第三話:一つの輪
何だが、この物語、相当長くなりそうな気が……。まあそれでも、頑張って書きます!
「「か、可愛い〜!!」」クラス中の男子が口を揃えて叫んだ。今度は俺も含めて。
彼女は何処をどう見ても完璧な美少女だった。ほんの少し茶色を含んだクリっとした目、少し高めの鼻、プルンとした可愛い唇。また、体型も、程よい身長に、成長し膨らんできた胸、すらっと長い足。そんじょそこらのアイドルより、よっぽど可愛い。
「佐沢はご両親のお仕事の都合で、この町につい最近引越してきたばかりだ。みんな、仲良くするように。いいか?んじゃ、佐沢の席はっと……。お、矢賀、お前の横、空いてるよな?」
「はい。」
「よし、じゃあ佐沢、矢賀の隣に座れ。」
いや〜、あんな美少女が俺の隣に座るなんて、まるで小説みたいな展開だな。ここから新しい恋が始まってゆ……!?
あれ?男子の皆さんが、獲物を捕らえる獣のような目でこちらを見ていますが?マジ怖い、ホント怖い。
すると、佐沢が俺の隣に座った。そして、天使の様な笑顔で挨拶をしてきた。
「よろしくね!矢賀くん」
「お、おう。」
そして俺は、昼飯の時間までずっと、その天使の顔を見つめていた。
キーンコーンカーンコーン昼飯になると、誰もが予想していた通り、佐沢の周りに人だかりが出来た。お陰で俺の机まで占領されてしまった。仕方ないので、俺は屋上で食べることにした。
ガチャ。屋上のドアを開けると、まだ、誰もいなかった。そこで俺は、校庭が見下ろせる場所に座った。
「はぁ……。ここはのどかでいいなぁ。佐沢、今頃質問責めなんだろうなぁ。」それにしても、佐沢って、ホント可愛いよなぁ……。てか、俺の周りって美少女だらけじゃん!俺の姉妹は三人とも美少女だし。隣の席には、佐沢がいるし。なんか、俺、幸せ……。
「何ぼけ〜っとしてんだよ?」
「こんにちは!慶大くん」
「おう、葉月、翔太、どした?」
こいつらは、宮野葉月と青野翔太二人とは幼馴染みで、小学生からの付き合いだ。
「どうしたもこうしたもねえよ。お前のクラス、すんげ〜可愛い転校生来たんだろ?」
「ああ。佐沢な。それがどうかしたか?まさか、学年1イケメンな翔太様は、佐沢をロックオンですかな?」
そう、翔太は学年の中で1番のイケメンだ。しかも、頭脳明晰、運動能力抜群とあって、その人気はファンクラブが出来る程だ。
「バーカ、ちげーよ。転校生が来たっつったら誰だって気になるじゃねえかよ」
「まあ、いいや。そんなに気になるんだったら、教室来いよ。質問責めに遭ってるだろうから。」
そして、俺達は教室に着いた。案の定、佐沢は質問責めに遭っていた。
「あれが佐沢かぁ。すんげー美少女だな。よし、声掛けに行こうぜ。」
「ちょ、待てよ!俺だってまだ話し掛けてねえんだぜ?抜け駆けは許さんぞ」
「何?お前隣の席なのに声掛けてねぇの?チキンだな〜」
「うるへ〜!そんなに言うなら今声掛けてやる!来いよ!」そして俺らは教室に入った。
「あ、青野君!」
「青野君が来たわよ!」
途端に青野目当ての女子が騒ぎ始めた。俺らはそれを無視し、佐沢の席に向かった。
「さ、佐沢さん。今ちょっといいかな?友達を紹介したいんだけど」
「は、はい。いいですよ」俺達は騒がしい教室を出て、廊下で話すことにした。
「紹介するね。このイケメン野郎が青野翔太。このやんちゃ娘が宮野葉月。二人共俺の幼馴染み。よろしくね。」
「葉月って呼んでね、佐沢さん!」
「俺の事も、翔太でいいよ。よろしくな」
「あ、ついでに俺も慶大でい……ゴフ!!ってえ!何すんだよ翔太!」
「お前はいいんだよお前はよ」
「いいじゃねえかよ!俺だって佐沢さんと仲良くなりたいんだから」「今は俺と葉月を紹介する立場だろーが。後にしろ後に」
「んだとぉ?」
「ウフフ……。仲が良いんですね」
「……え?ああ、まあ…ね。仲が良いっつーか腐れ縁っつーか」
「ありがとうございます、皆さん。私、正直不安だったんです。この学校で上手くやっていけるかって。けど、皆さんが優しく接してくれたお陰で、少しほっとしました。ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」
「気にしないでよ」
「そ。気楽にいこうぜ」
「はい!」
こうしてここに、一つの輪が完成した。
なんだがものすご〜いベタになってきた…。しかも、所々グダグダになって…。ま、気にせず続けます!今日中にもう一話更新する…予定です…。