2.いざ異世界へ!
「って、あれ?なんかすごく暗いんですけど」
さっきまで妄想に浸って、気がつくと自分の周りは真っ暗だった。
電気を消した記憶などない。それに、体が動かない!
どれだけ体を左右に動かそうとしても、びくともしない。
「金縛り?心霊現象的な?!」
「その予想は外れですよ。」
急に声がしたと思ったら、光と共に人が現れた。
それも超美人さんだ。すごく顔が整っていて、女性にしては少し低音ボイスで・・・
「推せる・・・。」
「やめてください。それにあなたの目の保養になるために来たわけではありません。」
目の前にこんな美人さんが現れたことないから、変に口走ってしまった。それに自分に対して冷たい言葉がかけられたと思うと、
変な趣味が新たに出てきてしまいそうだ。
それはそうと、この人は一体・・・
「私は、生と死の間にいる天使です。あなたには強制的に異世界へ行ってもらいます。」
「え?ちょっと待ってよ!強制的に異世界へ行くってのは置いといて。生と死?私、死んだの?!」
「えぇ、そうですよ。妄想に浸り過ぎて、あまりの尊さにショック死、となっています。」
推しの尊さでショック死?そんなことあるの?
私なら有り得なくもない、と思ってしまったのが悔しい。
って、そこもすごく気になるところではあるけど、
「あの、異世界へ行くってのは?」
「あなたに拒否権はないです。」
「なんで?」
「あなたは、今まで生きてきた人生の中で妄想以外にほとんど何もやっていません。もう少し社会に貢献してから死んで下さい。
まだ若いのですし。」
若いからって、異世界にかり出されるのか。
それに、妄想以外に何もやっていないって、改めて他人から言われるとちょっと嫌だな。
「異世界に行って何をすればいいの?」
「そんなこと、自分で考えて下さい!」
そんなこと言われても、日本以外で生活したことなどないから分からない。アニメやマンガの中でも、異世界って色々あるからな。
「あの・・・」
「もう自分で見たほうが早いと思います!それでは転移させます!」
私の頭上に魔法陣のようなものが現れ、吸い込まれていった。
こんな無理矢理されてしまったが、これから一体どうなるの??
読んでいただきありがとうございます。
異世界へ転移され、次回から異世界生活スタート!