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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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さんじゅーご



ゲートに飲み込まれて咄嗟に目を閉じてしまっていたけど、目を開けたら一面の青空。

「いらっしゃい。空中拠点へようこそアルジェちゃん」

「おじゃまします。 すごい眺めです。空しか見えないのは不思議な感じですね」

「これから拡張していくから見ててね」

「なにかお手伝いできる事はありますか?」

「パルムと下の拠点から集めた素材を運んできてくれたら嬉しいな」

「わかりました!」

そっか、もう下の拠点は使わなくなるから、全部上に運び込まないといけないんだ。

いくつのもボックスに分けて仕舞われているから、何度も往復しなくちゃ。


もう一度ゲートに入ると地上の拠点にワープ。

あっという間過ぎて慣れないけど、便利なのは有り難いよね。特に今回みたいに荷物を運ぶってなると余計に。

「アルジェちゃんも荷物を移動させるの手伝ってくれるんだよね?」

「はい! ピノ先輩みたいなすごい建築はまだ全然無理なので、できる事から始めます」

「いいね。じゃあそんなアルジェちゃんに私達からプレゼントだよ」

パルム先輩が渡してくれたのは…リュック?


「大きなリュックとか、サバイバル感がマシマシですね。ありがとうございます!」

「でしょ? メルティ先輩も作る素材を集めてくれたから、後でお礼言うんだよ」

「はい! 今はどこかに出かけられたのですか?」

「うん。メルティ先輩もリュックを背負って素材集めにね。敵がいつもと違うものを落とすから、集められるだけ集めておくって」

「お一人で大丈夫でしょうか…」

「メルティ先輩だからね」

戦闘に関しての信頼がすごい。やっぱり僕は今できる事をコツコツとやっていくしかないね。


「そのリュック、いろいろな機能があるし、後々拡張もできるから無くさないようにね」

「は、はい!」

先輩たちが作ってくれたものだし、大切にしなきゃ。


「細かい事は荷物を運びながら説明するね」

「お願いします!」

リュックがあると普段持てる荷物の3倍に拡張されて、かなり便利だ…。


「持ち運べる量も増やしていけるんだけど、それ以外にも水、寝袋、ランタン…と色々増やしていけるのね」

「凄いですね…」

「これ、うちのサーバーだけで使える、いわゆるCC(スタムコンテンツ)というものでね、元のゲームにはないんだよ」

「カスタムコンテンツ…ですか?」

「聞き慣れない?」

「始めて聞きました」

「簡単に言うなら…。そうだ! 最近のゲームってダウンロードコンテンツとかで要素が後から追加されることあるでしょ?」

「はい。ありますね」

「そんな感じのものをうちの会社が作って、うちのサーバーでだけ使える要素にしてあるの。他にもソファとかみたいな家具もイロイロあるよ」

「すごいですね…」

「元のブロクラがそういう物を作りやすいようにはしてくれてあるのだけど、会社が作ってくれて、使わせてもらえるのはありがたいよね」

「はい!」

まだまだ初心者な僕には理解の範疇を超えているけど、便利なものは本当に有り難い。

リュックに詰められるだけ詰めて移動したら、ピノ先輩の元へ早く素材を運べるのだから。


「あ、あれ…?」

「あははっ。 やっぱりなったね」

「うごっけませんっ…」

正確にはゆっくりでなら動いてるけど、歩く速度がスローモーションの様になってる。

「そのリュック、便利なのはもちろんなんだけど、使い込んでいかないと本来の性能を発揮できないの」

「えーっと、つまり…装備したばかりの僕では、荷物をパンパンにしたら重たくて動けなくなると…」

「あたり。ゲームのバランスを考えた結果だから我慢してね」

「はーい…」

たくさん運べるかと思ったのに。


「残念がらなくてもアルジェちゃんと一緒に成長していくから」

「頑張ります」

ある程度動けるくらいにまで荷物を減らしてゲートへ向かい、ピノ先輩が用意してくれている空中拠点の倉庫に仕舞う。


「アルジェちゃんはちゃんと種類ごとに分けて仕舞ってくれるから助かるよ」

「パルム先輩に教わりましたから」

「教えても守らない子が普通にいるんだよね」

急いでたりするとパッと仕舞って荷物を軽くして…なんてやりたくなる気持ちはちょっとわかる。


「なに?ピノはなにか不満だった?」

「違う違う。アルジェちゃんがパルムに教わったことを律儀に守ってるからいい子だなーと」

「あー、整理整頓の話?」

「そそ。頻繁に使う側としては有り難いからさ」

「うちのアルジェちゃんは素直だからねぇ」

「パルムのじゃないから!」

「そういう意味じゃないって…」

本当にお二人は仲がいいなぁ。2期生は他にエセル先輩ともう一人、ハーティ先輩という方がいて全員仲がいいけど、パルム先輩とピノ先輩は特に仲がいいと感じる。遠慮のないところとか…。



「追加の素材持ってきた…。疲れたから癒やして…アルジェちゃん」

「メルティ先輩おかえりなさい。 お疲れ様でした。僕にできることでしたら…。リュックもありがとうございました!」

「うん…膝枕を所望する…」

ゲームの中で?どうするんだろう。

そう思っていたら、リアルの方で隣にいたメルティ先輩が僕の太ももに頭を乗せてきてびっくりしてしまい…。

「ひうっ…メルティ先輩!?」

「可愛い悲鳴もらいましたー! ってメルティ先輩ズルいです!」

「頑張ったんだからこれくらい…」

メルティ先輩が望まれるのならいいのですが、ドキドキするのは仕方ないよね!?家族じゃないお姉さんがこんな近くにいるのだから。

ピノ先輩に抱きつかれた時は驚きすぎて意味がわからなかったけど、今になって冷静に考えるとあれもとんでもない事だよね…。


「はぁ、もう…。アルジェちゃんが可愛いのはわかったから、ピノはやること済ませなさいな。頑張ればピノもしてもらえるかもだよ?」

「はっ…そっか! よしっ、がんばるぞー」

「パルム、本気?」

「ああ言っておけば頑張ってくれますし」

「可哀想に…」

「メルティ先輩こそ譲る気ないですよね?」

「当然…」

いつまでこのままなんですか!? 

コメント欄は僕らのやり取りに色々と想像してるのか盛り上がってて、すごい速さで流れていく…。


よし…作業に集中しよう。そうすれば気も紛れる。メルティ先輩からシャンプーのいい香りがするのとか気にしないようにしないと。


「ひやっ…パルム先輩!?なにするんですか!」

「べっつにー。なんかつつきたくなっただけ」

えー…。脇腹はやめてほしいのですが…。


しかもメルティ先輩はすぅすぅ…と寝息立ててるし。

「あぅ…メルティ先輩が寝落ちされてしまったので、配信を見ている方は起きられるまで待っていてください」

「あぁ、みんななれてるから大丈夫よ。長時間配信だと合間合間に寝落ちするのは何時もだから。十分もしたら起きるよ」

「わかりました」

あまり寝てないのだから仕方ないよ…。無理しないでくださいね。










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