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東方旧乱記  作者: オツリッサ
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地獄にて

―地獄


三途の川に流れる船の上で、今日もまた、一人の死神が死人の魂と無駄話をしていた。


小町「…でさー、そこで四季様に言われたんだ『さ、さっさと働くの。今がかき入れ時じゃないの。』ってね…」


そこで小町は空を見上げた。まさか今の聞かれてないだろうな。今のが四季様の耳になんか入れば何時間説教されるのかわかったもんじゃない。

小町は目線を死人の魂に戻し、再び喋り始めようとした。その時、辺りが鋭い光に包まれた。それと同時に三途の川の水面が大きく波打った。小町は必死に船にしがみつき、川に落ちないようにした。

すべてが静まり返った時、小町は目を開けた。船は何事もなかったように川を進んでいる。


小町「おおーい。大丈夫か?川に落ちてなんかないよなあ。」


死人の魂から返事があった。どうやら無事のようだ。小町は内心ほっとしていた。魂が川に落ちたなど、どんな言い訳をすればいいのかわからない。しかし今のはなんだったんだ… まるで爆発じゃないか。


小町「ふぅ~…あたいも死神やり始めて長いけど、今のみたいなのは初めてだね。いったい何がおこったのやら…」


その時小町は背筋にゾクッとするものを感じた。なんだこれ…どうやらものすごく強大な魔力のようだが…

小町は辺りを見渡した。特に何も変わったものはない。いや…上だ!小町は上を見上げた。そこには巨大な岩のようなものが浮いている。さらにその岩から上半身のみの女性が突き出ている。


小町「なんじゃありゃ…」


そいつと小町との目があった。あー、なるほどね…ただ者ではないわけだね。小町は大鎌をつかんで空に向かった。その途中で死人の魂に呼びかけた。


小町「ちょっと先に行っといてくれ。あとそれから向こうに着いたら四季様に、敵に応戦中だからサボってるわけじゃないって言っといてくれ。」







さて、所変わってここは地獄の閻魔の職場、魂が裁かれる場所である。小町と時を同じくして、幻想郷の閻魔である四季映姫・ヤマザナドゥも突然の光と衝撃に少しばかり驚いていた。


映姫「いったい今のはなんだったのでしょう?小町は無事でしょうか…」


その時、映姫も小町と同じように何者かの気配を感じた。今まで感じたことのない強大な力であった。


???「はて?ここはどこであろうか…」


表から声が聞こえてきた。映姫は入り口まで行き扉を開いた。そこには赤い和服を着用し、片手に盃、片手に刀を持ち、額から角をはやした者が立っていた。

映姫はそいつを見つめた。噂には聞いたことがある。かつて地獄最強と呼ばれ、星の騎士という異名をもっていたと言われる剣士だ。しかし何故こんなところへ?こいつは数年前に突然姿をくらましたと言われているはずだ。もしかして人違いかも…一応確認してみるか…


映姫「星の騎士、コンガラさんでよろしかったでしょうか?」


???「そうだ。よく知っているな。そういうあなたは地獄の閻魔様でしょう?初めまして。」


映姫「こちらこそよろしくお願い致します。私は四季映姫・ヤマザナドゥです。」


口調こそ丁寧だが二人はお互いを探りあっていた。コンガラは笑みを浮かべると刀を構えた。


コンガラ「強者同士が向かい合うとやることは今も昔も変わらないな」


映姫「そのようですね。あ、そうだ。先に忠告しておきますが、あなたは少し自信を持ちすぎています。その自信はいつかあなたの身を滅ぼすことになるでしょう。」


コンガラは戸惑ったような目をして映姫を見た。


コンガラ「自信がありすぎる?そりゃあ確かに少しはあるけどさ。どこらへんを見てそう思ったんだい?」


映姫「その片手にある盃。それは決闘の最中も持っているつもりでしょう?」


コンガラ「確かにそのつもりだが、それと何が関係あるんだ?」


映姫「誰でもわかることでしょうが、その盃はあなたにとって障害となります。それでも尚、勝てると思っているなら、あなたは自分自身の力を過信してしまっているようです。あなたは自分の力を見つめ直し、過度な自信を減らす努力をしなければいけません。」


コンガラは鼻で笑った。そして刀と盃を構え直した。


コンガラ「そういう言葉は勝ってからいってほしいものだね。どっちが過度な自信家か白黒はっきりつけさせてもらおうじゃないか!」


映姫「白黒つけるのは私の仕事です。裁判と同じように白黒つくのは貴方だけなのですよ!」


そして二人はぶつかったのであった…







―アリス宅


人形使いであるアリス・マーガトロイドは椅子にもたれ掛かり、一人で考え事をしていた。―ついに起こってしまったのね。思っていたより随分と早かったわ。幽香も気づいたのかしら…霊夢や魔理沙それに紫だって気づいていいはずね…

アリスはこれから起こるであろう出来事について考え深くため息をつくのであった…




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