第二話:転校生現る!
前話の後書きがおかしくなっている事、お詫びします。それでは、第二話です。どうぞ。
閑静な住宅街。そこを歩く二人の男女。だが、二人は喋ろうとしない。
すると、沈黙に耐え兼ねたのか、男の方が口を開いた。
「なあ、なんでそんなふて腐れてんだよ?」
「別に。」
「じゃあ、もうちょっと明るくなってくれないか?これじゃ、気まず過ぎるって。」
「…。」
はぁ、何でこの子はこんなにも俺に冷たいのでしょうかねぇ?もうちょっとでも優しかったら、ほんっと可愛いのにねぇ。
「どうせあたしは、冷たくてがさつで可愛くない女の子ですよ!ふんっ!」
「ふぇ!?」
何故俺の考えてる事が分かった?これがテレパシーってやつか?そうなのか?神様教えくれ!
心を読まれあたふたしている俺をよそに、奈々はすたすたと歩き出し先に行っててしまった。
「お、おい!ちょっ、待てって!…。はぁ…。行っちまったよ…。」
仕方なく、俺は一人寂しく学校へと向かった。
「ちょり〜す」
「ちあ〜」廊下で、すれ違う友達とテキトーな挨拶を交わした後、俺は教室に入った。
「おはよ〜」
「おっ!慶大!来た来た。おい!BIGNEWSがあるぜ!聞きたいか?なあ?聞きたいよなぁ?」
「んあー、もう、っるせぇな大樹。朝からギャーギャー騒ぐな。」 このうるさい馬鹿は、金橋大樹兎に角よく喋るので、みんな欝陶しい存在としている。だが俺は、こいつが根はものすっごい友達思いなのを知っている。っつーことで、こいつは俺の中では親友的な位置にいる。 「んで?何?」
「おう!聞きたいか!実はなぁ、今日俺らのクラスに転校生が来るんだってよ!しかも女子だぜ!?どうだ?驚いたろ?」
「ふ〜ん。そ〜なんだ。」バシッ!
突然俺の頭がジンジン言い始めた。
「んだよ!?何で叩くんだよ?」 「ったりめぇだろうが、バッキャロー!少しは驚けや!転校生だぜ?転校生。」
「ま、普通じゃねぇの?今6月だし。なんか、ちょうどそんな時期なんじゃね〜の?」
「へっ!まあ、いいや。んじゃ、もうすぐ先生来るし、また後でな。」
そう言って、大樹は自分の席に戻って行った。ちょうどその時、先生が入って来た。
「ほら〜、席に着け〜!」ガヤガヤと騒いでいたクラスメイト達が、ゾロゾロと席に着いた。
「よ〜し。知っている奴もいるかもに知れないが、今日、このクラスに転校して来た生徒がいる。」
「先生〜!男子ですか〜?女子ですか〜?」
男子の一人が聞いた。
「おう!女子だ。はしゃぐなよ、男子。」
「「ひゃっほう!!」」
とたんにクラス中の男子が騒ぎだした。俺一人を除いて。
すると、俺の前に座っている女子が話し掛けてきた。
「あれ?矢賀くんははしゃがないの?」
「まあね、よくある事だし。別に、すんげー美少女が来る訳でもないだろうし」
「ほらー!少し落ち着け男子!さあ、佐沢入って来てくれ。」
ガラガラ。ドアがゆっくりと開いた。途端にクラス全体が黙った。そして俺の予想は180度変えさせられた。
「佐沢理香です。よろしくお願いします。」
入って来たのは、まさに絶世の美少女だった。
今回は二人人物紹介です。金橋大樹:慶大のクラスメイト。慶大とは中学からの付き合い。よく喋り、うるさいが、根は物凄く友達思い。彼女はいない。慶大の親友。佐沢理香:慶大の高校に転校してきた絶世の美少女。どちらかというと大人しい性格だが、詳しいことは分からない。