表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dearest  作者: 奏多
12/17

Chapter11

「きゃああっ……………」



突然暗がりの中から聞こえてきた悲痛な叫び声と、その後響いた痛々しい物音に、思わず振り向いた。



「……誰か落ちたのか…?」



声の聞こえてきた階段と思わしき場所に行ってみると、下の方で何かが動いていた。



「…………加野!?」


「あ、西崎くん……(笑)せっかくびっくりさせようと思ったのに、失敗」


「何でこんな時間に……」


突然何なんだ、この女……。


やっぱり変わった奴だ。



「………て、大丈夫か?!」


「うん……(笑)」



急いで踊り場まで駆け降りると………




「………浴衣?」


「あ〜うん(笑)ちょっとでも花火大会気分になれるかなーって」


「……………」


「あっ、タコ焼き買ってきたの!あと焼きそばと、りんごあめと、わたがしと………」



何なんだ………。突然俺のために浴衣で学校来たり、いろんなものを買って並べだしたり…………。



こいつ、やっぱり他の奴とはちょっと違う。



「………やっぱ…似合わない、かなぁ?」



自信なさそうに浴衣の袖を見つめる加野。



紺地に桔梗の和柄の浴衣が、色白の加野の肌を艶やかに引き立たせる。


さらに普段は下ろしている髪をまとめ上げ、うなじに後れ毛が揺れているのを見て、どうにかなってしまいそうなくらいに動揺してしまった。



「…………っげぇ、可愛いっつの…………」



いちいち女を褒めるのに照れる自分が恥ずかしくて、無意識に赤く火照った顔を覆い隠すように、右手を口元にあてた。



俺がどんな心境で言っているのか分かってるのかいないのか、嬉しそうな顔で微笑んだ。




「………来て。ちゃんと手当する」



俺が沈黙ん破って立ち上がると、予想外の展開だったのか大きく首を振った。



「いい、いい。花火終わっちゃう……」


「でも、傷、残ったら困るから」



一瞬迷ったが思い切って加野の手首を持って立ち上がらせ、袋を持つと歩き出した。


加野は少し戸惑いながらも、おとなしくついてきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ