99.レザン&トラウベ戦略
「アイリス、あの二人のガーべって。」
まずはどんな戦略が通じるかを考えないと。
「ごめん、わかんない。」
え、まじですか。思わずアイリスの方を見たが、びっくりして声が出なかった。アイリスでも知らないことぐらいあるだろう。私が頼りすぎなんだ。分からないってことは、探っていかないと。
「正義の鉄槌、、か。」
「レザンは、さっきなにでカリノを攻撃したんだろうな。」
「というと?」
「何も見えなかったんだよ。」
なるほど、じゃあ何かを発現させるガーべではない、ということになる。じゃあ、どうやって攻撃したんだ。
「カリノ、来るぞ!」
「あなたたちを潰すのは、この私。聖なる裁きを与えるのは、この私!」
(氷でアイリスもキキョウも囲う!)
向こうの力が強すぎる。氷が今にも砕けそうになる。
「もっと、、もっと強くだ!」
レザンの攻撃が収まった。あの攻撃が何度も来ると考えたら、恐ろしい。でも、収穫はあった。アイリスの言う通り、何かを発現させているわけじゃなさそうだ。それに、レザンの攻撃中、体が重くなる。
「アイリス、レザンのガーべは空気を操っているんじゃないか?」
「なるほど、それなら体が重くなるのも説明がつく。」
「どういうことだよ。」
「圧力だよ。圧力を操作することで、攻撃になっているんだ。」
レザンのガーべは、たぶんわかった。じゃあ、トラウベはなんだ。一度も攻撃してこない。ずっと後ろにいる。
「レザンのやつ、あれだけ酔ってるのによく動けるよな。」
あ、そうか。
「ナイス、キキョウ。今のでトラウベのガーべが何となくわかったよ。最初に倒すべきなのは、レザンじゃない。トラウベだ。」
「なんでだよ、あいつは全然攻撃してこないだろ。だったら、そんなやつ放っておけばいいじゃないか。」
「そうじゃない。たしかにトラウベは攻撃してこない。直接、はね。」
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