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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
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109.秘密の特訓-3

朝食を食べたあと、トラウベはいつものように連れて行かれてしまった。抵抗はした。解放してあげて欲しいと。私の意見になど耳を傾けず、食堂を出ていった。私も自分の部屋に戻り、時計を持ってから家を出た。トラウベを待たせることがないように。


「よし、今日も石を切るところから始めよう。」


私は、自分の気持ちを入れるために独り言を話す。紙で練習したおかげなのか、少しずつ切れ目が中心に近づいて行っている。昨日よりも疲れが溜まりやすくなっている気がする。


「、、、大丈夫。」


まだしんどいほどじゃない。私は自分に信じ込ませるように、呟いた。でも、


「うぅぅ、なんだよ、、これ。」


急に自分の体が自分のものではないような感じがした。自分の体を制御出来ないのだ。


(君だけの、強力なガーべが欲しいのだろう?)

「だれ、、、だ。」


聞いたことの無い声。いや、よく考えてみると今のがちゃんとした声だったかどうかも怪しい。私は、何を聞いているんだ。


(君は素質がある。是非、我が配下として育てたいものだ。)

「意味、、わかんないこと言ってんなよ。」


ほんとうにやばい。今にも自分の体が奪われてしまいそうな感覚。私の全身が伝えてくる。こいつは危険だと。


(いいのかい?私の元に来て強くなれば、君の弟を救える力なんてすぐにつくさ。)


そんなわけないだろう。私はずっとガーべを使って来なかったんだ。そんな簡単に強くなれるわけが無い。実際、私ぐらいの年代の子は、学校でガーべを習う。努力の末の力だろう。


(君はそう考えるのだね。じゃあ、今から少しその力を体験してみるかい?)

「何を言って、、、?!」


それは一瞬だった。さっきまで自分の力で制御出来ていた体が、別物になってしまった。苦しい、痛い、自分の中から力が溢れ出てくる。でも、こんなに大きな力が今出たら、、、。


(あぁ、やはり素晴らしい力だ。)


制御出来ない。今の私の体は、声の主が操っていつのか。周りの木や岩を細かく刻んでいく。攻撃は無茶苦茶に見えるが、ちゃんと狙ったところにガーべを使っている。その考えが頭を駆け巡っている。


(今日はこんなところか。どうだい、君の本当の力は。とても強力で美しいだろう。)


頭が痛い、ぼーっとする。これが私の力。ダメだ、体が重い。トラウベ、、トラウベのところに行かないと。

読んでいただきありがとうございます!

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