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高度電脳帝国の入国審査

「お前は誰だ!」

「おれは、ケイタだ。こいつは、弟のコータだ。」

「どこから、来た。」

「トガリ山だあ。」

「トガリ山?聞いたことのない山だあ。」

「そうかい。俺たちの生まれた山だあ。」

「それで、どこへ行く。」

「町だ。」

「町?何に行く?」

「できれば、仕事をしたいが。」

「仕事?お前に何ができる。」

「元気のよい体がある。ほかに、何が必要だ。」

「文字は読めるか?」

「文字ねえ。トガリ山文字なら、読めるが。」

「トガリ山文字だと。聞いたことも、見たこともない文字だなあ。これを読んでみろ。」

「えーと。ノの、ウウ、ゼゼゼゼイ、ワワ、コ、ク、ミ、ヌヌ、ノノ、ギ、ム、ダダア。」

「ほとんど、文字は読めん。学力ゼロだなあ。」

「それが、どうしたあ。」

「不法移民は、この国に入れてはならないというのが、皇帝の命令じゃ。身分証はあるか。」

「トガリ山王国に出生証明書だ。」

「見たことがないなあ。なんだ、このへんてこな文字。ミミズがのたくったような、カタツムリが歩いたあるようなものが、文字だと。文字とはなあ、縦横くっきりした線で、美しくなければならない。見よ。この美しい憲法を。」


入国審査官「こちらへこい。持っているものを、テーブルの上におけ。」

審査官「これはなんだ。」

ケイタ「トガリ山王国のお金だあ。」

審査官「これが、金かあ。この真ん中の山が、トガリ山か。」

ケイタ「そうだ。」

審査官「このお金は、この国じゃ使えんな。それはなんだ。」

ケイタ「トガリ山のお守り石だ。生まれたときに、親がつくってくれた。」

審査官「そうか。まあ、入国を許可しよう。入国を許可する上には、この国の法律を守って、正しく生活するように。ここは、コウドデンノウテイコクだ。」

ケイタ「????帝国?」

審査官「高度、電脳、帝国だ。まず、身分証を作るぞ。出生証明書をここにおけ。そして、そのゲートをくぐれ。えーと、これがお前の明分証明書、兼、お財布だ。これが、あれば、買い物ができる。初めて、身分証明書つくるものには、10万ナル使うことができる。1か月ぐらいは生活できるだろう。これは、万能版という装置だ。なにか、困ったとき聞くと大抵のことは答えてくれる。便利だぞ。」

ケイタ「へえ、便利だなあ。」

審査官「まず、申します、申しますと、二度言う。すると、なにか、質問だなと、万能版が、何が御用ですか,と言うので、そしたら、質問するとよい。コータとやら、ケイタに説明したとおりだから、わかるかな。いいか、この国は、高度電脳帝国だ。その意味は、よく分からないとおもうが、もう、ケイタ、コータは、高度電脳王国の国民だ。お前たちが、初めて会う人間たちも、瞬時に、お前たちの名前、経歴を知ることができる国だ。この国では隠し事がない。見知らぬ人間から、名前を呼ばれてても、驚く必要はないぞ。ただし、身分証と電脳版を持っていないと、なにもできないぞ。」

コータ「じゃあ、なんで、はじめにいろいろ聞いたんだあ。」

審査官「この国の国民になっていないものは、わからん。この身分証明書と電脳版を持っているものは、それを通じて、理解できるようになる。」





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