鈴姫との出会い1
やっと鈴姫の登場です!!
どうも朧月夜です。
やっとメインヒロインである鈴姫が出てきました。
これでヒロイン2人目です。
鈴姫
瑠莉
あっ瑠莉もヒロインの内の1人です。
この瑠莉は主人公のキーマン?になるので注目しててください。
ではみなさんと相見えることを
散歩も終わり御所の方までもどってきた。時は戌の刻を指しており人の数は少ない。それにしても今日は関西の一大行事のため、もっと人がいるかと思ったが御所の方までは足を運ばないらしい。
鈴は御所の正門を堂々と入ってしまう。中庭では親戚の人たちが残った料理などを片付けをしていた。
「あら、龍佳くんと鈴ちゃんおかえりなさい。お寿司ちょっとだけ残ってるからたべちゃいなさい」
と近くにいた叔母さんが当たり前のように言った。今“鈴ちゃん”と。さらに周りも鈴と普通に声を掛けている。
本当にさっきもいたかのようになっている。
(なにがどうなっている!本当に鈴はみんなと普通に話している…)
「おい、鈴ちゃんとこんな時間までどこ行ってたんだよ」
桐耶が肩に腕を乗せてくる。
「鈴なんてさっきまでいないだろ。お前も鈴のこと知ってるのかよ!」
「そんなの当たり前だろ。鈴ちゃんは家の親戚なんだから。お前暑さで頭おかしくなったか」
(桐耶までどうにかなっている…。鈴のさっきのは本当だったのか…)
周りの親戚の人たちは「龍佳くん疲れているんじゃないか」、「お酒でも間違えて飲んでしまったか」と否定してくる。
「なにやってるのだ、龍佳。お寿司食べようではないのか」
鈴はお寿司をのせたお皿をこちらに渡してくる。まるでここにいるのが当たり前のように振舞っている。
少年は怖くなっていた。自分の隣にさっき会ったばかりの人がいるのだ。自分でも皿を取る右腕が震えているのがわかった。
「龍佳!」
すると聞いたことのある声がし、気が付いた時には鈴のと一緒に引っ張られていた。
場所は御所の中のある部屋に連れられていた。
「瑠莉!」
二人を連れてきたのは瑠莉だった。彼女は二人を交互に目を合わせ、最後には俺を見た。
「龍佳、この人誰…?」
「瑠莉はわかるのか」
「こんな人前からいなかったわよ。だけどみんなおかしい。いったいあんたは何者なの!」
瑠莉はきりきりした目で鈴を見る。すると鈴は「やれやれ」と言いながら腕を組み始めた。
「まさかこの術を見破るとは、お主龍佳に気でもあるのか」
「なっ!」
瑠莉の顔が赤くなるのがわかった。そしてその好意を持っているかもしれない男の子を見て足元にあった座布団を投げてきた。
理不尽である。
「痛っ…、鈴それはどういうことだよ。俺も聞きたい。桐耶までおかしくなっている」
「わしは龍佳を中心とした人間に術をかけたのじゃ。龍佳の親戚と親しい人に認識している人にしか記憶の操作はしていない。後はただの他人だ。しかしなぜかその術を掛けた人間を異様に気にしている異性は術に掛からないことがあるのだ。それではなぜそなたは掛からなかったのかの~」
鈴は瑠莉に一歩一歩近づいていく。それに瑠莉は後ろに一歩一歩離れていく。
「うっうるさい。あなたには関係ない。そんなことよりあなたは何者なの」
「大丈夫だよ、瑠莉。彼女は悪い人じゃないのは保障する」
そして瑠莉に彼女についてのことを話した。
名前は鈴で御所院の先祖ということ。神様で孫たちの様子を見にきたこと。そして少年と一緒に住むこと。
「ちょっちょっと待って。なんで龍佳と一緒に住まなきゃいけないのよ」
「なぜってこやつが次期当主だからじゃ。子孫の世話をするのは先祖の役目じゃ」
「だからって別に一緒に住まなくても」
「なら瑠莉殿も一緒に住むか」
瑠莉はまただんだんと顔が赤くなり「ばかっ!」と座布団を少年に投げてどっか行ってしまった。本日最大の真っ赤の顔である。
それにしても本当に理不尽である。
瑠莉が出て行ったと同時に別の意味で顔を赤くした父親がやってきた。
「りりゅうかぁ~鈴ちゃんにへやぁ案内しよろ~」
と一言残してまたふらふらと行ってしまった。
そして鈴は俺に一歩近づき
「これからよろしく頼むぞ、若っ」
あの五山送り火より美しい笑顔を俺に向けてきた。