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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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よんじゅー



夕食の仕度も終わり、紲さんと一緒に配信部屋に届けるためにお盆に乗せて移動してたら、また何人もの先輩方とすれ違った。

「まだカレーある〜!?」

「はい! 沢山ご用意してありますから」

「よかったの…」

「ムーン、のんびりしてたら無くなるわ〜」

「エリーゼは慌て過ぎなの」

「それ、後ろを見ても言えるかしら〜?」

「へ?」

ムーン先輩とエリーゼ先輩は振り返ったあと、ダッシュ。

後ろからはユリウス先輩達が。なるほど…。


「アルジェ、こちらの補給も感謝する!」

「本当に助かるわ。ありがとうアルジェ」

「食べて力をつけたらマリーの殲滅だ! ありがとうアルジェ!」

「は、はい!」

あれ…?そういえば4期生の先輩は四人みえたはず。勇者ユリウス先輩、騎士のラリス先輩、聖女様のオリー先輩。もう一人密偵役のアトラ先輩がみえるはずなんだけど…。まだゲーム内でも合流していない。


「紲さん、アトラ先輩って今回参加されていないのですか?」

「アトラさんなら今日は企業案件で外部へ出かけられてますよ。夜迄には戻られる予定です」

ああ、先輩の中に今回のイベントと案件が重なった方がいると言ってたのはアトラ先輩だったんだ。


「ん?私に用だったか?」

突然声をかけてきたのは、全身真っ黒の服にサングラス姿のスラッとした背の高い女性。

「アトラさん、お戻りでしたか」

「ああ。コレの案件も終わったからな」

手をひらひらとさせてるのはどういう意味があるのだろう? というかこちらの方がアトラ先輩…。初めて直接お会いしたかも…?でも、このスラッとしたスタイルのいい方には見覚えがあるような…? 

どこだっけ…。

「そうだ、アルジェ。いいものをあげよう」

「えっ!?」

アトラ先輩が渡してくれたのは小さな小瓶。これって…。

「マニキュアですか?」

「似てるが少し違う。ジェルネイルというもので、UVで固まるんだ」

妹のこよみがいくつか持ってたけど、少し違うらしい。


「こんな感じになる」

見せてくれたアトラ先輩の手は指が細くきれいで、黒いネイルがよく似合ってた。

「先輩、すごく手がおきれいですね。黒がとってもお似合いです」

「そうか? ありがとう。アルジェも可愛らしい手をしてる。使ってみるといい。貰い物だけどな」

「ありがとうございます!」

アトラ先輩は社長ちゃんに報告したら配信すると言ってて、紲さんに”社長ちゃんならキッチンエリアで食事してます“と言われ、そちらに向かわれた。


「アトラさんはキャラ設定として黒がお好きなので、今回漆黒のジェルネイルを発売するメーカー様から案件が来ていたんですよ」

「そうなんですね。確かにとてもお似合いでした」

アトラというキャラにそっくりな、かっこいい感じの雰囲気にぴったりだった。キャラの衣装も黒が基本で、爪も黒かったと記憶してる。

僕がもらったのは薄いピンク色だけど…。

「あとで塗ってさしあげましょうか?」

「お願いしてもいいですか?せっかく頂いたので使ってみたいです」

こよみにあげたら喜ぶかもだけど、先輩からの頂きものをあげてしまうのは違うし、ちゃんと使ってみないと。感想とか聞かれたときにも困る。


「先程受け取られましたフィギュアドールのレビューは私からドールズファクトリー様へ送りますので、そちらも近いうちにお願いいたします」

「はい!」

ちょっと楽しみなんだよね…。自分のフィギュアドールとか、普通じゃ考えられないでしょ。



配信部屋に食事を運びこんだら、先輩方も香りで気が付かれたのか、そのまま雑談配信に。

真ん中のテーブルに集まった第一声はマローネさんが…。

「ソフィリナ先輩、どうして裏切ったんですか!」

「べ、別にマローネにはかんけーねーのだ!」

「信じてたのに…!」

「マローネ…。すまねーのだ。ペットを人質にされてはさからえねーのだ…」

「あんなに要らないって言ってたくせに!」

「しばらく一緒にいたら情が湧いたのだ!」

マリー先輩、人質とったりするんだ。僕を助けてくれた優しい先輩はどこへいってしまったのだろう…。


「ちょっと、食事中くらい仲良くしなさい。落ち着いて食べられないでしょう?」

「せっかくアルジェちゃんがこんな豪華なの用意してくれたのに…。ゆっくり食べさせて…」

「ふぉんとよ…。、んっまぁ〜! まさかイベント中に何度も手作り料理を食べられるなんて」

「アルジェちゃんには手間をかけちゃってるけどね」

「いえ! 作るのは好きですし、先輩方に喜んでもらえたならそれで…」

「天使がおる…。ここにガチの天使が!」

「そういうマローネも料理はできないの?」

「できますよ! レンジで温めたり、お湯を注いだりとバリエーションもあります!」

「冷凍食品とカップ麺でしょ。それくらいなら私だって」

「いやーパルムはどうだろう?」

「うん…。パルムは絶対にキッチンに立ったらだめな子…」

「みんな酷くない!?」

そこまで言われるなんて。何をしたんだろう。


「鍋でお湯を沸かしたまま居なくなってて大変なことにしたのは誰なのだ?」

「あ、あれは! ちょっと時間かかりそうだなーと思って、配信してただけだし!」

火をつけたまま、配信…?時間がかると言ってもせいぜい数分。その間に配信…?すごいというか無謀というか…。

「アルジェちゃん。お願いだからそんな顔しないで!?」

「えっ!? 僕どんな顔してました!?」

「こいつまじかよって顔?」

「意味わかんないって顔はしてた…」

「ご、ごめんなさい! 母に火を使っているときは絶対に離れたらだめだときつく言われていたのでびっくりしてしまって…」

「それが普通なのだ! 下手したら火事なのだ」

「ごめんて…」

パルム先輩にも苦手なことがあるんだなぁ。普段はすごく出来るお姉さんって雰囲気だから意外かも。


「アルジェちゃん、言いたいことがあるならきこうじゃない」

「えっ…その…普段頼れるお姉さんのパルム先輩にも苦手なものがあるんだなーと思ったら…その…」

「何よ!?」

「可愛らしいな…と…。失礼だったらごめんなさい!」

「へっ…?」

「私も料理は苦手!」

「私も出来ない…」

先輩方は何を競っておられるんですか!


「とんでもねー小悪魔がいたのだ…」

「あははっ! 同期が頼もしくてボクは嬉しいよ」



賑やかな食事が終わり、休憩がてらアルジェのフィギュアドールを開封してみた。

「もうできたんだ?」

「はい! 先程頂いたばかりなんです」

「アルジェちゃんのフィギュアドール、三体は買わなきゃ」

「ピノ先輩もですか!?」

社長ちゃん以外にも本当にいるんだ…。


「当たり前でしょ! 抱いて寝る用と一緒にお出かけする用と、一緒にお風呂に入る用!」

社長ちゃんと用途が違う!!

「あんたバカでしょ…。音声用にバッテリーも内蔵されてるのに濡らしたら危ないでしょうが」

「密封できる袋に入れていくから平気だって!」

とんでもない会話が繰り広げられてますが…。


「コメント欄が盛り上がってるね…。紲ちゃん、これって写真とか細かい情報開示してしまって平気…?」

「問題ありませんよ、メルティさん。むしろ宣伝してください! 今回のアルジェさんのフィギュアドールから追加された新機能もありますからそちらもぜひ! 皆さんでレビューしていただければ、フィールドバックにも活用されますから」

「りょーかい。 アルジェちゃん、見せてくれる…?」

「はい!」

メルティ先輩にアルジェのフィギュアドールを手渡す。


「あれ…?顔がない。まだ未完成…?」

「いえ、そちらが新機能になります。頭を軽く二度撫ぜてみてください」

「うん…?」

メルティ先輩が絆さんの言った通りにアルジェのフィギュアドールを撫ぜると、顔が映し出された。

以前、社長ちゃんに渡していたものには撫ぜて起動なんて機能は無かったはず…。


「すごっ…。会話に合わせて表情が動いてる…」

「メルティ先輩、私にも見せてください!」

「ちょっとまって…。写真あげないとみんな待ってるから…これは動画のがいいかも」

メルティ先輩が撮影し、SNSに投稿。僕も見てみたけど、反響がすごい。

とんでもない機能だからなぁ。値段もとんでもないけど…。そちらはまだ非公開なんだとか。

なんとか価格を抑えるために試行錯誤してるそう。企業努力ってやつかな?


「こらピノ! いきなり脱がすな!」

え!?SNSに気を取られてた間に何が!?

「だって気になるじゃない! みんなもアルジェちゃんが何色か気になるでしょ!?」

止めてください…。フィギュアドールとはいえ、なんだかとても複雑です!

「そういうのは買った人だけが確認できる特別なものなのだ! ピノ先輩はブサイクなのだ!」

「ブサイク!? この美人エルフの私にブサイクといった!?」

「多分、無粋の言い間違いです」

「そうそれなのだ! さすがマローネ」

「いきなりケンカ売られたかと思ったわ」

とんでもない言い間違いですが…。それにしても…マローネさんはよくわかったなぁ。やっぱり仲良しだね。








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