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第七章 帝都への帰還


 一年後──ヒデリコは皇帝に直接謁見を申し出た。

 クレスティアナと共に帝都へ戻る。

 宮廷はかつての嘲笑とは一変。

 ヒデリコの名声は辺境を越え、民衆の間で「白銀の守護者」と呼ばれるまでになっていた。


「伯爵、なぜここに?」


 皇太子が冷たい目で問う。


「皇太子殿下。貴方の行いは国家を蝕む。聖女ターエリ様の件も貴方が仕組んだ陰謀ではありませんか?」

「何を言う!」

「魔導鏡の改ざん記録。税金の横領証拠。そして刺客の供述。すべて揃っています」


 クレスティアナの知識で、証拠は事前に集めていた。

 皇帝は震える手で証拠を読み、皇太子を幽閉。

 聖女ターエリは真実を知り、涙を流した。


「クレスティアナ様……ごめんなさい」

「……いいえ。あなたも操られただけです」


 そして、皇帝は宣言する。


「ヒデリコ・マスダーレン伯爵、貴を帝国宰相に任ず。そして──クレスティアナ・スカーレット・リィーフィ。そなたは正妃として帝国を支えよ」


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