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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
124/128

123.大切な人

(カリノ!!)


なんなんだ。頭の中に見たことがない映像が流れてくる。これって、、、。


「カリノ!!」

「私たちは、好き同士じゃないんですか、?」

「い、一緒に寝てくれませんか?」


これは誰かの記憶?いや、私の記憶なのだろうか。小柄で長髪の女の子、顔はよく見えないけど雰囲気からして可愛い。これが私の記憶なんだとしたら、この人がタニア、この人が私の大切な人。頭が痛い、断片的にだけど、さっきの女の子が写っている映像が頭の中に流れてくる。


「カリノさん、お願いがあります。私たちと一緒にこの世界を救ってくれませんか?」


顔がようやく見えた。え、アヤメちゃん?私の推しの顔にそっくりだ。なんでだ、胸がザワザワする。これは、推しに対する感情なのか?いや、こんな感情は知らない。


「あなたの力が必要なのです。」


あ、、、私はこの光景を知っている。私が初めてこの世界にきた時、ギルドに行ってアイリスたちに出会って今のパーティに入ったんじゃない。タニアさんが私を見つけてくれたんだ。タニアさんが自分のガーべを信じて、私を信じてくれたから、今、ここにいるんだ。そうだ、私はタニアさんを助けに来たんだ。どうしてこんなに大事なことを忘れていたんだ。


「カリノさん、大丈夫ですか?」

「あ、カミツレさん。」


サフラが呼んできてくれたカミツレさんが救急箱を持って到着した。


「すぐに治療しますから。」


カミツレさんは傷ついた私の体に触れ、治療を始めてくれた。身体中にあった無数の傷がなくなっていく。痛みが薄れ、少し身体が楽になった。


「ガーべの消耗が激しいですね。もう少しだけ待ってください。」


カミツレさんの手から、力が伝わってくる。そして、カミツレさんが力を入れた瞬間、私の前には花畑が大きく広がっていた。色んな花畑が風に吹かれて揺らいでいる。すごく綺麗な光景で、私は声も出なかった。


「カリノさん、終わりましたよ。」


ハッとすると、そこはもう屋敷だった。


「カミツレさん今のって、、。」

「とても綺麗ですよね、私にも詳細はわかりませんが、大きな力を使おうとするとあのような風景が広がることがあるんです。カリノさん、お身体どうですか?」


多少違和感はあるものの、痛みはなくなっていた。それに、


「カミツレさんのガーべはエネまで回復出来るんですか?さっきまでのだるさがなくなって、逆にパワーが溢れているんです。それに、すごく暖かい。まるで、なにかに包まれているような。」

「エネの回復もできるんですが、私のエネが元になっているので、少し休まないとガーべが使えません。」


カミツレさんの顔をよく見ると、冷や汗が出て辛そうだ。私が未熟なばかりに。


「あほか。」


声と同時に頭をひっぱたかれた。犯人はアイリスだ。


「なんで?!」

「カリノが未熟だからって言うからだろ。」

「事実じゃないか!」

「まだガーべを使って間もないんだぞ。未熟じゃない訳あるか。後先考えずにガーべ使っちまうし、めちゃくちゃ心配になる。でも、お前の行動や言動ひとつひとつが、みんなを動かしてる。僕達はカリノよりも長い間ガーべを使ってるけど、まだまだ未熟だ。まぁ、なんだ。未熟者同士、支え合って行こうや。」


そうだ、私はひとりじゃない。危うく、突っ走って行くところだった。私が一人でいるところを見つけてくれたのがタニアさんだろ。忘れてごめんって、ちゃんと会って謝らなきゃ。今行きます。待っててください。

読んでいただきありがとうございます

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