表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【ダンジョン・ニート・ダンジョン】~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~  作者: シオヤマ琴
第二章 勇猛果敢

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

216/233

第216話 自爆

――耳鳴りがする。


スラは大量発生したドラゴンとともに自爆した。

ドラゴンたちは消滅しスラもまた消滅した。


ぱらぱらと石片が飛び散る中、


カランカラン……。


と俺の目の前にダイヤモンドティアラが転がってきた。


俺はそれを掴むとゆっくり起き上がった。


「あ、マツイさん動けるようになったんで――」

「これ、俺がスラにあげたやつだ」


スラ、これもらってすごく喜んでいたっけ。

スラの喜んだ顔が目に浮かぶ。


「マ、マツイさん。だ、大丈夫ですか……?」

「……ああ、俺はな」

「……あ、あの――」

「そうだ。宝箱……ってさっきの爆発で消し飛んじゃったか……」

部屋の中には石片だけしかない。


「た、宝箱ってマツイさん、今スラさんが死んだんですよっ! それなのに宝箱の心配ですかっ!」

ククリが今まで見せたことないような悲しい顔で怒鳴った。


「……」

「スラさんはマツイさんを守るために死を選んだんですよっ!」

「……」

「スラさんはマツイさんのことが大好きだから……大好きだったからっ!」

「……」

「それなのにマツイさんは――」

「わかってるよっ!」

俺はククリの言葉を遮るように声を振り絞った。


「俺のせいだっ、俺のせいでスラは死んだんだっ、わかってるよっ!」


「な、何もマツイさんのせいだなんて、言ってはいませんけど……」

「……俺、地上に戻るよ」

「え……マツイさん……?」


俺は全裸になるとダイヤモンドティアラ以外の持っていたもの、着ていたものをすべてその場に置いた。


「ど、どういうことですか? このアイテムは……? お金も……」

「俺はもうここには来ない。ダンジョンで拾って持ち帰った家にあるものも全部処分するよ」

「え……そんな……」

ククリは捨てられた子犬のような顔をする。


「でもこれだけは持って帰らせてほしい。頼む」

俺はダイヤモンドティアラをククリに見せてから頭を下げた。



「……マツイさん、あの――」

「ここでお別れだククリ。俺は一人で戻るよ。じゃあな」


俺はククリの目を見ることもなくきびすを返したのだった。



俺のレベルが上がっていたからかそれとも俺を見て直感的にモンスターたちが近寄ってはいけないと悟ったからなのか地上に戻るまでの間に俺に向かってくるモンスターは一体もいなかった。


そして――


この日を境に俺はトウキョウダンジョンに潜るのをやめた。

第二章完結です。

☆☆☆☆☆……面白い

☆☆☆☆……まあまあ面白い

☆☆☆……普通

☆☆……読んでやってもいい

☆……つまらない

といった具合でマークでここまでの総評を是非お願いいたしますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ