中編
新しい父がやってきて新しい生活が始まり、一週間が経った。
といっても、ほとんど母さんとの二人暮らしの時と変わらない生活おくっていた。
僕は、新しい父がやってきても毎朝「おはようございます」と挨拶をするぐらいだった。
そして、この一週間、新しい父のことを「父さん」とは一度も呼ばなかった。
前にも言ったが僕の父さんは父さんだけだ。これだけは譲れない。
そして、そんな僕に新しい父は前の父さんと同じように優しく接してくれた。
それを受けて、僕は、とてつもない罪悪感を感じ完全までにはいかないが少しだけ心を開いた。
といっても、新しい父が休日の時少しだけ話すようになったぐらいだ。まあ、ちょっとだけ大きい進歩だと思う。
そして、さらに一週間が経った。
あれ以来は、特に心を開いたりはしてないが、あることに気付いた。
この新しい父は、前の父さんと少し、というか結構人間性が似ていた。
まあ、そんなことがあっても、僕の父さんは父さんだけだ。心は絶対開かない。
話は変わるが、僕は、もうすぐ大学受験だ。もう、新しい父の事に気を向けている場合ではない。
僕は自室に向かい、受験勉強を始めた。