まぼろしの珍獣 ティグアンを探せ
コータ「お兄ちゃん、動物園から仕事の依頼がきたよ。」
ケイタ「どれどれ。えーと。ティグアンを生け捕りにしてほしいか。でも、ティグアンなんて、聞いたことがないぞ。」
コータ「申します。申します。ティグアンという動物は、どんな動物か調べてください。」
電脳板「ティグアンは、高度電脳帝国には、生息は確認されていません。」
コータ「近隣の国にはいるかい?」
電脳板「近隣の国でも、捕獲、写真、目撃情報はありません。」
コータ「じゃあ、どうやって、捕まえるんだ?」
電脳板「どうやら、高度電脳帝国 建国170年祭を挙行するにあたり、初代皇帝が、かわいがっていた動物がティグアンで、なんでも、近隣諸国を統一するための遠征していた時に、見つけて、それから、飼っていたそうです。伝承によれば、ティグアンに餌を与えて、頭から背中をゆっくりとなぜると、その気持ちよさと同時に、素晴らしいアイデアがどんどん沸き上がり、電脳帝国の礎が出来上がっていったそうです。」
コータ「じゃあ、170年前には、そのティグアンという動物はいたんだね。写真とか、絵があるんじゃないかなあ。皇帝が飼っていたんだから。」
電脳板「ここに、初代皇帝の銅像の写真があります。この銅像の足元にいるのが、ティグアンだと言われています。頭はトラに似ているのですが、尻尾が太く、水の中を泳ぐときは、この尻尾をつかったと言われています。この個体は、メスだったそうですが、オスには、翼があったらしいと言われていますが、翼のあるティグアンは、当時も飼われていなかったそうです。しかし、満月の晩に、どこからともなく、突然と現れ、メスと一時をすごすと、突然と姿を消します。僅かな目撃情報によれば、翼があったということです。」
コータ「じゃあ、そのメスは、子供を産んだのかい?」
電脳板「子供は産まなかったそうです。初代皇帝が死去するとき、ティグアンも同日の夜、亡くなったそうです。初代皇帝の死後も、初代皇帝をお守りしているとされています。」
コータ「じゃあ、ティグアンをそれ以来、見たものがいない。捕まえたのは皇帝で、どこで捕まえたのかは、皇帝しか知らないというわけか。うーん。難しいなあ。」
ケイタ「ティグアンを飼っていたというんだから、何を食べていかのか、わかっているだろう。」
コータ「申します、申します。ティグアンは、何を食べていたのですか?」
電脳板「肉を好んで食べていたそうです。鹿肉、牛肉、馬肉などが、良くたべていたそうです。」
ケイタ「肉なら、なんでも食べたということだな。ほかに、なにか、特徴的な食べ物はないか。それが、わかれば、生息地も推測できるんだがなあ。」
電脳板「食べ物については、それ以上の情報はありません。なにせ、高度電脳帝国にバージョンアップする前の時代の話ですからねえ。」
ケイタ「電脳帝国が、高度電脳帝国のバージョンアップしたんですね。」
電脳板「その通り。」
コータ「で、ティグアンを生け捕りにする方法はありますか?」
電脳板「現在のところ、データ不足です。生け捕りのすることは、非常に困難です。」
ケイタ「とりあえず、初代皇帝の銅像の横にあるティグアンの像をスキャンして、複製を作ろう。それに色を塗って、モータを組み込めば、生きているようにみえるかもしれないぞ。」
コータ「それって、ティグアンの偽物、ロボットを作って、捕まえたことにするんですか?」
ケイタ「そうじゃない。僕たちは、ティグアンについて何も知らない。資料もなければ、写真すらない。本当にいたのかもも、あやしい。初代皇帝が、単なる犬を、ティグアンと呼んでいたかもしれない。いや、顔はトラらしいから、少し、大きなネコだったかもしれないじゃないか。まずは、研究しなくちゃならない。」
電脳板「警告します、警告します。初代皇帝を貶めるような発言は、国家侮辱罪として、捕まる恐れがあります。以後、気を付けてください。」
ケイタ「ごめんなさい。別に、初代皇帝を貶める気はなかったんです。ティグアンがあまりにも謎だらけなので、いろいろな可能性を検討しただけですよお。電脳板さん、初代皇帝が連れていたというティグアンの像の、3次元データを手に入れることはできますか?」
電脳板「お安い御用です。」
ケイタ「じゃあー。それを三次元プリンターにセットして、複製してみよう。コータ、よろしく。」
コータ「はい、お任せください。」
1時間後、3次元プリンターから作成されたティグアンを、上から、下から、右から、左から眺めていると、コータが、叫んだ。
コータ「どこかで、見たことのある動物だとおもったんだけど、これは、ポケモン GOの出てくるシャワーズにそっくりだあ。ほら。これ。」
ケイタ「たしかに、似ているような、似ていないような。顔がトラで、尻尾がお魚みたいだからなあ。電脳板、シャワーズの3次元データを入手してくれ。」
1時間後、シャワーズを手に取って、ティグアンと比べてみた。シャワーズの方は、細身で、しっぼが魚のようだった。ティグアンは、もうすこし、ガッシリしていた、ずんぐり、むっくりしている。似ているようで、似ていないような。
ケイタ「ティグアンは、山の方に住んでいるな。シャワーズは、どうも、海辺にすんでいるような気がする。」
コータ「どうして、それが、わかるんだい。」
ケイタ「シャワーズは、海辺で生きている。尻尾が魚みたいだし、泳ぐの得意そうじゃないか。その点、ティグアンは、足は、大きな爪があり、崖も自由に登りそうだし、動物を襲うのに適した体だな。つまり、ティグアンを探すなら、山だなあ。トガリ山に住んでいないかなあ。」
コータ「どんな色なんだろうなあ?申します、申します。伝説のティグアンの色はどうだったんですか。絵はありませんか?」
電脳板「ありますよ。初代皇帝を描いた絵です。足元に、ティグアンがいます。」
ケイタ「確かにいますねえ。なんだか、縞模様がありますねえ。」
コータ「ほんとだあ。縞模様がある。トラ模様だあ。トラだ。トラだ。トラはやはり、山だあ。」
ケイタ「そうだろう。山を探しにいくべきだな。」
コータ「ティグアンに鷹の羽をつけると、オスのティグアンになる。こんな感じかな。」
ケイタ「おー。かっこいい。すばらしい。」
電脳板「うーん。かっこいいなあ。」
ケイタ「これを、量産して、売り出そう。建国170年記念祭で、売ればいいんじゃないかなあ。電脳板さん、どう思います。}
電脳板「では、170周年記念実行委員会に聞いてみますね。」
コータ「そうしてくれ!」
電脳板「170周年記念実行委員会から、返事がきました。」
コータ「瞬速の返事だね。」
電脳板「提案を受理。あなたたちの企画を採用します。製造販売は、委員会で行います。売り上げの10%を、あなたたちの収入としますが、どうでしょうか?」
コータ「10%くれるって。どうする?」
ケイタ「いいんじゃないか。我々は、企画をだしただけだし。このプロトタイプいる?」
電脳板「大丈夫です。ティグアンのデータも、ちゃんとありますので、同じように作れます。たぶん、動画やアニメ、その他のグッズも、たくさんできると思います。では、了解の返事をお願いします。」
コータ「実行委員会の皆様、よろしくお願いします。」
電脳板「実行委員会からは、ぜひ、生きたティグアンを捕まえてほしいということです。」
コータ「がんばってみるけど、まだ、情報が少ないからなあ。無理かもしれません。」
電脳板「AIで、動画を作成して、生きたティグアンを捕獲するドキュメンタリー風のドラマもつくるそうです。いままで、ティグアンの具体的なイメージが少なすぎて、映像化もあまり検討されてこなかったのですが、このような模型ができたことで、グッと、映像化しやすくなりましたと、言っています。」
コータ「ぼくたち、大貢献だね。もしかすると、大金持ちになれるかもしれないね。」
ケイタ「期待しましょう。170年記念事業が成功することを祈りましょう。」
電脳板「170年記念事業は、高度電脳帝国の国家事業ですから、国家的規模のお祭りですから、すごいことになりますよ。」
ティグアンは、フォルクスワーゲン社の車の名前です。
ティグアン(Tiguan)の名前の由来
“Tiger 「”虎」の力強さと、“I guana 「”イグアナ」の粘り強さをイメージした造語。