さんじゅーなな
夜の間に現れた敵はメルティ先輩達が壊滅させて、僕たちはその間に食料の追加や、武器防具の修理などをしてサポート。
明るくなったらすぐにまた地図を頼りに進む。
「この辺りなんだけど…」
メルティ先輩は地図を片手に、円を描くように砂浜を歩き回ってる。
「これは少し掘らないとなのだ。海の中じゃなかっただけ良かったのだー」
「うん…。そこまで深くはないだろうから、手分けしてこのあたりを掘ろうか…」
全員でスコップを装備し、砂浜をザクザクと掘っていく。
五分くらいかな?浅く広く六人で掘ったから、かなりの広範囲に広がる穴ができた。
それでもなかなか宝箱は見つからない。
「こんな深いことある!?」
「もう石の階層に入ってるもんね」
「場所は間違ってないはず…。パルム、一応確認してみて…」
メルティ先輩はパルム先輩に地図を投げ渡す。
「間違ってないですね。これ、毎回思いますけどかなりアバウトなのなんとかなんないんですかね」
「私に言われても…ね。そういうものと諦めるしか…」
「あったのだ!! 見つけたのだ!!」
ソフィリナ先輩の叫び声に全員がそちらへ集まると、宝箱を二つ分重ねたラージサイズの箱が。
「でっかいから絶対に当たりなのだ!」
「そうとも言い切れないけど…。ここは運のいいアルジェちゃんに開けてもらおうか」
「ええっ!?」
「それがいいのだ! ウチが見つけてアルジェが開ける! これで当たりじゃなかったら嘘なのだ!」
先輩方もマローネさんも開けていいと言ってくれるから、ワクワクしながら箱をあける。
「卵がいっぱい入ってます! 後は見たことのない宝石みたいなのも…」
「ほらー! 当たりなのだ!」
「はいはい。わかったから…」
先輩方も箱を見て、これは確かに当たりだと。
「卵がこんなに入ってるのは珍しいし、この石は拠点に置くとみんなの攻撃力を底上げできるから防衛しやすくなるね。今回は本当に助かるアイテムだよ」
「卵が人数分以上あるし…みんなでペットもとうか」
僕はもうアルザードがいるからね! 先輩方にも素敵なペットが生まれるといいな。
卵を割った結果はと言うと…。
メルティ先輩が可愛い猫。大きくなると乗れるらしい。それはもう猫というよりヒョウやチーターとかじゃないかな!?
パルム先輩は真っ白な犬。今は子犬だけど、大きくなるとかなり戦力になってくれるんだとか。
「なんで私はいつもこうなの!?」
「普段の行いなのだ! 絶対そうなのだ…」
「そう言うソフィリナはどうなのよ!?」
「今から使うからみてるといいのだ! ウチもきっとかっこいいドラゴンが…」
ちなみにピノ先輩の卵からはスケルトンが…。敵と間違えそう。
ソフィリナ先輩が投げた卵からは…
「あははっ! 私よりひどいやついた!!」
「むぐぐ…よりによってなんでゾンビなのだ…」
うわぁ…。襲ってこないとはいえ、今回はあまり近寄りたくない…。気分的にまた噛まれそうで怖いし。
「ソフィリナ先輩も普段の行いのせいでは?」
「マローネはどうなったのだ?」
「ふふん…。僕はファイアードラゴンです!」
「交換するのだ!」
「絶対に嫌です! 次斬られたら燃やしてもらうので!」
おお…。マローネさんもドラゴン! しかも真っ赤で、炎のエフェクトが出てるのがかっこいい!
「ハズレはピノとソフィリナかな。残念だったね」
「パルム、交換しない?」
「絶対に嫌!」
「まだ卵あったのだ。それを使うのだ!」
「ダメ…! 大事な戦力になるかもしれないのに無駄遣いできない…。今後、合流したの子に渡す…」
「メルティ先輩、かたい事いいっこなしなのだ!」
「ダメ!」
「うぅ…。ゾンビなんてやなのだー!!」
「即戦力にはなるんだから諦めなさい」
ゾンビやスケルトンは武器を持たせれば直ぐに戦えるそうで、そういう意味ではありがたいのかも?外見を気にしなければだけど…。
無事に宝も回収できたから、みんなで拠点へ帰る。頼もしい仲間も増えて…。
途中、行きにも使った洞窟拠点で一泊。
「ウゥー…」
「キィー…」
「ゾンビとスケルトンがうるさいんだけど!」
「ピノのペットでしょ?」
「敵が来たかと思いますね」
「音は同じだからなぁ…。ピノとソフィリナは外で寝たらいいんじゃない?仲間に会えるよ」
「ひっでぇーのだ! ウチはまだ生きてるのだ!」
「いや、マミーがなに言ってんの」
確かに。ソフィリナ先輩のキャラ設定ってマミーだから…。でも追い出すのはあまりにも…。
「あの、ゾンビやスケルトンは防具はつけられないんですか?」
「あ、そっか! 武器だけじゃなく防具つけさせれば見分けつくんじゃない?」
「もったいねぇーのだ! こんなモンスターに防具とか!」
「だから、それをソフィリナが言う?」
「ウチは生きてるマミーなのだ!」
それはもうマミーではない気がする。
予備にと持っていた防具をピノ先輩とソフィリナ先輩に渡して、渋々ではあるけどペットに装備。
「あれ…音が小さくなった?」
「確かに! こんな効果があったんだ」
「アルジェちゃんナイス…」
見た目にも少し怖さが半減したのは良かったのかも。
「マローネさん」
「うん?どうしたの?」
「僕のドラゴンは何ドラゴンなんですか?」
「白は光ドラゴンだよ。対アンデッドにはボクのファイアと同じで効果抜群だからラッキーだね!」
「なるほど…」
「ところでアルジェちゃん、肉余ってない?」
「ありますよ。アルザードにたくさん持たせてきたので」
「少し分けてもらえる?あまり手持ちになくて困ってたんだよ」
「はい!」
アルザードから肉をもらい、マローネさんに手渡す。
「ありがとう! 助かったよ。成長したらゾンビもマミーもスケルトンも倒そうね!」
「マミーはウチだけなのだ! やめるのだ!」
「斬られた恨みがたーくさんありますからね」
「や、やめるのだ…!」
力関係が逆転してる!?
「そろそろ日が昇る…。拠点に帰ろう?」
「「「はーい!」」」
メルティ先輩を先頭に拠点へ向かう。
大きな空中拠点だからかなりの遠距離からでも見つけることができて、帰ってきたんだとホッとする。
「待って…。何かいる…」
メルティ先輩は地上拠点に入る前に停止。僕たちを下がらせ、武器を装備。
「誰かいるのなら出てこい! 出てこないのなら殲滅する!」
ゲーム側のボイスチャットでそう叫ぶメルティ先輩。
「メルティじゃん! ここ、メルティ達の?」
砦から顔を出したのはサシャ先輩。
「サシャか…。 そう。よく見つけたね…」
「あれだけでかいのが浮いてたら嫌でも目につくじゃん。それよりちょっと助けてほしいじゃん?」
「ん。同盟結ぶ…?」
「それもだけど、マリーが行方不明になったじゃん…」
「ユリウスは…?」
「ここにいますよ」
サシャ先輩の隣から顔を出したのは勇者様でもあるユリウス先輩。
「ゲッ…勇者なのだ! あいつは敵なのだ!」
「今は休戦だ。お前のとこのマリーが行方不明なんだぞ」
「またあいつかなのだ…。どーせバカだから迷ってるだけなのだ」
「実際そうなんだが、ひどい言われようだな」
「あいつはいつも迷うのだ!」
「それはソフィリナ先輩もです」
「ウチはちゃんと戻ってきてるのだ!」
「単に今回は皆がいたからでは…?闇雲に突っ込んでいくソフィリナ先輩も大概ですからね!」
「マローネは生意気なのだ!」
賑やかになったなぁ。楽しくなりそう。
でも…マリー先輩はどこへ…?




