―3日目― 邪龍撲殺
―セミトレヤ王宮・議事堂前の回廊―
その男は溜息を溢しながら、苦々しい顔をしていた。
分厚い布地のローブから零れる髪は、黒茶色。同色の瞳で、東の空の太陽を見る。
「……結局、もう朝じゃないか」
賢者と呼ばれる男は、本来はまだ年若い勇者の目付も兼ねてその道行に同行する筈だった。
彼もさほど歳を食っている訳ではないが、勇者になったばかりの第三王子に比べれば経験の幅が違う。
もう十五年近く、賢者はこの国に尽してきた。いいや、尽させられてきた。
それは戦いの日々であり、苦汁に満ちた屈辱の日々でもあった。強制させられた忠誠と労働は、男の心身を疲弊させ、削り取る。
今も、明け方近くまで王宮で足止めをされていた。
国王や宰相の命令で、とある地方で起きた山火事への対応と後処理を押し付けられていた為だ。
現地での対処よりもむしろ王宮での書類処理に時間を取られ、急ぎに急いで徹夜する羽目になった。お陰でますます疲労感が重くなる。
彼は彼自身の事情で、一刻も早く勇者との合流を願っているというのに――
「すまん、エミリー……勇者に振り回されて、泣いてないと良いが」
たった一人の幼い愛娘。彼女の資質が発覚するなり、王国は年端もいかない幼子に目を付け、賢者から取り上げようとした。
神殿の奥深くに、聖女という重い肩書と責任を押し付けて。
それは王国の為に身を尽くせと要求することであり、男に対しては娘を質に取るも同然の行為。様々な打算と、醜い思惑が付きまとう。
男が反発を堪えて大人しく従ったこと、そして聖女自身の従順な気質から人目の触れぬ場所に軟禁されることだけは避けられた。
だが余りある能力を絞り取ろうとするかのように、少女は過酷な勇者の旅に随従することを命じられてしまう。
せめて、側にいてやりたい。
きっと旅の辛さや重責に苦しい思いをしているだろう娘の、助けとなりたい。
賢者と呼ばれる男が、『賢者』ではなく『父親』として思うのはそればかりだ。そしてそれが、王国に縛られた彼に許された父親として出来る精一杯でもある。
質を取らずとも、忠誠を試さずとも。
王も宰相も、『彼』が逆らうことなどないと知っているだろうに。
――彼の首にはまった、頸環。
それがある限り、賢者と呼ばれる男は王国に離反など出来ないのだから。
彼の首にある物は魔法によって封じられ、外すことが出来ない。まさしく男を『奴隷』も同然の身へと落とす『首輪』であった。
そして、もう一つ。
彼には王国を、彼を都合よく扱う王侯貴族を裏切りたくても裏切ることのできない事情があった。
もうこの国に服従させられるようになってから、十五年。
その時間は決して短くない。
十五年もの間、彼を都合よく利用する為に言い含められてきた言葉。
――彼の捜している『彼女』についての、情報。
どれほど尽しても、どれほど願っても匂わされるばかりで決定的な物は与えられない。
これだけの時間をかけたのだ。
彼ももう、王の言葉を盲目に信じている訳ではない。
それどころか真偽の程は怪しいと疑ってもいた。
だが、思いを振り切ろうとする度に、考えてしまうのだ。
……万が一、と。
万に一つ、それほどに薄い可能性。
だけど僅かでも可能性があるのなら、と。
思いきれない自分を甘い人間だと自分で思う。
酷使される十五年で甘さなど残っていないと思っていた。そんな物が残っていれば、生き残れなかった。
しかし、『彼女』のことを思う度に思い知らされるのだ。
自分が未だに、甘っちょろいガキの部分を捨てされずにいることを――。
「……本当に、どこにいるんだよ」
彼が召喚されたのは、十五年も前のこと。
『彼女』は彼が召喚されるよりも五年前に、召喚されたと。
この国が召喚したと、聞かされた。
召喚されたが、勇者や賢者になれる人間ではなかった為、別の場所に移されたと。
『彼女』の行方に関する不確かな情報。それが、男を縛る最大の鎖となる。
十五年、国に酷使される傍ら、必死に探した。王国の目を掻い潜り、時に失敗しながらも探すことは止めなかった。
それでも有益な情報は何も手に入らなかった。
王国の言葉を信じるのなら、手がかりを持つのは国王と宰相のみ。
……移したというのであれば移送にあたった人間が情報を知っていて良さそうな物だが、探りを入れても王宮に勤める人間から何か情報が出てきたことはない。
もう殆ど、嘘だと確信している。それなのに動くことはできない。動こうとすることすら、『首輪』がある限り無駄でしかない。
賢者と呼ばれる男は、心底から疲れ果てていた。
精神的な重荷に背を丸める男の胸元で、愛らしい鳥の囀りが聞こえる。
「……ん? デンワか」
それは本物の鳥の声ではなく、男が胸元に忍ばせたマジックアイテムの発する音。
何代か前の『賢者』が、元の世界で便利に普及していたアイテムを此方の世界で再現しようとしたことがある。
結局それは再現に至ることはなかったが、副次的に似たようなアイテムは完成した。
ただし元々の『携帯電話』のように複数に自由に連絡を取れるような代物ではない。
ソレは、固定された二つのアイテム間での遠距離通話を可能とするモノ――イメージとしては『コードレス糸電話』が近かった。
此方の世界で定着した名前が『ケータイ』ではなく『デンワ』であるところがそれを示唆している気がする。
しかもコードレス糸電話の分際で、随分と高額だ。素材も希少で高価なら、作成する為の技術や必要経費も気の遠くなるような額を必要とする。
存在は知られていても、普及はしなかった。
利便性は認められて王国内でも最重要とされる幾つかの施設と、数えられる程度の重要人物が僅かに王国から貸与されるのみである。
『勇者』と『賢者』の間でも連絡を取り合って連携を密にするという名目の下、デンワが与えられている。
今の勇者だとうっかり失くしそうな気がした為、賢者は愛娘である聖女に持たせるように指示していたが。
そして勇者もそのアイテムを持ちたがらなかった。
娘に持たせることを前提に、賢者が親馬鹿魂を発揮して渾身のカスタマイズをしてしまったせいだ。
現在『勇者用のデンワ』は、ピンク色のハート形をしたペンダントへと変貌していた。しかも呼び出し音は小鳥の鳴き声というファンシー仕様。
ついでに言うと対である賢者のデンワも同様の形状に成り果てている。形を揃えねば通話に支障が出る事態となったので仕方がない。
一応、このアイテムは非常時用ということになっている。
賢者も父親としての自分を律し、娘には非常時にしか――勇者が何かしでかした時にしか使わない様に言い含めているのだが。
現状、何故か三日に一回は通話する事態となっている。
遠距離からこうも頻繁にフォローを求められるとは予想外の事態だったが、賢者が対応せねば皺寄せが酷いことになる。
今回は何をやらかしたのかと思いながら、男はピンクのハート形ペンダントをタップした。
「エミリーか?」
『っおとうさん!』
今までに聞いたどの声にも増して切迫感に満ちた、娘の幼い声音。
これは自分の想定した以上のナニかが起きたなと、一瞬で気が引き締まる。
どうしたのかと聞く前に、娘は息せき切ってマジックアイテム越しの叫びを届けてきた。
『勇者殿下が、勇者殿下が……っ』
「落ち着きなさい、ヘリウム殿下がどうした」
『ヘリオス殿下です、お父さん!』
「おっと心の声が……エミリー、殿下に何かあったのか」
『……っ殿下が、死んじゃう!!』
「はあ!?」
朝の静謐な空気の中。
賢者と呼ばれた男の、ひっくり返った声が王宮の廊下で虚しく響いた。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
二日目は大体空の上で終わりを迎えた。
何の珍事もない、平坦な時間が過ぎていく。なんて平和なんだ。
クリームちゃんの調子も絶好調で、二日目の夕暮れ近くには目的地である大陸――『神聖大陸』が見えてきた。
……が、ちょっと待て。
「なあ、瀧本さん」
『どうした』
「私の気のせいかなー? あの大陸、ちょっと空に浮いてない?」
『浮いてるな』
「……っラピュタか! ラピュタなのか! ガリバーさんは此処に来たのね、ラピュタは本当にあったんだ!」
『気持ちはわかるが落ち着くんだ。アレはラピュタではなく、神聖大陸だから』
だけど見れば見るほど、ラピュタっぽかった。島じゃなくって大陸だけどさ!
大陸の外から見ても目を見張るほどの大木がででんと突っ立ってるのもそれっぽい……って、あれがもしや世界樹か? 思った以上にでかいんですが……。
「すごいね。『大陸』が鉢植えに見える」
『あの大陸で最も重要なものは、あの木といっても過言はないからな。神々の住処でさえ、あの木に依存している』
「いや、だから木ぃ一本にどんだけ重圧かけてんだよ。もうちっと大事にしてやれよ。ストレスフリーな方向で」
『大事にはしておるだろうよ。何しろあの木が倒れれば、この世界が滅ぶのだから』
「重い! 重圧じゃん、やっぱ!」
世界の中心とか言われている木がアレか。見れば見るほど、でかいとしか言い様がない。
空に浮いているように見える大陸も、元々はちゃんと海に浮かんでいたのに神々が浮かしたんだそうだ。その理由は、人間が世界樹に近寄れなくしたかったからなんだと。
なんかその効能を狙って傷つけたり葉っぱや実を盗もうとする輩が続出したんで、物理的に接近できないようにしたそうな。あっはっはっはっは、耳が痛いな!
今では空を飛べる生き物以外、あの大陸には近寄れない。じゃあ根っこを狙えば良いじゃんと思うのは私だけだろうか。陸は空に浮かんでるけどよ、あの木……根っこが大地を突き破って海に伸びとるんだが。
そもそもあの木は天地を繋ぎ、天の国やら冥府ともその身一本で繋がってるとのこと。地底の冥府から生えてんのに、そりゃ引っこ抜けねぇわな。それで大陸を無理に浮かせたら地面を突き破った、と。駄目じゃん神々。
瀧本さんに目的は樹液なんだから根っこ狙えば良くない?って聞いたら却下された。なんでも大陸の下は遮るものがなくって視界良好過ぎて駄目なんだと。なんか、神々の監視の目はちゃんとあるらしい。ああ、うん……確かにあの環境じゃ根っこに近寄る奴は一発で見つかるわな。
だから作戦としては、大陸に密かに上陸して、遮蔽物で身を隠しながら木に接近→傷を付けて樹液採取となるらしい。わぁい、重要なんじゃなかったっけ、あの木。思いっきり傷つける気満々ですが。
「そういえば、瀧本さんはあの大陸に近寄って大丈夫?」
『魔の者は近寄れぬよう結界を張られているが、今の吾は霊体だからな。肉体を拒み、本能に作用する結界も、肉体を失えば何の意味もない』
神々は瀧本さん達が嫌いらしい。それでわざわざ結界を張ってるんだそうだが、肉体を失った今の瀧本さんは一種の無敵状態だからなぁ……今はすり抜け放題だそうだ。
とりあえず夜を待って大陸に密かに上陸、夜明けと共に木に接近。それから目的を達成した後、また夜を待って大陸を脱出なんて作戦になった。なるべく人目を避けて行動だ。
「でもそんな都合よく上手くいくの? 相手は神様なんだよね」
『大丈夫だ。神々は、基本的に慢心しているイキモノだからな。大きな動きには気付くだろうが、こっそり小細工を弄する系の相手には鈍感だ』
「なんですか、その経験則っぽい言葉。瀧本さん、もしや……」
『魔力の動きばかりを警戒している連中だ。逆に言うと、魔力を使わず完全人力に頼った動きに気付くのはいつも遅い』
「何か神相手にやらかしたんだな? 瀧本さん、何をやった」
『……なに、大したことはしておらぬ。少し、雷神の武器を借りたことがあるだけだ。無断で』
「大したことしてるじゃないかー!! え、マジで大丈夫? 本当に瀧本さん連れてって良いの?」
『案ずる必要はない。ちゃんとこっそり返却しておいたし、吾の犯行だとは露見しておらぬ』
「どこから盗ってきたのかは知らんが、雷神なんてヤバそうな神を相手にバレることなく武器を借りて更には返却って……瀧本さん、あんた一体何者なんだ」
『魔王だが』
「確かに凄いけど偉業が私のイメージと思いっきりズレてて恐ろしいんだが」
『恐ろしいなど、今更であろ』
しれっと過去になんかヤバそうなことをやらかしている瀧本さん。
本人……本魔王はバレてないって言うけどさ、それ本当かよ。嫌だよ、私。神々に見つかった途端、問答無用で殺されるんじゃない?
いざそんなことになった時には、瀧本さん(霊)を生贄に逃亡しよう。その時になればバットを振るのも躊躇うまい。何を置いても自分の命が最優先だ! 相手は私よりずっと強い生命体だっていうし、構ってなんぞいられるか!
覚悟と決意を新たに固くし、ついでに身も固くして。
私と瀧本さんは、神聖大陸に踏み込んだ。
そして私達は夜の『神聖大陸』で、ヤバい奴と遭遇することとなる。
初めは、森の木々を渡って聞こえてくる音だった。
コーン、コーンと虚ろな音が響く。
何の音だ、これ。思ったと同時に、TVの特集で見たキツツキとか樵とか、そんなモノが頭に浮かぶ。
あれだ、木に固い物を打ちつける音だ。
音源は何か。気になったのが、最後の分かれ目。
この時に私は選んでしまった。
「瀧本さん、ちょっとあの音気になんね?」
『……不思議な音ではある。この大陸は植物を大切にする。樵の類は存在しない筈だが……それも、夜にこの音とは。嫌な想像をしてしまうな』
「嫌な想像? なんだそりゃ。まあ良いや、ちょっと野営始める前に一目だけでも確認しとかない? なんか変な獣とかだと嫌だし」
この時、なんで私は見に行くなんて言ってしまったんだろう?
いや、それよりも瀧本さんの『想像』とやらを、音からどんな印象を受けたのかをもうちょっと掘り下げて聞いておくべきだった。
好奇心の結果、私は迂闊にも見てしまうこととなる。
白装束に高下駄を履き、胸には鏡、口元には櫛……頭に乗せた鉄輪に、火のついた蝋燭を突き立てて。
真っ赤に塗った顔で、槌を振るう黒髪の女。
その左手が木に押さえつけているのは――五寸釘の刺さった、藁人形。
そう、私はリアルで見てしまったんだ。
日本で最も知名度の高い伝統の呪術…… 丑 の 刻 参 り ってやつを。
おいおい待てよジェニー、丑の刻って言うにはまだ早い時間だぜ? と内心で動揺の余りジェニー(誰だよ)に語りかけながら。
私の頭にぐるぐると踊るのは、やべぇやっちまった!という悔悟の念。
丑の刻参りって目撃されたら呪詛が術者に返るんだろ? マジでやっちまったな!
……けど、ちょっと待てよ。
「なんで丑の刻参りなんだよ!!」
異世界で! こんな西洋ファンタジー系の、異なる世界で!!
どうして日本の古き伝統丑の刻参りに遭遇しなきゃなんねーんだよ!?
なに? 丑の刻参りって異世界にもあんの!? 日本の伝統呪術なのに!?
似たようなお呪い☆で片付けるにゃ衣装も作法も何から何まで酷似し過ぎだ。これ絶対に丑の刻参り以外の何物でもないだろ、いま丑の刻じゃないけど!
心の中で、吹き荒れる激情。この思いを止める術はないのか。
……と思ったけど、割と簡単に止まった。
瀧本さんが、触れない手で私の肩をぽんぽんと叩いたからだ。感触はない筈だけど、冷たい物が撫でたような感じがして気が逸れる。
目をやると、瀧本さんが前方を指さしていて。
そっちに視線を向けると、丑の刻参りを敢行していたおねーさんがこっちを見ていた。真顔で、ガン見されていた。どうして。
『声が出ていたぞ。そこそこ大きい音量で』
「え、マジで」
うわ、やっちまった! おねーさんが出方を窺うようにこっちを見ている!
丑の刻参りは目撃されると呪詛が返るから、目撃者は始末するのがセオリーだって聞く。あまり手荒な真似はご遠慮したいんだが……私は、さりげなく金属バットの柄を握り直す。
いざという時は返り討ち。その決意が固まる前に……丑の刻参りのおねーさんが、こっちに向かって飛びかかってきた! って、呪いじゃなくって物理かよ!!
華奢な白い手に握られた五寸釘サービス付きの藁人形と槌が、何ともシュールだった。
女の人に手を上げる日が来るなんて思わなかった。内心で焦りながら、バットを振り被b……る、前に。
「すみません! どうか、どうか……このことは内密におねひゃいしましゅ!!」
何故か、私の眼前でおねーさんが土下座していた。
それはそれは見事な、ジャパニーズスタイルのお作法だった。
頭を下げながらの言葉に、額を打ち付ける音。そして舌を噛んだらしい台詞が続いた。
なんだこの状況。
拍子が抜けた私の胸中にあるのは、そんな言葉くらいだった。
藁人形片手に涙目で額を押さえるおねーさんは、近くで見ると意外に可愛い系の顔立ちをしていた。うん、美少女。
こんな美少女が、何故に丑の刻参り……疑問は尽きない。
美少女本人が親切というか、私の「丑の刻参り」発言を聞いた為だろう。
呪詛ってるところを見てしまったというのに、それを感じさせないフレンドリーさで懐いてくる。
「私は、世界樹の守護を任されている下級女神の一柱なんですけど……本名は倭の国的には舌を噛みそうな感じなので、ヴェールって呼んでください。あ、もしくはカナちゃんで」
「ええと、じゃあカナちゃんや。予想外の光景過ぎて驚いたんだけど、一体何をしてたんだい」
愚問だな、とは思ったけど一応聞いてみた。
「やだ、御存知なんでしょう? 丑の刻詣でですよ」
「おっと嘘偽りのない笑顔! 見られて良かったのかよ」
「前世の頃ならともかく、今の私は下級でも女神ですから! この程度の呪詛、返ってきたのを更に強引に元々の呪詛相手に押し付けるのは簡単です。だから問題ありませんよ」
「前世、ぜんせかー……兄貴、瀧本さんに続いて三人目だなぁ、おい。なに? 私って前世系に縁でもあるの?」
もう皆さんもおわかりだろう。
カナちゃんは、前世の記憶がある系のヒトだった。私の周りはそんなんばっかりか!
まあ兄貴のは本当かどうかわからんから、瀧本さんに続いて実質的には二人目ってところか……充分多いわ!!
ちなみにお生まれは江戸時代中期の京の都だそうだ。お陰で感性やら常識やらが若干噛み合わないが、カナちゃんは前世と同郷の人間に会えて無邪気に喜んでいる。
「まさか、前世の同胞にお会いできるだなんて~……あの『夢』は、私の妄想なんだって思ってました。本当にあったことと判明して嬉しいです!」
ああ、うん。自分の頭がおかしくなっていた訳じゃないことを証明されたんなら、それは嬉しかろうよ。
「そうかい。私はぐったり疲れたよ!」
『それで、女神の貴女が何故に丑の刻参りを……』
「あ、それはですねぇ……」
瀧本さんに質問されて、急激に顔を曇らせるカナちゃん。露骨に「悲しいです」と顔に書かれている。
なんだ、呪いに走る程のナニかがあったのか。丑の刻参りだろ? つまり男か、男なのか?
「実は、世界樹の根の一つに、害獣が付きまして……」
「あれ? 根っこって地底の世界に伸びてんじゃないの」
「根も、無数に分かれているものなんですよ。その一つ、比較的短めの根でこの大陸の範囲に収まってるものがあるんですけど、それに害獣が……私達、世界樹の管理をしている者の仕事として害獣の討伐が命じられているんですが」
「……ん? 討伐?」
害獣『退治』じゃなくって、『討伐』? なんだか物騒な表現に、カナちゃんの思いつめた顔に首を傾げる。
だが、『討伐』で間違ってなかった。
「倒そうとしたのですが、私達下級女神じゃ歯が立たなくって……だからといって上の方々は私達がお願いしても助けては下さらないし。多くの犠牲を出すこと覚悟で当たるという話になってしまって……私、私、この上はもう呪殺するしかないと」
思いつめていたようで、カナちゃんは両手で顔を覆ってわぁっと泣きだしてしまう。
彼女のフレンドリーさには多分、誰かに話を聞いてもらいたかったってのもあるんだろう。可哀想に。
……だけど哀れな様子の彼女を見ていて、心の底から同情出来ないのはきっとアレだな。泣き伏すついでに五寸釘を装備した藁人形に顔を埋める格好になっちまってるのがシュール過ぎるせいだな、うん。きっとそうだ。
「良かったな、瀧本さん。こんなところに同郷(前世)の女性が」
『同郷ではあっても、生きた時代が違い過ぎる。これではこちらの女性とあまり変わりないのではないかと思うのだが?』
「感性の違いってヤツか。難しいなぁ」
ついつい明後日の方向を確かめて現実逃避ってヤツをやってたんだが。
それでもカナちゃんの涙は止まらない。
これだけ泣いてると……やっぱりちょっと可哀想になってくる。だからといって私には何も……ん? あ、そうだ。
ふと思いついたことがあり、私はそっとカナちゃんの肩に手を回した。
「ねえねえ、カナちゃんや」
「なんですか、えましゃ……っ」
「その害獣とやら、私がなんとかしようか?」
「えっ」
驚き、顔を上げるカナちゃん。それから何故か瀧本さん。おい、なんでお前まで驚く。
……まあ、勿論? 私だって親切心でそんなことを言い出した訳じゃないんだけど。
「え、えっと、でも……何が出るのか、聞いた方が……」
「何が出るのか知らないけど、倒すだけなら当てはある。その代り、お願いがあるんだけど」
私はカナちゃんに、害獣退治を代行する代わりに世界樹から樹液を採取するのを見逃してほしいとお願いした。
これで駄目だったら、カナちゃんを騙すか何かして強行しなきゃいけない。
「樹液ですか? でしたら、以前私が採取した樹液や琥珀がありますが……お譲りしましょうか?」
「ホント!?」
思いがけない言葉を貰って、一瞬ちょっと喜んだ。瀧本さんも嬉しそうに目を輝かせている。
……が、喜びは一瞬で過ぎ去った。
だって。
カナちゃんが差し出してきた樹液が……赤かったのだ。
これはもう赤というより紅というレベルで、あかかったのだ。
「なに、この血塗られた感ある樹液。世界樹の樹液ってこんな紅いの? ルビー並にあかいんだけど」
「いえ、その……世界樹の樹液は、本来もっとキラキラさらさらの琥珀を薄めたような色、なんですけど……」
「とっても言い辛そうに口籠ってるけど何があった。いや、何をした……?」
「その、丑の刻詣でを少々……。だけど釘を打ちつけたら、血みたいな樹液が噴き出してきて……これは、証拠隠滅の為に回収した分、なんですけど……」
「あんた常習犯か!! ナニその不穏な裏事情。また呪いのアイテムかよ!」
呪われてる! これ絶対に呪われてるよ! というかカナちゃん、そんな可愛い顔して丑の刻参りし過ぎだろ!? なに? 趣味なの? ねえ、趣味なの!?
そんな万感の思いを込めつつ、結局は受け取った。だって、これでも使えるかもしれないじゃん。
まあ、瀧本さんにこれで復活できるかわからないって言われちゃったから、まともな樹液も集めるつもりだけどね。
倒してもらえるなら有難い。ちょっとの時間だったら自分が誤魔化す。
そんなカナちゃんの言葉を受けて、私達はその『害獣』とやらの住処に向かうことになった。
もう夜も更けていた。私は一日中空の高いところで風を受けていたので、自分でも気付いていなかったけど大分疲れていたらしい。
ちょっと眠いなって思うと、立てなくなった。
『――向かうのは、翌日で良かろう。今夜は明日に備えてよく休むと良い』
「そうですね。私も配慮不足でした……何しろ人間じゃなくなってから、疲れとは無縁だったもので。御免なさいね、絵麻さん。仕事は明日にしましょう」
二人の前世日本人に温かい声を掛けられて。
私はその日、ゆっくり休んで疲れを取ることになった。
カナちゃんの差し入れてくれたシチューを食べて、毛布に包まる。何気に野営は初めてだ。昨日は宿屋に泊ったし。
寝入りばな、どこからともなく狼の遠吠えが聞こえた。
どんな未知の獣が出てくるとも知れない場所で、安眠は難しいんじゃないかって? 安全性はどうなのかって?
そんなのを気にするには、疲労が募り過ぎていた。
それに大丈夫だって思ってたし。
だって私が寝た場所、テントじゃねーし。
……瀧本さんの指示でな? クリームちゃんがゆったりと中心に円筒形の空間を残してとぐろを巻いていた。私がその空間に身体を滑り込ませると、天井部分をクリームちゃんの頭が覆う。クリームちゃんの太くて長い巨体に囲われてぐっすりすやすやだ。隙間風すら感じず安眠出来たぜ☆
睡眠の必要がない瀧本さんは、今夜も一人でお月見だろうか。あ、クリームちゃんが側にいるね。最後に見た時は、とぐろを巻くクリームちゃんに腰かけて星を見ていた。その横顔がどこか緊張して見えたのは星明かりの加減か何かでそう見えただけだろうか。
その日の、夜。
やっぱり疲れていた私は夢の中。そりゃもうぐっすり眠ったんだけど。
二匹の闘犬が、がうがう取っ組みあって殺し合うっていう殺伐とした夢を見たんだけど……なんか、夜中騒がしかったせいかな。
昨日の夜も猫の喧嘩か何かで煩かったし……狼の遠吠えが聞こえたし、もしかしたら近くで獣同士の殺し合いか何かがあったのかもしれない。
こっちの世界の夜は、意外と騒がしいらしい。
翌朝、朝の挨拶をすると何故か幽霊なのに瀧本さんが草臥れていた。
昨日の朝も騒音被害に悩まされたのか疲れた様子だったし……瀧本さんって、思ったより繊細な気質なのかもしれない。
あんまり疲れた様子なんで、今日は少しいたb……わった方が良いかもしれない。
カナちゃんを手古摺らせる、害獣の住処。
そこは、世界樹の根の一つが身を浸した泉だという。
うん? つまり魚かナニかなのかな?
果たして水中の相手をちゃんとバットで殴れるだろうか――
それが無用な心配と知らず、移動中、私はああでもないこうでもないと考えを巡らせた。
カナちゃんの言う『害獣』の姿を見た途端、そんな心配は吹っ飛んだがな……!!
『そいつ』は、長い首を、世界樹の根に絡ませて。
大きく開いた顎で根に喰らいつき、鋭い牙を深く食い込ませていた。
昼夜を問わず、ずっとそうして引き剥がすことも出来ないのだとカナちゃんは言う。
そうやって世界樹の根から、『栄養』を過剰に啜り続けているのだと。
このまま放っておけば、この根が枯れてしまうかもしれない。天地を繋ぐ樹木の根の一本が枯れるということは、大きな被害を世界に及ぼす要因になり得るという。
それだけじゃなく、世界樹の力を奪って大きくなった『害獣』が、他の根に取り付いて同じことをする可能性も高い。
元は見落としてしまうくらい小さかった獣が、僅か数日で此処まで大きくなるほどの力を得たのだ。味を占めて確実に同じことを繰り返すだろう――
……と、カナちゃんはそういう訳ですが。
アレを害獣と呼ぶカナちゃんに、私は一言物申したい。
「アレ、龍じゃん……!!」
害獣なんて言うからもっと可愛らしいの想像してたよ! 猪とか、鹿みたいなの! だって木を食い漁って枯らしちゃう害獣なんて言われたら、そう思うよね!?
しかしどうしたことだろう。カナちゃんが指差すアレは、猪にも鹿にも見えないんだ。っていうか哺乳類ですらない訳だが。
蛇腹の大きな巨体、一枚一枚が肉切り包丁のような鋭利な鱗。身体の到る所から歪に生えた、謎の黒い突起。
体表は謎のぬめりを帯びており、月光を浴びてぬらりと光る様が……なめこっぽい! すごくなめこっぽい! あの粘液感! 色はどす黒い黒と紫のミックスだがな!
足は四つどころじゃなく、ムカデみたいにわさっと沢山生えていて気持ち悪かったが……ありかなしかで言ったらありだと思った。うん、RPGのボスキャラとかにいそう。
顔は、ワニに似ていた。いや、ワニとコモドオオトカゲとサンショウウオとカジキを足して割ったような感じだった。総合的に見るとワニ成分が一番強い。
なんというか邪悪な体してんなぁ……すっげぇ強そうだが、お友達にはなりたくない感じだ。同じ龍だっていうのに、強そうでその上格好良いクリームちゃんと比べると随分な違いだ。迫力はこの害獣の方が上だったが。
『ほお、珍しい。邪龍か。まともに駆除しようと思えば厄介な相手だな』
「瀧本さん、アレとお知り合いで?」
『面識はない。だが、世界樹の力を奪い、それを糧として急成長を遂げた邪悪な龍をそう呼ぶ』
「ってことは、先例があるってことか。対処法とか、瀧本さん知らない?」
『対処法も何も……貴女の金属バットで殴れば良い』
「……ああ、うん。わかってた。やっぱそれか」
なんか最近、こんなのばっかりだな。
そう思いながら、私は持っていた金属バットをしっかりと両手で握った。
だけど殴るってなったら……近距離だろ? あの龍、近寄ると問答無用で薙ぎ払ってきそうなツラしてんだけど。どうやって近寄れと?
考え込む私。だけど私って、あんまり頭良くないんだよね。
こういう時は瀧本さんにヘルプだろうか。自分より頭の良い人に聞くのは鉄則か?
困って見上げると、瀧本さんは私から何か言いだす前に察した様子で。
触れない手で私の頭を撫でながら、のんびりとした声音で私に落ち着きを促してきた。
『――何を悩んでおるのかは、知らぬが。貴女のバットは殴ったモノを即死させる。……部位は、頭にこだわらずとも良いのだぞ?』
「あ」
なんかいっつも、このバットが炸裂する場所は頭部だったから。そこじゃないと駄目みたいな気がしてたけど。
言われてみればそうだなって、瀧本さんの言葉に深く納得した。
わざわざ頭まで近付かなくても、死角から足とか尻尾とかに近寄って、ぼぐって殺っちゃえば良いんだよね!
何気に、こんなに大きな生き物を自分で意図して殺すのは初めてだった。
だからか、緊張したけど。
不思議と背後に瀧本さんが控えていると思うと……なんか落ち着いた。
落ち着いて、緊張で高鳴る胸に圧迫されながらも冷静に仕事をこなすことが出来たと思う。
「けどさ、けどさ! お手伝いくらいはしてくれても良いと思う。これだって最終的には瀧本さん復活の為なんだし!」
『まあ、否やはない。吾だけ何もしないというのも心苦しいしな。可能な範囲で助力できることであれば……今回は差し当たって、貴女の仕事が全う出来るよう邪龍の注意を引いて目を逸らすこと、ことか』
「有難う、瀧本さん。お願い!」
「あ、あ、あ! でしたら私はー……そうですね! 要は絵麻さんがその金棒で一撃入れればよろしいんでしょう? 私、絵麻さんのこっそり接近遭遇のお手伝いをします。具体的に言うとルートの誘導と、姿を紛らわせる為に霧を発生させます」
「霧? そんなこと出来るの?」
「お任せください! 私、これでも女神の端くれですから」
こうして私は、日本仲間の支援を受けてバットで殴りに行く簡単なお仕事に精を出すこととなった。
敢えてわざわざ邪龍の顔の近く、それも鬱陶しいくらいに視界に移り込む場所で瀧本さん(霊体)が何事かやり始める。龍の注意を引くように……おお!? すげぇ、懐から鳩が……って注意を引くってイリュージョン!?
……いや、違った! 一瞬、邪龍が瀧本さんの方をチラ見する。それを待っていたかのように、瀧本さんが大きく掲げていた手を振り下す。……と、それを待っていたんだろう。
物陰にどうやら潜んでいたらしいクリームちゃんが、横合いから飛び出してきた。
って、いたのかクリームちゃん! 全然気づかなかった! あんな体おっきい癖に息を潜めるの上手すぎだろ!? あれか、それが野性の本能ってヤツなのか? クリームちゃん、瀧本さんの飼い龍だけど!
流石に自分程に長大ではないとはいえ、迫る程度にはサイズのある龍の攻撃は無視できなかったんだろう。
クリームちゃんは真直ぐ歪みなく、邪龍の顔面……それも目のある辺りを狙って攻撃を仕掛けていた。がっぱりと開けられた大きな口は、邪龍の首を狙っている。
避けるにも受け止めるにも片手間には済まないとみてか、邪龍はがっちり世界樹に食らいついていた口を離して飛び掛かって来るクリームちゃんを待ち受ける構えだ。
その巨体の、下半側は大きい肉体を固定し、支える為だろう。しっかりと力強く地を踏みしめて、爪は地面に食い込み、簡単には動きそうにない。まさに固定。
……そう、気まぐれには動かない下地が整った。ついでに龍の感心は完璧にクリームちゃんに向いている!
この瞬間を狙わない手はねえ。私だって、タイミングくらい心得ている。クリームちゃんも即座に飛び掛かろうとしていたのに……いざ邪龍が身構えると、不自然なくらいに速度が落ちた。むしろ膠着状態に持って行きたいのだろうと思わせる態度で。
二頭の龍の威嚇音が響き合う中。私は抜き足差し足忍び足、かーらーのぉ……
「 撲・殺!! 」
ぼぐぅっ
一撃だった。
うん、やっぱ凄いね、このバット……思った以上のチート武器なんすけど。
今回狙ったのは、無造作に伸びた身体の後ろ~の方で投げ出されていた足の一本。そこの小指に相当するところをこそこそ近寄って殴ってみた訳だけど!
まさか本当に、急所から程遠かろうにそこ殴っただけで昇天するとは……物騒っつうか、マジで危険物だなこのバット!
この旅が終わって無事に瀧本さんを蘇生出来たら、このバットは封印するべきかもしれない。
………………ああ、だけど。この旅が、終わる?
『……どうした? 様子が、少しおかしいが……』
「あ、いや、えーと……うん、何でもないよ」
今まで瀧本さんを生き返らせなきゃって、そればっかりに必死で。そこしか頭になくって。
全然今まで思い至ってなかったんだが……瀧本さんが生き返ったら、私どうしよ?
今後の身の振り方が全然思いつかなくって、ちょっと途方に暮れた。瀧本さんには内緒だけどね!
どうせ元の世界には戻れないオチだと思う。そこを冷静に受け止めてるのか、それとも実感がわいてないだけか、感覚が麻痺してるだけかは知らないけど。
戻れないってことを、ちゃんと理解しなきゃ駄目だ。理解して、この世界で新しい生き方を見つける……? 出来るのか、そんなこと。
今は落ち込んだり取り乱したりしている暇はないし、うっかり殺しちゃった瀧本さんの責任を取らないといけない。
そうだ、全部は全部、瀧本さんが生き返った後のことだ。今は何より、瀧本さんが先決だろ。
うっかり深遠な人生の悩みに頭が占拠されかかったが。
瀧本さんという魔法のワードで、無理やりに湧いて出かけた悩みを封じる。
うん、今はそんなこと考えている暇はない! まずは責任問題が優先だ!
……命の恩人をうっかり撲殺しちゃった身としては、これでも色々考えるんだよ。
今後の身の振り方とか、本当に瀧本さんがどうにかならないことには考える余裕もないし。
そこらへんの面倒なあれこれは、無事に瀧本さんの戴冠を見届けることができてから、改めてじっくり悩もうと思った。
…………ああ、でも。
出来れば、瀧本さんが復活出来たら功績とか、鑑みてさ。
新生活に身を投じるにあたって、それなりに支援とかしてくれたら嬉しい、かなぁ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
二十年前に召喚されたのなら、『彼女』の年齢は四十歳に近いことになる。
平凡に生きていれば夫も子供もいておかしくないし、この世界に召喚されて強制的に押し付けられた第二の人生にも既に馴染んでいるだろう。
彼自身が、この国で得た第二の家族に馴染んだように。
今さら探してどうなると、思う事がない訳じゃない。
これだけ探して見つからないなら、もう死んでいる可能性もある。
生きていても……探して、見つけて、会ってどうなると。
思って、わかっていても。
彼の胸にあるのは重石のようにしがみつく未練ばかり。
ただ会いたいと思ってしまうのは、もう彼にもどうしようもないことなのかもしれない。
賢者と呼ばれる身になったとしても。
彼もまた、しがらみと複雑な心に支配された一人の人間なのだから。
たった一人、この世界で。
十五年ずっと、『彼女』のことは思うよすがだったのだから。
辛く苦しい日々の中で、『彼女』に会って助けるんだというのが、彼の信念で支えだった。
それは男の意地だったのかもしれないし、崩れそうな心を守る為に依存していただけかもしれない。
それでも、やっぱり。
かつての自分をこの世界で唯一知る筈の、『彼女』に。
会いたいと思ってしまうんだ。
『彼女』は、彼の大好きな――
――『兄貴分』だったのだから。
丑の刻参りの作法はうろ覚え知識です。もしかしたら正式な作法とは違うこと書いてるかもしれません。
追記:丑の刻参りの衣装はカナちゃんの手作りのようです。
下級女神 カナちゃん
前世は地球の日本人。(ただし江戸時代)
好きな場所は貴船神社。よく参拝していて、隅から隅まで知り尽くしているらしい。
なんでも目を瞑っていても、夜で周囲が見えなくても案内できるレベルだとか。
ちなみに名前の由来は『鉄輪の女』から。
お土産
カナちゃんからのプレゼント 呪い用藁人形(未使用) ×10
瀧本さんたっての希望で回収した邪龍の素材各種
孝君の金属バット、人知れず進化中
称号「龍殺し」追加
→ 追加効果「敵対時強化補正:蛇竜属」
→ 「瘴毒付与」「即死効果強化」「炎属性強化」「破壊力強化」
さあ、今回突如として登場した『賢者』……その正体とは!?
そして次回は一体だれを撲殺するのか!?
a.死神
b.勇者
c.賢者
d.宰相
e.魔王