第107話 スラとともに
ポチを高木さんに預けた次の日の朝、俺はスラと一緒に朝ご飯をお腹いっぱい食べると十分ほど休憩してから席を立った。
「よし、そろそろダンジョンに行きますか」
『ピキー!』
スライムが飛び跳ねる。
「いやいや、お前は駄目だろ」
『ピキー?』
「ピキー? じゃなくてお前は留守番だよ……こう言っちゃなんだけどスラは弱いんだからダンジョンに入ったら簡単にやられちゃうぞ」
というかそもそもスラを連れてダンジョンに入れるのか?
持ち物扱いになって消えちゃうんじゃないだろうか。
「ドッグフードはここに置いておくから腹減ったら食べな、いいか?」
『ピキー!』
スライムはふるふると体を横に揺さぶる。
「何、一緒に行きたいのか?」
『ピキー!』
スラは俺の足の上に飛び乗った。
「うーん……まいったな」
ここから約十分、俺はスラにダンジョンの深階層がいかに危険かを懇切丁寧に話して聞かせたがスラは俺からまったく離れようとはしなかった。
「もう知らん。ついてきたいならきてもいいけど倒されて消滅しちゃっても俺のせいじゃないからな」
『ピキー!』
スラの熱意に負け俺はスラとともにダンジョンに潜ることになったのだった。
家を出て――
『ピキー?』
「服がなくなっちゃうからここで脱いでいくんだよ」
不思議そうに俺を見ているスラに写し鏡の門の前で服を脱ぎながら説明してやる。
「さて、じゃあ全裸になったことだし行くとするかな」
鏡に手をかざすと、
『地下何階層からスタートしますか?』
鏡から聞こえる機械っぽい音声。
「地下一階層で頼むよ」
『地下一階層ですね。それでは写し鏡の門を通ってください』
「はいよ、行くぞスラ。気合い入れろよ」
『ピキー!』
俺とスラは写し鏡の門を同時に通り抜けたのだった。
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