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第六章 反逆の陰謀
皇帝の刺客事件を機に、ヒデリコは帝都の腐敗に目を向ける。
皇太子派は辺境の力を恐れ、次々と忠誠心の高い貴族を粛清していた。
「皇帝陛下は操られている。皇太子が実権を握っている」
「……ヒデリコ様は、どなさるおつもりですか?」
「……戦う。正義のためではなく人々の平和のためにだ」
「なら私も戦います」
彼女は自分が転生者であることをヒデリコに明かした、未来の出来事をいくつか知っていることを伝える。
ヒデリコは驚いたが、すぐに冷静になった。
「なるほど。だからあの時、市場の少女の行動が読めたのか。そして刺客の存在にも気づいた」
「……信じてくださるのですか?」
「クレナの瞳を見れば嘘ではないとわかる。クレナ、私は君のすべてを受け入れる」
二人は秘密の同盟を結ぶ。
そして、クレスティアナの知識とヒデリコの政治力で、皇太子派の陰謀を暴いていった。