転生前の生活
「ハァー、だるい...。」
この男の名前は石橋京介(21)何処にでも居る社畜である。
連続残業時間200時間以上...。
そして、今日も残業である。
「クッソ!やってられるか!何で毎日残業しなくちゃいけねぇんだよ!
サービス残業?ふざけるな!俺はこの会社の犬じゃないんだぞ!」
そんな愚痴を零していると見知った顔の男が注意してくる。
「言いたい事は分かるが...部長に聞かれたら大変だぞ?だから、そんくらいにしとけ。」
こいつは、俺と同じ時期に入った同僚だ。
始めは接点が無かったけど、何か色々あって仲良くなった。
「でもよぉー、こんなの誰だって愚痴を零したくなるだろ?
ハァー...帰ったら色々とやることがあるのに。
」
「京介さん...そうですよね、俺も残業なんか終わらせて家でやらなくちゃいけないことをしないと。」
「そうだな。だから、早く終わらせるぞ!」
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「お、終わった...まじでキツいは。」
「本当に...でも先輩はやっぱり凄いですね。
あんなにあった書類をこんなに早く終わらせるなんて...。
しかも、僕の書類まで手伝ってもらって...本当に先輩には脚を向けて寝られませんよ。」
「何言ってんだ。
困った時はお互い様だ...今度何か奢れよな。」
「はい!勿論ですよ!」
驚くことに京介は普通なら三時間掛かるであろう書類をたったの一時間で終わらせたのだ...。
この驚異的なスピードは京介並々ならぬ記憶力とスピードがあってこそできる技だ、他の人はこんな事は普通は真似出来ない。
「さてと、残業も終わったし帰るか。」
「そうですね。帰りに一杯やっていきます?奢りますよ?」
「悪いな...今日は"アレ"をやるから無理だわ。すまんな、また今度奢ってくれ。」
「分かりました。また今度奢りますね。
では、お疲れ様です先輩」
「おう!お疲れ。」
京介の言う"アレ"とは言ってしまえばエロゲの事である。
京介は今日がお気に入りのエロゲをやると決めていた。
帰って早くしたい!帰って早くナニしたい!
そんな事を思いながら歩いているといつの間にか家に着いていた。
「今日こそ攻略してみせるぞ!俺の推しヒロインを!」