第180話 メドゥーサ対策
「さあ、次は地下十四階層ですよ!」
さっきまでミノケンタウロスと戦っていた石畳がボロボロに崩れている部屋でククリが威勢よく声を張り上げた。
「次のモンスターははっきり言ってかなり厄介な相手ですからマツイさん気を引き締めてくださいね」
「そんなに強いのか?」
「いえ、強さ自体はマツイさんの方が圧倒的に上だと思います。ただそのモンスターの特技が厄介なんです」
ククリは勿体つけた言い方をする。
「どんなモンスターなんだよ」
「メドゥーサといって髪の毛は蛇、腕は青銅で出来ていて背中に銀色の翼を生やしたモンスターです。見た目はそれこそ人間の女性のようにも見えるんですけどそのモンスターと目を合わせると石にされちゃうんです」
「石に? ……そうか、前にククリが言っていた石化させる特技を持ったモンスターってのはそいつのことか」
「はい、そうです」
石化を治す効果のあるカエルの涙を手に入れた時にククリは確かそんなことを言っていた。
「目を合わせると石にされるって、じゃあどうやって戦えばいいんだ?」
「目を見ないように足元を見ながら戦うほかないですね」
とククリは返す。
「足元か……大丈夫かな、間違って目を見ちゃいそうだな」
「目は絶対見ちゃ駄目ですよ。石化しちゃいますからね」
するとスラが、
『マツイさんて魔眼て言ったっけ? 透視できるっしょ。だったら目を閉じながら戦えばいいんじゃね』
軽いトーンで話しかけてきた。
「目を閉じる……?」
『そうそう。んでもって自分のまぶたを透視すんの。そうすれば相手の目を見なくても戦えるじゃん』
「あー、言われてみればそうだな」
「わあ、スラさん賢いです~」
『マジ? あんがとククリちゃん』
スラは照れ笑いを浮かべる。
「でもそれは長時間は無理そうだな」
と俺。
『なんでよー』
「俺の透視能力は目がすごく疲れるんだよ。数分くらいならともかくフロア探索中常時発動させておくのはさすがにきついぞ」
『マジで? 知らなかったし』
「だから基本はさっきククリが言ったように足元を見ながら戦うしかないな」
『ふーん、残念だね』
とはいえスラの提案はありがたかった。
フロアボスと戦う時くらいならその方法もアリかもしれない。
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