1.プロローグ
私、東条カリノはいわゆる〈オタク〉だ。それも重度の。
新しい作品に出会うたびに推しを決め、脳内妄想を始める。
大抵が女の子キャラだ。あまり男の子キャラが推しになることはない。
今、絶賛推し活中なのは、深夜アニメのキャラクター「アヤメ」。
顔良し!ツンデレ良し!清楚感良し!おバカ度良し!
アヤメで妄想する時にはミリというもう一人のキャラが登場する。
この二人が私の推しカプなのだ!
(アヤメー、どこ行くの?)
(別に、どこでもいいでしょ?)
(つれないこと言うなよ〜。そんなこと言う子には、こうだ!)
(ちょっ、馬鹿じゃないの!)
「きゃー!もう最高!エッチくない二人のやり取りが尊い・・・。」
こんな可愛い推しカプと巡り会えたことに感謝。
他の人から見れば私は、ただの女子高生。
高校でも中の下くらいの階層にいる。休み時間に席を立つこともない。その時間はいつでも妄想をしている。
「ぼーっとしてどうしたの?」
と言われるが、
「あ、ごめん。考え事してた」
そう答えるとあまり深堀して来る人はいない。
そう、私の頭の中はいつだってパラダイス!!!
読んでいただきありがとうございます。
まだ異世界転移要素がありませんがちゃんとします!!