよう、こんな面倒くさいような人たち相手したことない。本当のことを言おうにも、この世界にはアニメやマンガはない。日本で異世界ものを見ようとしよう、それがこっちでは日常だ。逆に日本での日常を見たとしたら、異世界ものになるという事だ。説明に困る。


「こっちにも学校はあります。だけど、カリノさんはガーベを習わなかったんですよね。それどころか、この世界の事を知りませんでした。では、何を学んでいたのですか?」

「何を、か。私が得意だったのは数学かな。」

「数学ができるのですか?それなら、研究者になれますよ?!」


そんなに驚かれる事なのか?ただ、私は頭のいいキャラに憧れて猛勉強しただけ。オタクさんの中には、私以外にもその経験がある人は必ずいると思う。


「研究者は大袈裟ですよ。さすがにそこまでは出来ないです」

「この世界では日常で使う程度の計算しか習わないんだよ。」

「だから、脳筋が多いんですか?」


私は、タニアさんとアイリスさんの方に視線を移しながら言った。その本人たちは、なんの事か分かっていないのか、首を傾げていた。


「んー、たぶんそうかな。君がいた世界よりも知能は低いと思うよ。勉強もほぼ自主制だからね。」

「アイリスさんは、自主的に勉強したんですか?」

「どうしてそう思ったの?」

「え、いや何か。すごく物知りだし、説明も上手くて、何でも知ってて頼れる人って感じがするから」

「たぶん、カリノが思ってるほど良いものじゃないよ。」


少し、アイリスさんの声のトーンが落ちた。何かマズイことを言ってしまったのだろうか。アイリスさんは遠い目をしている。


「カリノさん、カリノさん!やっぱり元いた世界とこちらは、全然違いますか?」


しまった。ぼーっとしていた。えっと、返事しないと


「そうですね。そもそもガーベのような能力もなかったですし。街並みもこんな豪華じゃないですよ。あんな大きなお城もないです。」

「そりゃあいいな。行ってみたいもんだぜ。」


なんか、急にみんなの空気が重くなってしまった。なんでだろう。知りたい、だけど今日この世界に来た新参者が聞いていいような内容じゃない気がする。なんでかは、分からない。だけど、私の本能がそう言っている気がする。


「あ、あの!今日は皆さん、初クエストでお疲れだと思うので!また明日、今後について考えましょう!もう休みましょう。」

「そうだね。今日はそれぞれ宿を取ろう。また明日、ここに11時集合で」


そう言ったアイリスさんは、みんなにお金を渡し、ギルドを出て行った。お金をもらった三人もそれぞれ、お疲れ様と言って、ギルドを出て行ってしまった。振り返って見た四人の背中は、少し寂しく見えた。


「私、明日から大丈夫かな。」


一人になった私は、そうつぶやいてギルドを後にした。



読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ