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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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よんじゅーなな



社長ちゃんの必死の言い分に先輩方が納得せず…。

しかも何を揉めているのか僕には話の内容が全くわかりません。

「もういっそ彩乃に判断してもらいましょう。そのほうが早いわ。貴女達もそれでいいわね?」

「ぎるてぃー…」

「有罪!」

「私はプロの判断に任せてもいいかなと思う」

「パルムは甘いよ!」

「逆にピノは落ち着け!」

「これ証拠として提出していいのぉ?」

「いいわよ」

「美咲!?」

「彩乃相手に変に隠し事したらどうなるか、わからないわけじゃないでしょう?」

「うっ…。有能な人間を雇ったツケを雇い主の私が払う理由がわけわからんのだけど!」

「まぁ、彩乃なら真実を白日のもとに晒してくれるわよ」

何が始まるのですか…?




ーニューホープ顧問弁護士・彩乃Sideー



桜井彩乃と書かれたネームプレートが置かれたデスクに突っ伏していびきをかいている女性が一人。

ここはニューホープ本社ビル、3階にある弁護士事務所兼彼女の自宅。

ニューホープという会社に雇われている顧問弁護士…。

暇な時は他の仕事を受けてもいいとは言われているが、基本は寝ている。

これといったニューホープでの仕事がなくても固定給はしっかりと出ているし、住む場所もある上に家賃もかからない。

そんな状況で必要以上に仕事をする気はサラサラなく…。

こうして誰にも叱られることもなく好きな時に惰眠を貪れる状況は彼女にとって最高の環境なわけで…。

以前勤めていた弁護士事務所でも居眠りをして首になり…。いや、あれは数々の功績を妬んだ同僚によって事務所を追い出されたと言ったほうが正しいか。

そんな時に声をかけてきたのがニューホープの社長だった。当時色々と問題を抱えていたニューホープは優秀な弁護士を探していて、百戦錬磨と言われる彩乃に接触してきたのだ。


依頼を受ける代わりに彩乃が提示した条件は一つ。顧問弁護士として住み込みで雇ってほしいというもの。

それを快諾した社長に雇われ今に至る。



そんな彼女、彩乃のデスクに置かれた電話が鳴り響く。

社内専用の秘密回線で、盗聴や傍受などができない様にあえてアナログになっている。もちろん各種対策もしてあるのは言うまでもない。

これを設置するよう進言したのも他ならぬ彩乃本人なのだが…。

「んんっ…うるさ…い…。なに…?」

鬱陶しそうに手探りで電話を探し、受話器を取る。


「本日の営業は終わりましたぁ…」

「“仕事よ彩乃。直ぐに社長室に来なさい。クビにするわよ?”」

「すぐ行きますっ!」

クビ…。それは彼女にとって何よりも恐ろしいセリフだった。一発で目が覚めるほどに。

なんせここより恵まれた職場などありえないのだから…。


「仕事の依頼なんていつぶり? ま、たまには働かないとねー。また愚か者にからまれたかなぁ?」

髪をまとめ、スーツを整えて事務所を出て隣の社長室へ。

ノックをして扉を開けると意味のわからない光景が…。

雇い主でもあり、この会社のトップでもある社長が床に土下座…?

「なにこれ…」

「助けてくれ彩乃!!」

「いやいや…先ずは状況説明をしてくださいな。何もわからないのにどうしろというのです」

「これ、見てほしいのぉ〜」

差し出されたスマホにはとんでもない写真が…。


「有罪ですね。どう見てもこの子は未成年でしょう!?何してるんですか!?ついにやってしまったんですね…。私の夢の職場もここまでですか…」

「諦めるなよ!! 私の言い分も聞いて!」

「こんな決定的証拠があったらいくら私でも勝てませんよ!?」

「やむにやまれぬ事情があるの!!」

「…聞きましょう。まさか最後に負け戦をするとは思いませんでしたが、せめて最低限の慰謝料で済むようには致します」

「だから話を聞けー!」

今更どう足掻いても覆すのは困難ですが…出来るだけのことはしますよ。社長ちゃんには恩もありますし…。


ふと室内に視線を這わせると、先程の写真に写っていた子が困惑した表情でソファに座っていますね…。

うん、間違いなく未成年です。しかもとびきりの美少女。社長ちゃん好みなのは間違いないですけど、流石にあんなことをさせるなんて…。

しかも本人は何をさせられたのかさえわかってない様子…。なら言いくるめてしまえば…。

いえ! それは決してやってはいけません。法に携わるものとしてそれだけは。

真実を捻じ曲げてしまっては今後私は二度と弁護士を名乗れません。

まずは状況の確認と聞き取りをしますか…。



ーーー

ーー



関係者から個別に聞き取りを行った結果…。

「はぁ…。こんなくだらないことで私の睡眠の邪魔しないでくださいな!」

「私には死活問題だったんだけど!?」

「あのですね、全員から証言の聞き取りをした結果、証言がすべて一致したのはアルジェちゃんと社長ちゃんのみです。他のはただの感情論であり、なんの根拠もありません!」

「じゃああの写真は…?」

「それもお二人の証言を裏付けるものでしかありません!」  

「ぎるてぃーって言ったくせに…」

「いきなりあの写真だけを見せてくるのは印象操作です! 悪質ですよ? むしろ社長ちゃんへの土下座強要等であなた達が負けますが?」

「うっ…。じゃあ本当にご奉仕させていたわけじゃ…」

「ありません! そもそも隠れるようにと言われ、机の下が狭かったせいもあり太ももに挟まれていただけだとアルジェちゃん本人が証言しているのに、どうしろと言うんですか…。精々訴えられたとしてセクハラですよ。それもアルジェちゃんが訴えるのが前提です!」

「そんな! 僕は訴えたりなんて…」

「と、本人が言ってますが?」

「ありがとう彩乃。助かったわ。ハッキリさせないと納得しなかったのよこの子達もね」

「いいですけど…。たまには仕事もしないと…とは思っていましたし。まさかそれが痴話喧嘩だとは思いもしませんでしたが」

はぁ…。まぁ職場兼自宅が無くならずに済んで良かったです。


それにしても…この子が男の子…?

世の中には法も常識も通用しないものがあるんだと知りました。

大学時代の友人が話していたのを当時の私は全く信じませんでしたが…。実際に目の当たりにすると納得するしかありませんね。

世界にはこんな子が何人もいるのでしょうか…。ひろみの話していた弟というのも実在するのかもしれません。

当時はてっきりひろみの妄想の弟だとばかり思ってました。

可愛すぎる上に、色々と世話を焼いてくれるから家にいるとダメになりそうで家を出た…とか言ってましたっけ…。

近くに住んでいたはずですし、久しぶりに連絡してみてもいいかもですね。実在するのなら、その弟に会ってみたいなんて言ったら間違いなく殴られると思いますが…。








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