表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

稲荷の里

人柱

作者: SHIN

昔々、ある村のこと・・・


一人の旅の稲荷が、その村の近くを通りかかった。


「おや。

この村は、不作や日照り・・・

疫病が続いておるか・・・

どれ?」


稲荷は、原因を調べてみる。


「くくく!

これは、したり!

それを改善しようとしての「人柱」が、土地神の怒りを買って、祟りを受けたか!

おろかなものよ!」


稲荷は、土地神を訪ねた。


「どうであろう?

民を許してやっては?」


「ふん!

ここの者どもは、ワシがいくら恵んでやっても、生贄だの人柱だのをやめん!」


「負の連鎖だのう・・・」


見かねた稲荷は、村に直接足を運んだ。


「おお・・・

よくぞ来られた!」


村長が、稲荷を迎えた。


「突然で悪いが・・・

この村は・・・

生贄や人柱をやめるべきだ。」


「な・・・

何を申されます!?」


「ここに来るまでに、土地神に会った。

怒り狂っておったぞ・・・

これだけ、そなたらに尽くしておっているのに、悪習をやめぬとな。」


稲荷は、説明する。


「そもそも、そういう儀式は・・・

それ専門の巫女がなるか、さもなくば、対象の人間の「怨念」や「生きるための力」を捻じ曲げ・・・

「正しい目的」に向けるもの。

やがて、手抜きになり・・・

「人柱にされた怨念」が、吹き出し・・・

村に向くのも当然よ。

土地神も、あきれ返り・・・

怒り狂う。

わからぬどおりでは、あるまい?」


「し・・・

しかし・・・」


はあ・・・


と、稲荷はため息をついた。


「土地神に義理はないが・・・

忠告はしたぞ。」


言うと、稲荷はまた旅に出た。



「さて・・・

今度は、京まで行ってみるか。」


彼の名は、「秋」。


やがて、とある村を救い、未来には一大地方都市となる、稲荷神の一族の祖となる男である。


秋は、風のうわさで聞いた。


旅の途中で立ち寄った村は・・・


生贄や人柱の風習で廃れ・・・


事態を重く見た朝廷の軍によって、根絶やしにされたという・・・


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 根絶やしと聞いて 根切りの里を思い出しました 確か武田軍と徹底抗戦して女子供とも皆殺しにあった地区 今の佐久市辺りの地元民、当時は佐久集と呼ばれていたような 高校駅伝名門の佐久長聖高校の強さ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ