第179話 スキルの種
「スキルの種ってなんなんだ一体?」
俺は米粒ほどの大きさの種を人差し指に乗せククリに質問する。
ククリの表情から察するに結構レアアイテムっぽいが……。
「スキルの種は食べるとランダムで一つだけスキルを取得できるアイテムなんですよっ」
とククリがにこっと返した。
「スキルを? 食べるだけでか?」
「そうです」
「ふーん、そうなのか」
「え、なんですかその反応。もっと喜んでくださいよっ、新しいスキルがただで手に入るんですよっ」
「いや、そう言われてもなぁ……」
スキルについてはよく知らないし、とりあえず魔眼とコレクターがあれば不自由はしていない。
「ちなみに売るといくらなんだ?」
「……あ、やっぱりそれ聞きます?」
「そりゃあな、一応」
なんか渋ってるなぁ。
するとククリはぼそっと、
「……五十万円です」
口を動かした。
「えっ五十万っ! こんなちっこい種が五十万円なのっ?」
「だからそれくらいすごいアイテムなんですってば」
「ほほ~、そうかそうか。五十万円か……」
「何がほほ~なんですか? まさか売る気じゃないですよね」
ククリが俺に顔を寄せてくる。
「え、売る気だけど……売っちゃ駄目なの?」
「駄目ですよっ、マツイさんはバカなんですかっ。スキルはダンジョン探索する上であるとないとじゃえらい違いなんですからねっ」
あ、今ククリが俺のことバカって……。
「魔眼だってもしなかったらどれだけ大変かわかりますか? 今まで簡単に倒しているようなフロアボスだってコレクターがあったからこそなんですよっ」
「あ……うん」
「スキルにはいろいろ種類があって鑑定とかショップとかマップとかスパイとか調合とか盗賊とか密猟とか錬金術とか合成とかマツイさんの知らない便利なスキルがまだまだいっぱいあるんですからねっ」
「わ、わかったからそんなに圧をかけないでくれって……」
いやでも初子姉ちゃんの顔を思い出してしまう。
『マツイさん。面白そうだしスキルの種食べてみたらいいんじゃね?』
とスラが俺を見上げて言う。
「う、うん……そうだなぁ」
と言いつつ五十万円惜しいなぁ、どうにかならないかな……などと考えてみたり。
「マツイさん、まだ私の話を理解していないようですね」
ククリが俺の目をじいっとみつめる。
「え……」
「いいですか。賢者の石は何が起こるかわからないというリスクがありましたけどスキルの種にはリスクはないんですよ、メリットしかないんです。この先もダンジョンに潜るんでしたら絶対使わないと損ですよ。もしそれを売るんでしたら私案内人やめますからねっ」
ククリは矢継ぎ早にまくしたてた。
「わかったよ。使うよ。これ食べればいいんだろ」
ククリの迫力に負け俺はしぶしぶスキルの種を口に入れた。
ガリッとかみつぶす。
味はしない。
ごくん。
「ほら、食べたぞ」
体に特に変化はないが。
「ではステータスを確認してみてください」
「はいはい」
ククリの言うがまま俺は右目の下を押してステータス画面を目の前に表示させた。
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マツイ:レベル169
生命力:230/238
魔力:26/162
攻撃力:187
防御力:184
素早さ:123
スキル:魔眼、寒熱耐性、テイマー、スライムコレクター、ゴブリンコレクター、ゾンビコレクター、ビーコレクター、コボルトコレクター、バットコレクター、ボアコレクター、スケルトンコレクター、オークコレクター、キマイラコレクター、グリュプスコレクター、トロールコレクター、タウロスコレクター
魔法:バトルマッチ、ヒール、バトルアイス、キュア、バトルウインド、ハイヒール、バトルアース、ハイキュア、バトルメテオ、フライ
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「マツイさん、どんなスキルを覚えましたか?」
「えっと、寒熱耐性? とかいうやつ」
「わあーっ! ほんとですかっ。すごいじゃないですかっ」
ククリがまるで自分のことのように手を叩いて喜ぶ。
「なんなんだこれ?」
「炎や氷属性の攻撃に対して強くなるんです。暑さ寒さも感じにくくなりますよ」
「へーそれはいいかもな」
夏と冬が過ごしやすくなりそうだ。
「この先きっと役に立つスキルですよ。マツイさんなんかきっと土下座して私に感謝しますからねっ」
「ははっ、土下座はともかくとして役に立ちそうなスキルでよかったよ。ありがとうなククリ」
五十万円分の価値があったかどうかはまだよくわからないが俺はククリに一応礼を言っておいた。
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