第233話 大団円
「なんだよ、ミナデールって帰還魔法だったのか」
『わーマツイさんちの庭だ、なんかなつかしい感じがするしー』
俺は新しく覚えた魔法ミナデールをはからずも使ってしまい家にククリとスラを連れて戻ってきていた。
太陽は真上に位置しており秋の割に日差しが強い。
「もう~、マツイさんが勝手に魔法使うから私まで一緒に地上に来ちゃったじゃないですか~」
俺の顔を見てククリがぼやく。
「悪い悪い、使う気はなかったんだけどつい、な」
「まったくもう、マツイさんはまったく~」
『マツイさんお腹すいたんだけど家上がってもいい? ドッグフードあるっしょ』
「スラは相変わらずだな。家にポチがいるから仲良く食べるんだぞ」
『オッケー』
などと話していると、
「ゴジラくんっ!」
俺の名前をあだ名で呼ぶ声がした。
びくっとしつつも振り向くとそこにいたのは高木さんだった。
「高木さん……」
……見られた。
自分ちの庭で変なコスプレしてる俺がスライムとちっこい空飛ぶ女の子と仲よさそうに会話しているところをばっちり見られた。
問い詰められたらぐぅの音も出ないぞこれ。
「あ、あの、これはあの、話せばわかるというかその――」
その時だった。
高木さんは俺に抱きついてきた。
「え……た、高木さん……?」
「お母さんから全部聞いた。わたしのためにいろいろごめんなさいっ……でもありがとう」
「あ、あー、そのことね……」
「ぐすっ……お金は絶対返すから。絶対に……だから待っててもらえる?」
「うん……待ってるよ」
「……ありがとう」
背中に手を回すくらいしてもよさそうな気はしたがお金にかこつけてる感じがしたのでそれはやめておいた。
まあとにかく高木さんが無事釈放されたようでよかった。
『ちょっとマツイさん、マジ誰この女?』
とスラが俺と高木さんの周りを跳び回り、
「まあまあ、スラさん落ち着いて」
とククリがやはり俺と高木さんの周りを飛び回る。
……うーん、この状況高木さんが我に返ったらどう説明しよう。
高木さんとの縁はもう少し続きそうだし正直に全部話しておくか……。
とりあえずはここで完結です。
☆☆☆☆☆……面白い
☆☆☆☆……まあまあ面白い
☆☆☆……普通
☆☆……読んでやってもいい
☆……つまらない
のような感覚でここまでの総評を是非お願いいたしますm(__)m




