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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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さんじゅーきゅー



武器を作り足していたら、世界に響くような音声が流れた。

”ふはははは! 今すぐに降伏しろ! 素直に降伏するなら自我を持ったゾンビとして我が軍門に加えてやる! 繰り返す! 降伏しろ!“

この声、マリー先輩!?

作業場から外に出ると、空は真っ暗になってて。

「アルジェちゃん!」

「ピノ先輩、何がどうなってるんですか!?」

「夜になったから、マリーが本格的に攻めてきたらしいよ」

「そんな…」

「戦闘員は全員迎え撃つ用意をしてるから、アルジェちゃんも武器防具の生産を頑張ってね。私は下の拠点を補強するために行ってくるよ。今は護衛もいるし!」

スケルトンのペット…すけさんはピノ先輩に付き従ってて、ちょっと頼もしい…。

「ピノ先輩!」

「うん?」

「お気をつけて…。絶対に無事に戻ってください!」

「ありがと! 任せて! アルジェちゃんを泣かせたりしないから!」

ピノ先輩はゲートで地上へと降りていかれた。


「アルジェちゃん…」

「メルティ先輩! 武器防具は大丈夫ですか?」

「うん…。それより私にもなにか応援ちょうだい…?」

えーっと…。 あ、ピノ先輩に言ったみたいなのでいいのかな。

「メルティ先輩、先輩がお強いのはわかっていますけど、絶対無事に戻ってください! 武器をたくさん用意して待ってますから」

「うん…! アルジェちゃんを未亡人にはしない…! いってくる!」

未亡人…?どういう意味でしょう?

メルティ先輩は大きくなった猫…アルファに乗ってすごい速さで出撃。


「ほんとメルティ先輩が武器持ってるのに冷静な姿を見るなんて少し前までは想像もしなかったよ」

「パルム先輩! まさか先輩も行かれるんですか!?」

「ううん。私はもしもに備えて薬の用意をしてるからね」

「先輩はまるで戦場の女神ですね。唯一怪我した人を治せるんですから」

「そ、そう!? なんかちょっと照れるね。 よし、頑張ろうか! 夜が明ければ落ち着くと思うし」

「はい!」


僕はまた作業場へ戻り、武器防具の生産。

定期的にエセル先輩が素材の補給をしに来てくれるから作れるんだけどね…。

「素材で足りないものはあるかなぁ〜?」

「今は全部足りてます! ありがとうございますエセル先輩!」

「私だけじゃないよぉ〜。ムーンとエリーゼ、ヴィオラも補給班だからねぇ〜」

ムーン先輩はラミアという下半身が蛇みたいな姿のモンスターっ娘。エリーゼ先輩は人魚で、どちらもマリー先輩とソフィリナ先輩の同期。

ヴィオラさんもエセル先輩、エリーゼ先輩のチームだったから、同時に合流出来た。体調も平気なようで、元気な声を聞けてホッとした。


同盟を結んでからは元のチームとは違うメンバーで組んで動いてたりするのは、それぞれに得意な分野があるから。

メルティ先輩みたいに戦闘特化な先輩方は前線にいるし、エセル先輩達みたいに地下探索が得意な方は補給部隊として、地上の拠点から地下へ掘り進んで物資を集めてくれている。

僕が武器防具を作れるのもそんな先輩方の力があってこそ。



一晩中続いた攻防戦は、拠点を守りきったこちら側の勝利に終わった。

でも…。

「ソフィリナ先輩が拉致されました!」

「いや、マローネ。あれは自らあちらの軍門に下っただろう…。自身のゾンビを連れてな」

「裏切り者め…」

「まったく…これだからモンスターは信用できませんのよ」

ユリウス先輩と一緒にいるのは同じ3期生の騎士様のラリス先輩と聖女様のオリー先輩。


「ボクはソフィリナ先輩を信じます! 一緒に戦ってたソフィリナ先輩は裏切ったりしません!」

「信じるのは自由だからな。マローネはそう信じてやるといい」

「無駄にならねばいいが…」

「ですわね…。相手は所詮モンスター」

相変わらず4期生の先輩方は3期生の方との対立が…。これもロールプレイなんだとわかってはいるけど、少し冷たく感じてしまう。


「僕もソフィリナ先輩を信じます!」

「だよね! 絶対に裏切ったりしてないもん!」

マローネさんは特にずっと一緒にいたから…。一番仲がいいんじゃないかとさえ思う。


「どちらにせよ日が昇った以上、一時休戦だ。みんな今のうちに休むなり補給するなりしておけよ」

「ですわね。わたくしも少し休みますわ」

「うむ…。アルジェ、武器防具はまだあるか?」

「はい! 大量に用意しています。それもエセル先輩、ムーン先輩、エリーゼ先輩、ヴィオラさんが物資を集めてくださったおかげなんです!」

「…そうだな。いくつかもらっていくぞ」

「勿論です!」

前線に出られていた先輩方は補給した後、城下町みたいになっている各家に入ってお休みされる。という体でご自身のリスナーさんと会話してたりとか、本当に離席されたり…。


「アルジェちゃん…、そろそろ時間…」

メルティ先輩にそう言われ、時計を見ると4時すぎてる。そうだ! 夕食の仕度しなきゃ!

「でも、落ちてしまって大丈夫でしょうか…」

「さっき確認したけど…あれだけ用意してくれていたら当分は戦える…。こっちは任せて? 代わりに美味しいの期待してるから」

「わかりました!」

先輩方には食事の用意をしてきますと伝えて、ゲームをログアウト。


アルガードのみんなにも夜ご飯の仕度をしてくると伝えた。

「今日は何を作るのかって? ハンバーグカレーだよ。カレーは朝から仕込んでたからね」

コメント欄には何人かが、”うちも今日はカレー“っていうのとか、羨ましがっているコメントも見かけた。

「食後にまた配信するから、そのときはまた告知しますね。じゃあ一旦落ちまーす!」

こうやってアルガードの人たちとの会話も楽しいって思えるのは、みんなが温かいからだろうなぁ。



「アルジェさん、お疲れ様でした」

「紲さんもお疲れ様です」

「キッチンエリアは直ぐに使えるようご用意してありますので!」

「毎回ありがとうございます」

「いえいえ。私達も頂いていますし…」

紲さんとそんな会話をしながらキッチンエリアに移動。


そこには既に社長ちゃんと、他にも二人…。

以前お会いしたドールズファクトリーの方だ!

「お久しぶりです、アルジェさん」

「お久しぶりです。今日もお仕事ですか?」

「ええ、アルジェさんにお渡ししたいものがありまして。こちらにいればお会いできると…」

なんだろう?と思ったら、渡されたのはアルジェのフィギュアドールだった。

中身が見える可愛らしいデザインの箱に入れられていて、製品もほぼこの形で販売されるそう。


「そちらはアルジェさんにお渡ししておきます。後日で構いませんので、感想等もらえましたら助かります」

「持っていってしまっていいのですか?」

「ええ。みなさんには必ず一体プレゼントとしてお渡ししていますので」

すごく高いものなのに…。いいのかな。


「それよりアルジェちゃん! 早くカレー!」

「は、はい!」

社長ちゃんに急かされて、慌ててカレーを温める。

その間にハンバーグも作って焼いていく。 


背後で社長ちゃんとドールズファクトリーの方たちの商談が進んでいるのだけど、まさかここで会議してるとは…。せっかくだからお二人にもカレーを出していいかな? 

社長ちゃんだけに出しては失礼だよね…?そういうのよくわからないけど、出さないよりはいいと思うんだ。


焼き立てのハンバーグと目玉焼きを載せたカレーライスを紲さんにお願いして運んでもらった。

商談してるから僕では邪魔になりそうで…。紲さんならそういうの慣れてそうだもの。


喜んでもらえて嬉しいです。社長ちゃんは早速おかわりもしてくれて…。


「アルジェさん、またお写真いいですか!?」

「は、はい! すぐに用意します!」

紲さんは用意したハンバーグカレーの写真をシラチャソースと一緒に撮影してる。

よっぽどあのソース気に入ったのかな。美味しいもんね。


SNSを確認したら、”アルジェさん手作りのハンバーグカレーとアルジェさんおすすめのソースです! この組み合わせがとっても美味しくて……“と絆さんによる熱い食レポが…。

びっくりしたのは、シラチャソースの公式アカウントからコメントがついてたとこかも。


その日の夜、ハンバーグカレーとシラチャソースがトレンドに上がってたのはもう…。本当にニューホープの知名度というか、影響力が凄まじい。

改めて自分の言動に気をつけなくてはと身を引き締めるきっかけになった。

やっぱりまだ怖いと思う部分もあるけど、先輩方のくれた温かい言葉がそれを緩和してくれる。

本当にありがとうございます…。








今年最後の投稿になります。

来年もいつも通り投稿しますのでよろしくお願いします。

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