革靴の1ページ『通勤編』
俺は革靴、名前は特にない。ん?持ち主は今日も俺を使うようだな。
「ヤバイヤバイ!寝坊した!遅刻するー!!!」
クソッ!今日も臭い足を俺の中に入れやがって!地面に凹凸があったら躓いてやろう。うわっ!急に走るな!
「あぁぁぁ、電車乗り遅れるー!!」
電車、お前みたいに足の臭い奴が、沢山詰まってるあれか。
──電車の中
「はぁぁ〜、なんとか間に合ったぁ〜。」
...お前も大変だな、革靴。
お前は楽しそうだな、スニーカー...
「あ、おはようございます、佐藤さん。」
「あぁ、おはようございます、鈴木さん。」
あ、おはようございます、革靴!
あぁ、おはよう、スニーカー。
「お前はスニーカーでいいよなぁ、楽だろ?」
「いえいえ、そんな事ないですよ!」
お前は楽そうでいいな、スニーカー。
いやいや、そんな事ないよ!
こっちは、毎朝まいあさ臭い足を突っ込まれて...、手入れもしてくれないし...
コッチだって足臭いし、手入れなんてされた事ないよ。それに、俺はそろそろ捨てられるかも知れないし....
何でだよスニーカー?!
俺は、お前みたいにお高くないから....使い捨てなのさ。
なんなんだよ?!使い捨てって!クソッ!人間め!
明日、また会えたらぃぃ....
スニーカーァァァ!!!まだ話してる途中だってのに、空気読めや!いっつもいっつも、自分勝手に使いやがって!人間めぇぇぇぇ!!!
〜終わり〜