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ユグドメイク -YggdMake-  作者: 隆永展
第一章:残るものは失った過去
6/17

Memories No.104

 読み取り開始(ID:No 104)

 ・・・・・・ーーーー

 

 ぁー…椎名です。

 えーと。

 ここ最近の活動で、日常が現実からほど遠い体験ばかりしてきたもんだから、常識が崩れたと言うか。

 誰にも言いづらかったオカルト話をしようかと。


 ホラー系じゃないんだけど。

 内容三つかな。

 一つは産まれる時の話、一つは記憶にない記憶の話、最後は夢なのに夢の続きを見る話。

 見渡す限り快晴で、空高くから地上を眺めるように空の中に居たんだ。

 意識はあるようでない自分が、勝手に地面に引き寄せられるように地上が壁のように視界が近づいてくるんだ。

 地上に近づいた時、俺が生まれた家と周りの景色が見えて来たんだよ。

 子供の頃、その景色を見ようと近くの坂の上にあった駐車場から見ようとしたり、試行錯誤したけれど、視覚が全く違って同じ景色を見ることができなくて。

 それを生前、母親に伝えたらそんな角度で見える場所なんてない、夢なんてそんなものだと蔑ろにされたんだ。

 まぁ言われた通りそんな場所はなかったけどね。

 当時、と言うか記憶では上空から実家を真上からの景色が見えていてさ、そのまま家の屋根から壁をすり抜けると日の明かりだけに照らされた暗い部屋に、布団で寝ている誰かが見えて来て、そのまま吸い込まれるんだ。

 それから視界が暗く変わって。

 気が付けば暗い場所で自分は包まっていた。

 時折、暗闇の向こう側から人の声がするんだ。

 会話のやりとりがどうやら俺に声をかけてるみたいで、言葉は理解出来ていたけど返事をする気になれなかったんだ。

 あの時はとにかく眠かった。

 それから気付いた時には部屋で籠に包まっていたな。

 そんな記憶があるんだけど幼い頃に他の子に体験談を話したら、意外と皆んなそう言う経験はないって言うんだよな。

 幼少期から今に至るまで、就寝中だったり少しぼーっとする時に記憶にない風景や体験を夢で鮮明に見る事があるんだ。

 知ってるようで知らない人物がその夢の中の空想で会話もしてるし感覚も少し残ってるんだよ。

 同じ感覚を体験した事がある人っていないのかな。

 体験した事も記憶にもないはずなのに実感があるんだよ。

 そもそも昔会って以来一度も見てないはずなのに、見ず知らず出て来た風景に年相応か少し若い頃の知人が出て来たり、どこぞの場で起きた出来事を見てるような感覚だった。

 デジャヴでも正夢とも違う気がする、追体験?

 それ以外には暗く狭い何かがうねった作りの洞窟が奥深くまで続く場所に大きな琥珀を挟んだ柱みたいなのがいくつか立ったような場所を見た。

 あ。

 区分けして話そうと思ったけどつい流れで言い切ってしまった。

 まぁとにかくそんな夢だかなんだか見ることがあるんだ。

 凄い夢見るねぇ、お腹の中の話?

 うわっ、びっくりした、いつの間に居たの?

 へへ、やほ。

 やほじゃないよ。

 いま腹の中の話しじゃないし。

 てか勝手に入って来ないで。

 いーじゃん、もっと聞きたい。

 いやだ、恥ずかしくなって来たから。

 なんかただの痛い奴な気がしてきた。

 あはは、そんな事ないよ。

 不思議な冒険譚みたいで面白かったよ?

 はいはい、もう言ってて後悔した、終わり終わり。

 えー、じゃぁ後で続き聞かせてね?

 もう無いよ。

 えー!!


 ーーーーーー・・・・・・ 読み込み終了

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