後編
そして、二ヶ月が経ち僕の第一志望校の合格発表日がやってきた。
結果は・・・・・合格だった。
僕は安堵で全身の力が抜けそうなのを堪え、落ち着いてから、そっと胸を撫で下ろした。
そして、速く母さんに伝えるために直ぐに帰路についた。
自宅に着いて、玄関の扉を開ける時に、手が震えてしまい少しだけ扉を開けるのを渋ってしまった。
だって、僕の志望した大学は僕の家から、お世辞でも近いとは言えないぐらい遠かった。すなわち、合格した大学へ行くということは18年間「いってきます」と「ただいま」を言ってきたこの家から、少しの間、お別れなのである。
また、その理由から母さんにも伝えにくく思えてしまい。扉を開けることが嫌になってきてしまった。
しかし、もう受験を受ける時から決心はついたはずだ。
僕は、覚悟を決めて扉を開けたが、そこには・・・父さんがいた。
今の新しい父ではなく、あの父さんだった。
「おかえり。」
「た、ただいま。」
「驚いたか?」
「うん。そして、驚きと共に色々な質問があるんだけど。」
「まあ、詳しくは母さんが帰って来てからにしよう。」
僕達は、お互い一言も喋らず、母さんを待った。
そして、母さんが帰ってきた。母さんが帰ってきたらと、とりあえず僕は真っ先に合格した事を告げた。
「合格おめでとう。じゃあ、合格祝いにこの状況の説明をしましょう。」
なんだそれ。僕が合格してなかったらどうするつもりだったんだろう。
「まず、なぜあの人がいないかだけど・・・気付かなかったかしら?母さんとあの人一ヶ月前から仲が悪くなったのよね。それで、一週間前からあの人どこかへ行ってしまったのよ。それが、いない理由。」
『何で何も言ってくれなかったんだ!』という言葉が出てきたが言うのはやめた。たぶん、受験生の僕に迷惑はかけまいと思った気遣いであろう。
「それで、なぜ父さんがここにいるかだが・・・父さんと母さんはな、おととい久しぶりあって少しだけ話したんだ。そこで意気投合して・・・」
「母さん達、よりを戻すことにしたの。」
それを聞いた瞬間、僕は、号泣した。そして、父さんと母さんになだめられ、僕が少し落ち着いたのを確認した後、父さんが口を開いた。
「もう父さん達、喧嘩したり、離婚したりしないからな。」
「今まで、あなたに迷惑かけてきてごめんなさいね。」
それを聞いて、僕は再び号泣した。
そうして、新しい生活が始まった。
新しい父がやってきた 改め 新しく父さんがやってきた
こんな、僕の作品を最後まで読んで頂いて本当にありがとうございます!
よろしかったら感想お願いします。全然ダメ出しなど書いてもいいですよ。
どんな指摘でも参考にして成長するためのバネにできるようにしますので。