第164話 思いがけず
地下十階層。
「はぁっ!」
『オオォーン……ッ!』
俺は錆びた剣でキマイラの心臓部分を突き刺した。
剣に刺さったままのキマイラが消滅していく。
『ちょーかっこいいー、マツイさん!』
少し離れた安全な場所からスラが声を上げた。
そしてぴょんぴょんと近寄ってくる。
ククリもひゅーんと飛んできて、
「マツイさんやりましたね――ってあっ、怪我してるじゃないですかっ」
俺の左腕を見て口を開く。
『えっマジだいじょぶなの?』
スラも心配そうに見上げるが、
「キュア!」
俺はキマイラの三つ首の内の蛇にかまれた傷跡に手をかざし解毒魔法を唱えた。
「これで大丈夫だよ。ちょっとかまれただけだから」
「まだ血が出てますけど。ヒールも使っておいた方がいいんじゃないですか」
ククリが俺の腕を指差し心配してくれる。
「いや、ほとんどダメージはないし、これくらいならほっといてもそのうち治るよ」
ほとんど痛みもないし自然治癒で治るレベルの傷だ。
ステータスを確認したが生命力は10も減ってはいない。
魔力も温存しておきたいので俺はあえてヒールは使わないことにした。
その後も襲ってくるキマイラを返り討ちにしながら俺たちはアイテム収集に励む。
『メエェ~!』
「効くかっ!」
目覚まし草の効果で催眠攻撃を無効化している俺は錆びた剣でキマイラの三つ首の根本を力任せにぶった斬った。
『メエェ~……ッ!?』
『シャアァー……ッ!?』
『オオォーン……ッ!?』
驚きの表情を浮かべたキマイラの首はどさっと落ちるとそのまま泡状になり消えていった。
「ふぅ……錆びた剣でもなんとかなるもんだな」
「マツイさんが強いからですよ」
とククリ。
「それと目覚まし草のおかげだな」
「はい」
そこから二十分ほどの時間をかけ異次元袋と万能キーを手に入れた俺たちは幸運なことに地下十一階層へと続く階段のある部屋に入った途端ベアさんと偶然出くわした。
『よう、マツイじゃねぇか。ククリとスラも』
通路から部屋に入るなり声をかけられる。
「ベアさんっ」
俺は思いがけないベアさんとの再会に声を上げた。
『久しぶりだなお前たち』
「ベアさん、元気でしたか?」
『ベアさんじゃん!』
ククリとスラもベアさんに近寄る。
『おう、おれは元気だぜ。お前たちも元気そうだな……まあマツイは装備にはあまり恵まれてないようだけどな』
ベアさんは俺の持ち物を見て口元をにやりとさせながら言った。
「そうなんですよ、今回はマツイさんあんまり引きがよくないんです。あ、でもでもベアさんホイッスルは手に入れましたよ」
『おお、それはすごいじゃねぇか。マツイどうするんだ? もちろん買い物していくんだろ』
ベアさんは俺に向き直る。
「はい、もちろんです。お願いします」
俺はベアさんに二つ返事でこたえた。
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