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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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さんじゅーさん



配信部屋で紲さんの淹れてくれたお茶を飲みながら先輩方の帰りを待っていたら、会社支給のスマホが鳴った。

「どなたからですか?」

「メルティ先輩からです。すぐに社長室に来てほしいと…」

どうしたんだろう。わかならないけど先輩に呼ばれたのなら行かなくちゃ。


すぐにエレベーターに乗って、社長室へ。

紲さんもついてきてくれてるから心強い。

ノックをしたらパルム先輩が扉を開けてくれた。

「ごめんね、呼び出しちゃって」

「大丈夫です。あの…どうしたんですか?」

「仲直りのチャンスをあげようかな?って」

なるほど。ヴィオラさんもこちらに居られたんですね。


パルム先輩に案内されて、ヴィオラさんの向かいに座った。

確かに話すのなら対面のがいいよね…。緊張するけど、そうも言ってられない。

でもどうしよう、睨まれてたら…。怖くて顔があげられない…。

それにまずはなんて話たらいいのかな…。無理に食事を勧めたのを謝る…とか?

「……アルジェちゃん」

「は、はい!」

名前を呼ばれて咄嗟に顔を上げたら、ヴィオラさんがとんでもない格好してて、慌ててまた下を向いた。

なんであんな服を着崩してるの!?暑くもないよね…。社長ちゃん、暑いの嫌いだからいつも社内は適温なのに。 

無意識なんだったら指摘とかしたら失礼だし、どうしよう…。見ないようにするしか…


「わかった?」

「はい。こんなに可愛らしい反応されると虐めたくなるくらいには…」

「やめなさいって…」

先輩方はなんの話をしてるのですか?


「アルジェちゃん。さっきはごめんなさいね。少しイライラしていたの」

「僕こそごめんなさい! カレーが好きか嫌いかの確認もせず、ましてや香りが強いものを朝からは苦手な人もいますよね。なのに…」

「え、あれをそう受け取ってたの!?」

「だから言ってるじゃない。この子本当に純粋だって」

「よくわかりました…。私が向けていた嫉妬がいかに見当違いだったかというのも。むしろ私達が守らなくてはいけない子では…」

「わかる!? だよね! 特にピノとかから」

「私!?」

「他に誰がいるの…」

えーっと…?先輩方は本当になんの話をしておられるのです?


「よし…。二人は仲直りしたって事で、次はSNSの方だね」

「もう手は打った…。徐々に落ち着いていくはず。ヴィオラ、貴女は初めての大きなイベントで緊張してて疲れも相まって体調が悪くなった…そういう事にしておくからね…」

「メルティ先輩?」

「これからヴィオラがするべきなのは二つ。先ずは配信をぶつ切りにしてしまった事を自分のリスナーに謝って事情の説明をする…。 もう一つは今後、不満やイライラする事があっても配信にはのせないようにする事。 そういうのは私達に相談したらいい。わかった…?」

「はい…」

「今から仲間の大切さがわかるから、SNSを見てるといい…。それをふまえて自身の言葉でリスナーに説明するようにね…?」

「なんて説明したら…」

「大丈夫。みんなが力を貸すから…」

メルティ先輩は何をしたんだろう?


「アルジェちゃん、うちの子達のSNS見てみるといいよ」

「はい」

パルム先輩に言われて、会社支給のスマホから先輩達のSNS投稿を見てみた。


“そういえば昨日、後輩の子が一人3D酔にでもなっちゃったのか辛そうにしてたのをみかけたけど、誰か経過知らない? 私は急いでて何もしてあげられなくて“

”それなら私見たじゃん。医務室へ眠気覚ましに冷えクール貰いに行ったら、酔い止めもらってベッドで寝てたじゃん“

”慣れないうちはなるよねえ〜。私も昔なって、配信を切った事があったっけ〜。あの時はみんなに心配かけちゃったのも懐かしいよぉ〜“

”人間は軟弱だな! 我のように鍛えろ! 付き合ってやるぞ!“

”トカゲの脳筋はお呼びじゃない。人は繊細なんだ。これだからモンスターは…“

”酷いのだ! ウチみたいに繊細な子もいるのだ! ひとくくりにされるのは迷惑なのだ…“


みなさん、誰がとは言わないし、些細な雑談のように話しているけど…。

そんな呟きに沢山の人が反応してて、この会話が誰の事を指しているのかとかが話題になり始めて…。

もちろん、”アレが体調悪かっただけか?“っていう懐疑的な意見もあるけど、別の人が”酔っちゃうと本当に辛いよ?“とか…。話がどんどん加速していってる。


”ねえ、朝から会社内ですごくいい香りしてたけど、誰か料理してた? 行けばなにか食べれたりする?お腹空いてて寝る前に少しなにか食べたいんだけど。やっぱりコンビニ行くしかないかな…“

”料理っていったら副社長ちゃんじゃない?“

”違うのだ! カレーの神様がいたのだ!“

”なに、その限定的過ぎる神様…“

”私は食べたの。美味しかったのー。というわけで一旦おやすみなさいなの“

と、あっという間に話題が変わり、今度は”誰が何を作ってたんだろう?” “だからカレーだろ?”と見ている人達の話も変わっていく…。


しかも…すごいのが…。

ヴィオラさんのアカウントの方には体調を気遣うようなコメントが押し寄せてる。

チラホラとまだ叩くような発言をする人もいるけど、それもすぐに埋もれていく。

「わかった? みんなの力」

「はいっ! ヴィオラさん、もう体調は落ち着かれましたか? 本当にごめんなさい…。酔っている時にカレーはキツかったですよね…」 

「あははっ! ここに一番素直すぎる子がいたね。 ね?ヴィオラ」

「はいっ…。ありがとう…ございます…」

そっか、酔ってて気持ちが悪かったから着崩してたんだ。確かに首元とか締め付けられてると吐き気がある時はつらい。

僕も車酔いした時につらかったからすごくわかる…。


「あの! 僕ちょっとキッチンエリアに行ってきます!」

「うん?急にどうしたの…?」

「僕も車酔いした事があって、その時に母が渡してくれた飲み物でスッキリしたので、用意してきます!」

「ア、アルジェちゃん…!?」

「すぐ戻りますから、ヴィオラさんは楽な姿勢でゆっくりしててください!」

「え、ええ…」



部屋をかけ出ていったアルジェ。追いかけるように紲も部屋を出ていく。

それを見送るしかないヴィオラ。

「………」

「可愛すぎて死ぬ…」

「ピノは一回それでもいいんじゃない?」

「パルム酷っ!」

「毒気も抜かれたでしょ…」

「はい…。逆に心配になってきました。簡単に騙されそうじゃないですか?あの子…」

「それを守るのも仲間の役目。でしょ?」

「そうですね。 先輩方にはなんとお礼を言ったらいいか…。つまらない嫉妬でこんな騒ぎを起こしてしまい、申し訳ありませんでした…」

「もういいって。だって当の本人があんな感じなんだよ?」

「あんな子に私は何してしまったんだろう…と罪悪感で潰されそうになるので、いっそ責めてくれたほうがいいとさえ思えてきましたよ」

「素直にアルジェちゃんの厚意を受け取ったらいい…今回の事はそれでおしまい…」

「はい…。そう、ですね」


「さてと…アルジェちゃんが戻ったら私達も配信始めよっか!」

「今何時!?」

「十時過ぎだから、今から告知して…お昼前くらいから始めるかー」

「またゾンビ強化されてる…。拠点強化しないと…ピノ頑張れ…」

「私ですか!? やりますけどね! 守るべき子がいますから!」








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