第126話 キマイラロードへの再挑戦
キマイラコレクターを取得した俺はいよいよキマイラロードとの決戦を前に武者震いをしていた。
キマイラロードが待つ部屋の手前の通路で俺はククリとスラに視線を向ける。
「俺が食べた目覚まし草の効果もそろそろきれるからな。その前にキマイラロードをやっつけるぞ」
「頑張ってくださいねマツイさん」
『ピキー』
「ああ」
ふたりの応援を背に俺はフロアボスの部屋へと足を踏み入れた。
例によって入った直後背後の通路が石の壁によって塞がれる。
逃げ道はなくなった。
と部屋の中央に鎮座していたキマイラロードが俺に気付いて一瞥したかと思うとまた正面を向いて眠そうに目を閉じてしまった。
どうやら前回の戦いを憶えていて俺を甘く見ているようだ。
まあそれならそれでいいさ、過大評価されるより過小評価されていた方が相手が油断してくれるからな。
俺は妖刀ししおどしを握り締めるとじりじりとキマイラロードに近付いていった。
五メートル、四メートル、三メートルと距離を詰めていくが一向にキマイラロードは攻撃態勢に移らない。
だが残り二メートルという間合いに入った時だった。
キマイラロードの三つある首の内のヤギの顔が面倒くさそうに、
『メエェ~!』
と鳴いた。
これで勝負は決まる。
キマイラロードはそうたかをくくっていたのだろうがそう思い通りにはいかせない。
俺は催眠攻撃をものともせず駆け出した。
『ッ!?』
虚を突かれた形のキマイラロードに刀を振るうと、
『シャアァーッ……!』
見事蛇の首を斬り落とすことに成功する。
催眠攻撃が効かず不意の一撃で先手を取られたキマイラロードは体勢を立て直すため一旦俺から離れようとするが、
『……ッ!?』
驚きの表情を浮かべた。
「動けないだろ。この刀で斬りつけた相手は麻痺するんだそうだ」
妖刀ししおどしの効果でキマイラロードは動けないでいる。
その時ボコボコッとさっき斬り落とした蛇の首が再生した。
「そうだったな。お前は一つの首だけ落としても自動再生するんだったな」
『シャアァー!』
『メエェ~!』
『オオォーン!』
「だったら同時に全部はね飛ばしてやるっ」
俺は身動きが取れないキマイラロードに斬りかかる。
状況は圧倒的有利。だと思ったのだが、
ばさっ。
羽を上下に動かしキマイラロードが俺の攻撃が当たるより早く宙に飛び上がった。
「なっ!? 飛びやがったっ……」
「マツイさん、妖刀ししおどしは四肢を動けなくさせるだけなので首や羽は動かせるんですよっ」
「げっ、マジかよ」
宙を浮かぶキマイラロード。
俺を警戒してかキマイラロードは下りてこようとはしない。
「まいったな、今回はヒーローマントもないから俺は飛べないのに……」
キマイラロードを見上げながら言うと、
「マツイさん、今こそバトルメテオを使う時です!」
ククリが口に手を添えて声を上げた。
バトルメテオ。
レベルが上がって俺が新しく覚えた魔法だがどんな魔法かはまだ知らない。
消費魔力が100と桁違いなので今までは使う機会がなかったのだ。
「あいつ、空飛んでるけど大丈夫なのかっ?」
「大丈夫ですっ。キマイラロードに手を向けながらバトルメテオと唱えてくださいっ」
「よーし、わかった」
どのみちこのままでは俺の攻撃はキマイラロードには届かないし、こうしている間に目覚まし草の効果がきれたら困る。
俺はキマイラロードに向け手を上げると、
「バトルメテオっ!」
と叫んだ。
その瞬間何もなかった天井付近にいきなり隕石群が出現しキマイラロードの頭上にドドドッ……と振り注いだ。
とてつもない速度で地面に落下する隕石によってキマイラロードは地面に叩きつけられる。
その後も隕石群が降りやむことはなく地面に倒れているキマイラロードを襲った。
数十秒して隕石の雨が静まると、
しゅう~。
キマイラロードは体中に穴が開き見る影もなくなっていた。
『メェェ……』
なんとかかろうじて残っていたヤギの顔だけが弱々しく鳴き声を上げる。
そんな状態でもボコボコっとほかの首二つが再生しようとしている。
だが、
「もう終わりだ」
俺は虫の息のキマイラロードを足元に見下ろしながら刀で心臓を突き刺しこれの息の根を完全に止めた。
キマイラロードは今度は声を上げることもなく次の瞬間泡となり消えていった。
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