第203話 ククリの対応
「スラ、お前の灼熱の炎やっぱりすごいな……」
『でしょでしょ。マツイさんがてこずってたオメガベヒーモスも一撃だかんね』
「いや、別にてこずってはいないけどさ」
時間をかければ俺だって勝てたさ。うん。
ゴゴゴゴゴ……。
オメガベヒーモスが消滅すると部屋が開放され階段が現れた。
同時に宝箱も現れる。
「マツイさん、宝箱ですよ。開けましょ~」
「ああ。中身は何かな、賢者の石だといいなぁ」
金塊でもいいけど。
ガチャ。ギイィィ…。
「わあ! これアルティメットヘルムじゃないですかっ!」
覗き見ていたククリが歓声を上げた。
「アルティメットヘルム?」
「はい、防御力+100の兜ですっ」
「おお、そいつはすごいな。どれどれ……って重いなこれっ」
「アルティメットヘルムですからね」
ククリは自慢げに言う。
俺はとりあえずそれをかぶってみた。が、
「ちょっとふらつくなぁ」
いかんせん重いのだ。
頭にジャストフィットなのは嬉しいがこれでは満足に走れもしないだろう。
「マツイさんのレベルでもまだ扱いきれませんか?」
「みたいだな……残念だけどこれは今の俺にはまだちょっと無理そうだぞ」
ということで仕方なくアルティメットヘルムは異次元袋の中へ入れておいた。
「ちなみに売ったらいくらだ?」
「五十万円です」
「そっか。じゃあベアさんをみつけたら売るかな」
「どうぞ、マツイさんのお好きに」
さすがに使い物にならないからかククリも俺が売るのを止めようとはしないようだな。
『ねえククリちゃん、このダンジョンて地下何階層まであるの?』
スラがククリに訊ねる。
「スラ、ククリもそれ知らないみたいだぞ。俺も前訊いたけど知らないって言ってたから」
『えっそうなのククリちゃん? あれでもおかしいな、前あたしにこのダンジョン創ったのは――』
「ああ~っ!!」
ククリが突然顔を横にぶんぶん振りながら叫び出した。
「うわっ、びっくりしたなぁ~。なんだよいきなり」
「ほら、え~っと、マツイさん次の階層のモンスター教えてませんでしたよねっ。次はサイクロプスというとっても大きいモンスターなんですよっ」
「あーそうなの? ふーん」
なんかククリの様子がおかしいけど……いつもこんな感じか。
「とにかく気をつけてくださいね、さあ、マツイさん行きましょう! スラさんも期待してますよっ」
「あ、ああ」
『うんっ、頑張る!』
俺はククリに背中を押され地下十八階層へと続く階段を下り出した。
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