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【ダンジョン・ニート・ダンジョン】~ダンジョン攻略でお金が稼げるようになったニートは有り余る時間でダンジョンに潜る~  作者: シオヤマ琴
第二章 勇猛果敢

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第167話 黒極の剣

黒くつややかに光る斬れ味鋭そうな刀身、がしっと手にフィットして振り回しやすい重量感。

錆びた剣を研磨剤で根気よく磨いた結果この攻撃力+25の黒極の剣が俺の新たな武器となった。


「かっこいいですマツイさん!」

『めっちゃいいじゃん!』

黒極の剣を構えた俺を見てククリとスラが口を開く。


「ん、そうか?」


ほめられてまんざらでもない俺は気恥ずかしさからふたりの顔を見ずに、

「よし、このまま地下十一階層へ行くぞっ」

剣を振り上げ高らかに宣言した。


「おーっ!」

『いぇーい!』

ククリとスラを後ろに率いて俺は意気揚々と階段を下りていく。



◇ ◇ ◇



地下十一階層。


ワシとライオンが合わさったようなモンスター、グリュプスと階段を下りたそうそう目が合った。


「ククリとスラは下がってろ」


黒極の剣の斬れ味を試すには絶好の相手だ。

俺は剣を体の前で構えるとグリュプスと対峙する。


『ケケーッ!』

「来い、刀の錆びにしてやる」


正確には刀ではなく剣なのだが過去最強クラスの武器を手にしたことで気が大きくなっている俺にはそんなことは関係ない。


『ケケーッ!』


鋭いかぎづめを振りかぶり飛び掛かってきたグリュプスを俺は剣を盾代わりにして正面から受け止めた。

そして力で押し飛ばし間合いを取ると今度は俺の方から攻撃を仕掛けた。


「はあっ!」

グリュプスに斬りかかる。


ザシュ。


グリュプスコレクターの効果もあってそれほど力を込めずに自然に振り下ろした剣はグリュプスの喉を簡単に斬り裂いた。


『ケー……ッ!』


声にならない声を上げて地面に倒れるグリュプス。

俺は泡になって消えていくグリュプスを見下ろす。


「マツイさん、さすがです~!」

『ぃやっほー!』

少し離れて後ろからククリとスラの声が飛んでくる。


俺はふたりに向けて剣を持つ手を上げた。

ふたりは笑顔で俺のもとに駆けてくる。


「グリュプスを簡単に倒しちゃいましたね」

「ああ、この剣のおかげだな」

「謙遜しなくていいですよ。マツイさんはグリュプスも一撃で倒せるくらい強いんですから」

『そうそう。マツイさんマジで最強だから』

「そうですよ。マジ最強ですよ。ねぇスラさん」

『これはマジで』

「はいはい、ありがとうな」

ふたりを適当にあしらいつつ先へと進みだす俺。


「あ、マツイさん、ちゃんと聞いてますかっ」

『ちょっと先行かないでよー』



……まったく、ふたりとも俺をほめ殺しにでもするつもりか。

ニートなんてほめられる機会なんかまずないからきらきらした目でみつめられながらそんなにほめられると普通に照れてしまうじゃないか。



この時の俺は照れ隠しのためにグリュプスが出てくることを無意識のうちに願っていたのかもしれない。

その願いが通じたのか今度はグリュプスが三体同時に俺の目の前に現れた。


「よし、行くぞぉっ」


俺は気持ちを切り替えると一歩目で先頭にいたグリュプスの首をはね、二歩目で二体目のグリュプスの攻撃をかわしながら胸を突き刺し、三歩目で三体目のグリュプスのくちばしと剣を合わせた。


『ケケッ……!』

俺はグリュプスのくちばしに剣を押し込んでいく。

そして――

「はぁっ!」


俺は剣を振り抜きグリュプスのくちばしから上半分をはね飛ばした。



時間とともにしゅう~っと俺の全身に飛び散っていたグリュプスの返り血ごとグリュプスたちは霧散して消えていく。



「あっ、スラさんレベル上がってますよっ」

すぐ後ろからククリの声。


『ほんとっ!? ラッキー』


見るとスラの背中には165と光る文字が浮かび上がっていた。

☆☆☆☆☆マークとブクマを押してもらえるととても嬉しいです!

よろしくお願いいたしますm(__)m

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