表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日本人さん、ちょっそれ食うんですか?

作者: 衣谷強

秋の歴史2023参加作品です。

今回のお題は『食べ物』との事で、拙い知識から書いてみました。

どうぞお楽しみください。

食に歴史あり。

そう聞くと皆様は何を思い浮かべますか?

中華料理?

フランス料理?

はたまた和食?

色々あると思います。

そこら辺は掘り下げるととんでもない沼に突き当たるので回避して、と。

今回私が取り上げるのはこちら!


蒟蒻こんにゃく


はい、おでんの具にもなるアレです。

ダイエットの味方のアレです。

斬鉄剣で切れないアレです。

スーパーか、場合によってはコンビニでも手に入る代物。

その歴史を日常的に意識される方は少ないと思います。

しかし蒟蒻には、深い歴史を感じさせる側面があるのです。


まず第一に、原材料の蒟蒻芋が大変尖っています。

物理的に。

蒟蒻芋に含まれる『シュウ酸カルシウム』、これが針状結晶になっていて、生で食べたら勿論の事、素手で触れても激しい痒みや痛みを引き起こす場合があります。

触るだけでも痛みを伴う蒟蒻芋。

生で食べれば粘膜にシュウ酸カルシウムが突き刺さり、地獄の苦しみを味わうといいます。

最悪死亡するケースもあるとか。


何 故 食 べ よ う と 思 っ た の か 。


しかもこの蒟蒻芋、加熱したくらいでは無毒化できません。

熱湯で茹でて柔らかくしたものを切って灰汁(灰を溶いた水の上澄み)にさらしてすり潰して水と灰汁(場合によっては炭酸水)を加えて練って固めて更に加熱して完成。


誰 が そ こ ま で や れ と 言 っ た 。


ここまで手間暇かけて出来上がった蒟蒻ですが、カロリーはほぼゼロ。

現代ではダイエット食品として優秀ですが、今ほど食料が豊かでなかった時代にカロリーがない食品はかなり分が悪いはずです。

それでも千年以上前の文献にその名が残り、現代まで食べられている蒟蒻。

老廃物を出す事は知られており、『胃のほうき』などとも呼ばれていましたが、それにしても毒とも思える芋をここまでメジャーな食べ物にした日本。


今夜はおでんの蒟蒻を食べながら、歴史に思いを馳せてみませんか?

読了ありがとうございます。


最初は『フグの子』で書こうと思いましたが、金◯一ばりにバタバタ人が死にそうだったので……。

だって『フグの卵巣を塩漬けにした後粕漬けにして地面に埋めて三年経ったら無毒化される』なんて、ねぇ……。


蒟蒻を食べる時にふと悪い笑みを浮かべてもらえましたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 司馬遼太郎の街道をゆくに中国の蒟蒻事情について触れられたものがありますね 確か蜀をとりあげた巻だったと思います ともあれ似た毒草もあるのに奇妙な手間ひまかけた調理法で食べられる不思議な食べ物…
[一言] フグは少なくとも縄文時代からたべてるな。 一家全滅した後が残る家にフグの骨が見つかるくらいには
[一言] ふぐや蒟蒻も不思議だけど、私には金箔を食べようとしたことが一番不思議でならないよ。 なんで金属を食べようと考えた、眺めて楽しむだけじゃ駄目だったんかい。 せめて岡左内さんみたいに一人で裸にな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ